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自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ヒラタアブの囲蛹(続)

2016-07-09 | ヒラタアブ

発見2日後の朝。色がずいぶん濃くなってきました。急激な変わり方です。前にシロツメクサで見かけた囲蛹(6月25日記事)と同じようには見えません。今日一日ですっかり様子が変わってきそうです。

 
日付けが変わった早朝。一層中がよく見えてきました。腹部の模様が確認できます。

 


昼の撮影。複眼や腹部がはっきりしてきました。 

 


夜に撮影。斜め前から見ました。カプセルに詰まったからだが,いかにも窮屈そう。カプセルの容積を目いっぱいに使っているのでしょう。

 

 


ヒラタアブの囲蛹

2016-07-04 | ヒラタアブ

シロツメクサの葉にあるヒラタアブの囲蛹については,すでに記事にしたとおりです。たのしみにしていた孵化が観察できず悔しい思いをしました。ところがふしぎなことに,その後同じ囲蛹に再会することができたのです。今日はその報告記事です。

お気に入りの草原を訪れ,モンキチョウの幼虫を探しているときでした。ミヤコグサの葉の表に,緑がかった透明感のある蛹が付いていたのです。「あーっ,これはこの間,孵化を見逃した囲蛹や!」。思わずこころが踊り,叫んでいました。

 


ミヤコグサもマメ科植物。そこにアブラムシが棲んでいて,それを嗅ぎ付けたヒラタアブがそこに卵を産み付けて,孵化した幼虫がミヤコグサを食べて育って,今に至って。そんな具合なのでしょう。

 


もちろん,正体を見届けたいので,茎ごと採集して持ち帰りました。殻の内側には空気層ができています。孵化に向かって着実に変化が進んでいるのでしょう。

それをコップに挿して,飼育ケースに入れました。これで,万一羽化しても姿を確認できます。緑が消えて透明感が増したときがそのときです。

その後,撮影している際に,囲蛹が葉から落下。紙の上に置いて撮ったのが下写真です。

 

 
発見1日後の朝。変化は見えません。


発見1日後の夜。前部に変化が現れています。褐色がかったなにかが形成されている模様です。もちろん,アブのからだの一部でしょうけど。明日以降の変化には目が離せないでしょう。

 

 


シロツメクサにヒラタアブの囲蛹(2)

2016-06-25 | ヒラタアブ

6月17日(金)。翡翠のような透き通った緑は変わらず。孵化までにはまだ日がありそうです。

 
6月20日(月)。大変化! 緑色が失せて,透明感が一層増しました。結果,空気の泡のようなもの,脚のような真っ白なものが見えています。初めて見る光景,興味深い光景です。

 
6月21日(火)。見ると,なんと蓋部分がパカッと開いていて,すでに成虫が飛び去ったあとでした。またもや,肩透かしです。


それにしても,こんなに早く羽化してしまうとは!


偶然すぐ近くにヒメヒラタアブがいて,タンポポの花で花粉を舐めたり,葉にとまったりしていました。殻の大きさからみると,たぶん,ヒメヒラタアブが出て来た気がしますが,どうでしょうか。このシリーズ,もっと続く見込みだったのがこれで終了です。
 

 


シロツメクサにヒラタアブの囲蛹(1)

2016-06-14 | ヒラタアブ

ほんのわずかな,ワンダーな話題を一つ。

6月14日(火)。モンキチョウの産卵行動を追っているときのこと。偶然。シロツメクサの葉の表側で見かけたのがヒラタアブのなかまと思われる蛹。いわゆる囲蛹です。発見した瞬間,「おー,ワンダー! こんなところにいるなんて!」という気持ちになりました。

長さは5mmといったところ。色は緑。これは保護色なのでしょう。


わたしのワンダーは,そのまま正体は何かという点に移っていきます。上で「ヒラタアブのなかまと思われる」と書きましたが,かたちから見てまちがいなくそうだと思います。シロツメクサにはヒラタアブのお気に入りアブラムシが付きます。この囲蛹を見かけたときは,アブラムシの気配はありませんでした。幼虫が実際この葉で生活していたのか,ふつう蛹になって保護色になるのか,葉の表面で囲蛹になるのか,気になります。

いずれ,この昆虫の生態がすこし見えてくるでしょう。

とにかく,成虫が出て来るのを待つことにします。 

 


発見! ホソヒラタアブの囲蛹

2016-04-18 | ヒラタアブ

4月14日(木)。昨夜来の雨が上がり,自宅玄関のプランターに植わったパンジーがしっとり。その花弁にホソヒラタアブの囲蛹が1つ。特徴あるかたちが自己をアピールしているかのようです。


同じ日の午前のこと。公園を歩いていて,見かけたのが同じヒラタアブのそれ。雨が降った影響で,草が葉を閉じ気味で直立させていました。その葉裏がちょうど見えて,そこに囲蛹があったのです。 


近寄って撮ったのが下写真。 


羽化にはまだ日がありそうです。それで採集して観察することに。できれば(なんとしてでも?)羽化場面を観察したいですから。 

 


クロヒラタアブ,3月の卵(1)

