日々是マーケティング

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コンビニ、侮れず・・・トレンドに敏感なコンビニ

2012-07-17 19:21:57 | ビジネス
今日、チョットしたお遣い物が必要となり、近所のパン屋さんに出かけた。
パン屋さんではあるが、目的はクッキー。
結局今回はクッキーは買わず、他の小さなパンを買って帰ってきた。

私が出かけたパン屋さんは、「ふすまパン」専門店。
「ふすまパン」と言っても、知らない方が多いかも知れない。
小麦ふすまだけを使って焼いたパンのコトで、糖質が少なく繊維質やミネラル分が多いパンのこと。
繊維質が多いコトも有り、腹持ちも良く通常のパンよりも少ない量で満足できる、と言う点もあるようだ。
そのため糖尿病や食事制限をされている方などが、安心して食べられるパンとして注目され始めている。
もちろん、糖質が少ない=ダイエット向きというコトも有り、最近では若い女性を中心に密かに人気になりつつあるようだ。

私がこのパン屋さんを知ったのは、オープンしたての頃。
以来時々お店を覗くと、確かに中高年のお客さんが中心ながら、なかなかの人気となっていた。
ただこの「ふすまパン」、通常の焼きたてパンのお店などに比べると2~3倍の値段。
パンとして考えると、相当高価なパンでもある。
1斤1,000円近くするパンを、そう気軽に買われる方も多くは無いと思う。
それでも、糖尿病の方にとっては安心して食べられるパン、として一種のサプリメント的な意識で、購入される方がいらっしゃるのでは?と、想像している。

とは言うものの、「ふすまパン」についていろいろお店の方にお話を伺うと、最近ではローソンなどでも「ふすまパン」を扱う様になった、と言うコトを聞いた。
ローソン「とっておき宣言・ブランシリーズ」
「ブラン」というのは、英語の「ふすま」のこと。
価格を見ると、通常のパンとさほど変わらない程度の値段。
と言っても、もちろん私が出かけた「ふすまパン」のパンとは違い、通常の小麦粉にふすまを混ぜた程度のもののよう。
とは言うものの、この様なトレンドにコンビニが敏感に対応している、と言うコトに少し驚く。

おそらく「プレミアムロールケーキ」の頃から、コンビニは「チョット贅沢・日々のご褒美プレミアム」という、商品開発をしてきた。
その多くは、いわゆる「スィーツ」が中心だった。
その後、「焼きたてパン」や独自のパンを作る様になってきた。
それらの商品も「素材にこだわった、チョット贅沢感」のある商品だった。
その延長として、ローソンは「ブランシリーズ」を作ったのだろう。
そして今度のキーワードは「おいしく・健康+プレミアム」と言うトコロだろうか?
もちろん購入対象として考えているのは、20代後半~30代の女性。

コンビニでこの様なパンを扱うのであれば、デパ地下の焼きたてパンのお店でも扱ってもおかしくないと思うのだが、どうやら「小麦粉にふすまを混ぜました程度」では、難しいのだと思う。
デパ地下に入る焼きたてパンのお店の多くは、フランスなどのグローサリー店からその名前を使っているコトも有り、フランスの本店にはないパンは作れないのだと思う。
逆に、その様な「しがらみ」のないコンビニだからこそ、敏感にこの様なトレンドをつかみ、商品化するコトができるのかも知れない。