葉月のブログ

命題:ウイルスの糖鎖はヒトの糖鎖と同一なので病因とはならない

サーバリックスのアジュバントは本当に細胞性免疫を上げるのか その2

2019-11-25 | 資料November19
2009年8月31日の審議会で、庵原先生と溝口先生がサーバリックスの作用として、MPLの細胞性免疫について質問していました。

GSKが、医薬品医療機器総合機構に提出した「製造販売承認申請書添付資料 」から、細胞性免疫に関して言及している部分を紹介します。


(1)「緒言」から


『GSK Biologicals社は、高く持続的な抗体価および細胞性免疫(CMI)を誘導することで、より速やかでより強く、より長期間持続する防御効果を誘発させることを目的として、新たなアジュバントを開発してきた。 』

GSKの新たなアジュバントは、細胞性免疫を誘導するために開発されたと明記されています。

(2)「薬理試験」から

AS04アジュバントが「持続的に高水準の抗体を誘導して特異的な細胞性免疫を誘導する 」とされ、効力を裏付ける試験AおよびBを行っています。

試験Aは、ヒト末梢血単核細胞を使用して、炎症性サイトカイン(IL-6、TNF-α)が分泌されることを確かめています。

試験Bの記載は



動物実験で、AS04が強力かつ持続的に抗HPV-16 L1 VLP抗体および抗HPV-18 L1 VLP抗体を誘導し、IgG2a抗体、抗ウイルス作用を有するサイトカインであるIFN-γおよびTNF-α産生をより強く誘導したことを確認しました。

ここでは、抗体の測定はしていますが、細胞傷害性Tリンパ球の測定はしておらず、抗ウイルス作用を有するサイトカインであるIFN-γ産生が誘導されたことをもって、細胞性免疫が獲得できていると結論しているようです。

この次に、MPLの作用機序として示した図では、MPLがLPSと同じ機序でTLR4を介して自然免疫を活性化すると説明しています。


以上のように、「製造販売承認申請書添付資料 」においては、AS04が液性免疫と細胞免疫の両方を活性化すると明記していますが、実験で示されているのは抗体価だけであり、特異的な細胞傷害性Tリンパ球を測定しているわけでは無く、抗ウイルス作用を有するサイトカインであるIFN-γの産生をもって推測しているだけでした。

追加の資料:
ガーダシルが米国で承認されたときに、厚労省の審議会で提出された資料があります
平成18年4月~6月に欧米4カ国のいずれかの国で新たに承認された医薬品(類型I) 



ガーダシルの作用機序等は、「体液性免疫反応」でした。

もし、サーバリックスの効用として、「体液性および細胞性免疫反応の活性化」を謳い、これが嘘であった場合、米国では「虚偽請求取締法 」違反として、莫大な罰金が課せられる可能性があります。

コメントを投稿