2016-03-31 | ヒラタアブ

3月30日(水)。晴れ。我が家の屋外紙漉き場において。

コンクリートの隙間から伸びたホトケノザに。クロヒラタアブが1匹しきりに関心をもったように接近。見ていると,どうも産卵行動の様子。アブラムシの気配を感じたのでしょう。すぐにその場を去ったので行動を見届けることはできなかったので,しばらくしてから卵の有無を確認しました。 


やっぱり! 真っ白な卵が一粒,ポツン。さらにすぐその隣りに幼虫が1匹。驚きの場面です。アリが3匹,盛んに甘み成分を物色する姿がありました。 


さらにアップ気味に撮りました。確かにクロヒラタアブの卵です。幼虫もクロヒラタアブです。 


ここでも,じつにタイミングのよい出合いができました。運がついている感じ! 孵化を見たいなあと思いますが,さて,今回はこの夢が叶うでしょうか。  

 


クロヒラタアブ,1月の卵(もっともっともっと)

2016-03-11 | ヒラタアブ

2月21日(日)。変化は感じられません。

 


3月9日(水)。深夜に見ましたが,変化なし。 

3月10日(木)。夕方見ると,飼育容器の側面に成虫が! 春を迎えて,無事に成虫が誕生したのです。とうとう,羽化の日を迎えました。昨年暮れに卵を見つけて観察を始め,1月8日に孵化,孵化後35日目の2月12日に蛹化,そして孵化後62日目の今日羽化,というふうに成長の道筋をたどりました。

容器内で飛んだので,羽化後時間が経過していることがわかります。それで,動かないときを見計らってなんとか撮影しました。


これまでからだを守っていたカプセルを見ると,ぽっかり穴が開いています。


ここから成虫が出てくる瞬間を見届けられたら,もう気分は最高でしょう。いつかそのチャンスに恵まれるのを夢見ています。生まれた成虫は元気に飛び去っていきました。「よかったー!」「めでたし,めでたし」。  (完) 

 


クロヒラタアブ,1月の卵(もっともっと)

2016-02-21 | ヒラタアブ

2月13日(土)。雨。蛹化から一日経ちました。見た限りでは変化は感じられません。

 
2月15日(月)。全体の色調は変わりませんが,透明感が消え,これまで確認できていた白い複雑な器官が見えにくくなっています。

 

 
なお,もう1つの幼虫は見当たりません。今のところ行方不明です。 

2月17日(水)。大きな変化はありません。

 

 


クロヒラタアブ,1月の卵(もっと)

2016-02-15 | ヒラタアブ

2月12日(金)。早朝のことです。幼虫にアブラムシを与えようとして,様子を見ると,なんと大きな幼虫に大変化が! かたちが丸みを帯びて,前とはずいぶん変わっていました。つまり,囲蛹に変態したというわけです。昨日はまだ幼虫態でしたから,昨夜から今朝にかけて蛹化したと思われます。孵化したのが1月8日の夜。その日から数えて,35日目の蛹化です。

貴重な記録なので,画像でご紹介しておきます。

風船のように膨らんだからだつきです。体長は7mm。尾端でからだを固定しています。色は薄く褐色が複雑に入り混ざった感じがします。今のところ,透明感があり内部器官が一部見えます。


やや上から見ました。いわゆる正中線が走っているのがわかります。


下側から見上げる感じで撮りました。ほんとうによく膨らんだものです。今から,からだの中では劇的な大改造が進行していきます。イモムシが,空を飛ぶ機能をもつからだに変身するには,簡単な変化ではとても無理なのです。 

 
土台になっているホトケノザは,根がないので枯れていきます。葉が枯れても,もちろん囲蛹には影響ないでしょう。下写真は夕方に撮ったコマです。体色が濃くなりかけているのがわかります。


さて,いつ頃羽化するでしょうか。このカプセルから,成虫がスルスルと出てくる光景を目撃できたら感動ものでしょう。しかし,そううまくいくとは思えません。マアできないことを前提にして,せめて変化だけでも追っていきたいと思います。

一方,もう1つの幼虫は下写真の状態です。これも,近いうちに同じ変化をたどるでしょう。

 

 

 


クロヒラタアブ,1月の卵(さらにさらにさらに)

2016-02-14 | ヒラタアブ

2月8日(月)。ホトケノザの群落で幼虫の餌アブラムシを探しました。何本目かでアブラムシのたくさん付いた茎を手にしました。それでよく見たら,なんとクロヒラタアブの幼虫が付いていたー! 飼育中のものより一回り小さい個体です。これも併せて飼うことに。

さっそくアブラムシを食べていました(下写真の左)。大した食欲です。自然の摂理なので,ありのまま受けとめるほかありません。

 


2月10日(水)。あとで入れた幼虫がちょうど食餌中でした。アブラムシの脚が重なったように動いているのは,じっさいに動いた姿を重ねて合成写真にしているからです。


やがて幼虫はアブラムシを放しました。見ると,アブラムシの体液はすっかりなくなっていました。旺盛な食欲ぶりが窺えます。これもまた自然の摂理です。 

 
時間が経ってから見ると,同じ茎にいて,両方とも茎を抱え込んでじっとしていました。写真では上が大きい個体,下が小さい個体です。