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日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

国産米を食べたい‐これまでの農政に疑問

2025-04-21 19:31:56 | ライフスタイル

先日、備蓄米が放出されたが、小売店に届いた備蓄米はわずかである、というニュースがあった。
朝日珍聞:備蓄米、小売店に届いたのは0.3%のみ 3月の初回放出分調査 

放出備蓄米14.2万トンのうち、小売り店に届いたのが、426トンというのは、いくら何でも少なすぎるのでは?という、印象を持ってしまう。
では残り99.7%ンの放出米はどこに行ったのか?
この件については、物流の問題などがあり、届けられていない、という説明だが、物流の問題であってもあまりにも少なすぎるのでは?という、気がする。
どこかで何かがおかしい、という違和感しかないのだ。

そもそも農水省は、今年度も「減反」を米農家に押し付けている。
PRESIDENT on-line:水田はあるのに「主食のコメ」を作らせない・・・「コメの値段を下げたくない」農水省がこっそり続ける減反の実態 

まず、記事を読むと「数字のトリック」のようなコトが、見えてくる。
このような事を繰り返した結果、日本のコメ不足が起きてしまっているのでは?というのが、リンク先の記事の指摘だ。
それだけではなく、表向きには、国の減反政策は2018年で終わっており、その後は米農家の判断ということになっているが、考えてみれば農業就労者の平均年齢がどんどん上がって言っている状況を考えると、「コメ農家自然廃業による減反」ということなのでは?
違う言い方をするなら、若い世代のコメ農家が育っていない、農業の継承ができていない為に起きている、ということになるのだと思う。
その理由は何か?と言えば、あまりにも労働に対する対価が低すぎるからだ。


もう一つあるとすれば、「諸外国との輸出‣入」の交渉の下手さだ。
今日のYahoo!のニューストピックスを見て、驚いたのは韓国からコメ20トン輸出する、という記事があったからだ。
YONHAP News:韓国が日本にコメ20トン輸出へ 過去最大量の輸出量 

韓国からの輸入米は、量的には多いとは言えないかもしれない、むしろ先日の赤沢経済再生大臣が米国に行った時のコメ輸出の拡大交渉の方が、輸入総量は大きいだろう。
こちらは、「トランプ関税」の関係と以前から米国から言われていた「(米国側から見た)コメ輸出交渉」があってのことだ。
今のような「コメ不足」の状況がつづけば、当たり前のように「輸入米」がスーパーなどの店頭に並ぶようになるだろう。
それで良いのだろうか?

実は、私自身「お米」が大好きで、おそらく女性としては1ヵ月のお米の消費量は多い方だと思っている(因みに1人で、大体1ヵ月5㎏は消費する)。
しかし、周囲の女性から話を聞くと、「お米そのものを食べない・食べる量が極端に少ない」という気がしている。
そのような社会的傾向があったこともあり、昨年以前のコメの生産について社会的関心が低かった、という気もしている。
それが「コメ不足」と、ニュースで取り上げられるようになってから、「コメが無くなる」という不安感から、お米を買う人が殺到し、それを見た転売ヤーが「商機」とみて訳も分からず高値でも購入した、ということもあったのでは?と想像している。

ここまでくると、日本の農政の失敗なのでは?という気がしてくる。
なぜ失敗するのか?と言えば、農業を知らない官僚が机の上で「交渉材料」として考え、それに農業を知らない政治家が乗っかっているからなのでは?

市場的に考えれば、今や「コメ」は嗜好品となっており、生活者は自分の好みに合ったコメを購入するようになっている。
その中でも特に「ブランド米」と呼ばれるコメの人気は高く、それぞれのコメの個性を知ったうえで、購入するような生活者もいるほどだ。
反面、ブランドにこだわらず、リーズナブルなお米を大量に購入するというご家庭もある。
育ち盛りのお子さんを持っていたりすれば、お米の消費量は多い。
そのような「生活者のライフスタイル、生活指向」すら判断できずに、米栽培には適さない「大規模農業化」を推し進めたり、交渉材料としての輸入米を増やしながら、輸出に力を入れるなど、軸足が生産者と生活者の実態から、大きく外れているように感じるのだ。



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