日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

スマートシティのモデルを東北で

2012-07-04 19:59:58 | ビジネス
日経新聞のWEBサイトを見ていたら「スマートシティ関連市場規模1000兆円」という趣旨の記事があった。
どうやら基となったのは、日経BPクリーンテック研究所のデータのようだ。

「スマートシティ関連、1000兆円程度の市場規模」と言っても、日本国内では無くどうやら世界の市場規模というコトのようだが、世界的な経済の行き詰まり感のある中での1000兆円という市場規模予想というのは、景気の良い話というか、本当にそんなに大きな市場が有るの?と、やや疑心暗鬼になるような数字という気がする。

ただ、この1000兆円という市場規模にする為には、産業構造そのものが大きく変わるだけでは無く、私たち生活者の生活意識そのものも変わらなくては難しいだろう。
いわゆる「モノづくり=製造業」という枠で見るのでは無く「モノづくり=生活をデザインする総てのモノ・コト」という様な、もっと大きな枠で捉える必要があるだろうし、産業の中心が製造業から第三次産業へと移る可能性も高いはずだ。
特に市場的な成熟期に入ってしまった産業などは、製造業という発想ではなく情報通信システムをいかに取り込んだツールなのか?と言うコトになるかも知れない。
例えば自動車が自動車では無く、クルマが情報機器となる様な発想の転換という意味だ。

そんなコトを考えていたら、もしその様な「スマートシティとスマート産業を創り出すトコロに適した場所は、東北なのでは?」という気がしてきた。
ご存じのように、昨年の「東日本大震災」の為に東北全体の産業の回復は、先が見えない状況に有る。
この「先が見えない状況」というのは、言い換えれば「これからどんなカタチのまちでも創れる」というコトだ。
とすれば、「世界の最先端のモノづくり、東北」と言うコトと、そこに生活する人の生活スタイルそのものもスマートシティ化のデザインがしやすいのではないだろか?
折しも、同じ日経新聞のWEB・地方版には「東北大とニュービジネス協議会 復興へ起業家100人養成」と言う記事があった。

今の東北に求められているコトは、
1,非ミニ東京的まちづくり
2.日本だけでは無く世界が注目する「環境に配慮したライフスタイルと産業の創出」
3.「東北らしさ=地方の伝統が息づく暮らしと産業」
なのだとおもう。
そしてスマートシティそのものが、都市を丸ごと造り替える位の事業だとすると、やはり今の東北が一番やりやすいと考えるのだ。

先日、、政府の復興予算の4割程度が使われていない、と言う報道があった。
本来届くべき人・自治体に届いていない、と言う現実が有ると思うが、使われていない予算を国庫に入れるのでは無く、この様な産業への投資として、積極的に政府も提案をして欲しい・・・と、思っている。