日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

専門店とネット通販

2009-03-26 09:02:29 | ビジネス
今、探し物をしている。
「探し物」と言っても、遺失物と言うコトではなく、財布を買い換えるために、「探している」のだ。
財布も10年以上使っていると、それなりに汚れや痛みが目立つようになり、昔から「春財布」は縁起がよいからと言う理由もあって、財布を探しているのだ。
元々海外の有名ブランド品など持つ気が無く、ノーブランドで、質感と使い勝手の良さを最優先としている。
10年前までは、そんな財布を街中で見つけるコトは、決して難しいコトではなかったはずなのだが、先日用事で百貨店が建ち並ぶ繁華街に出かけた時には、「財布探しの旅」のように、街中を歩き回る結果となってしまった。

探し始めて、気が付いたことがあった。
それは、カバン店そのものが減り、カバン店が扱う財布も減っていると言うことだ。
では、どんなお店にカバンや財布が置かれているのか?と言うと、アパレルを扱うお店にあるのだ。
もちろん、ノーブランドではない。
ショップの名前=アパレルブランド名が、シッカリ入ったカバンだったり財布だったりする。
肝心な素材感や使いやすさとなると「・・・・・・????」となってしまうのだ。
百貨店の財布売り場と言うのも選択の一つなのだが、やはりブランドライセンス商品ばかりで、個人的に「これは!」という感じではない。
かといって、東急ハンズなどの売り場には婦人物はほとんど見かけない。
私のように10年くらい同じ財布を使う、と言う人を対象にはしていない、と言うコトが良く分る。

ノーブランドにこだわる理由は、財布やカバンは「使うコトが目的」だと考えているからだ。
海外の有名ブランド品を持つ「ステータス」よりも、気恥ずかしさを感じ、「余り知られていない、上質なモノを持ちたい」というが先にあると言うが、ブランド品を持ちたくない理由ではある(単なる「へそ曲がり」なだけなのだが)。
そのため、カバンや財布、靴などを探す時には、真っ先に「専門店」に行くことにしている。
しかし、専門店は繁華街から姿を消しつつあるようなのだ。
靴屋さんは、それでも「工房」の看板を掲げビルの一室でこじんまりと、お客様の足型を取って、注文靴だけを扱うところが最近増えてきているようなのだが、靴のように型の要らないカバンや財布などは、見かけなくなったように思う。

アパレルメーカーやファッションブランドが、カバンや財布を手がける理由はわかるのだ。
洋服とのコーディネートと言う「提案」を、生活者にしていると言うコトなのだ。


結局、「これは!」と思える財布を探す事が出来ず、自宅に帰ってからネットで探して見ると、幾つかヒットする。
おそらく、私のようなタイプは市場的には余りいないのだろう。
だから、マスで販売するお店では扱えないのだろ。
反面、ネット通販のような販売形態であれば、製造業者さんが直接販売することもできるし、その対象は全国と言うコトになる。
販売数は多くなくても、大きなリスクを負わずにビジネスができるのだ。

当然と言えば当然のコトなのだが、今日改めて、ネット通販の中心の一つがこのような小さな工房などの販売ルートとなっているのだ、と実感した。