日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

復興支援は、草の根的活動が主流?

2012-07-27 19:13:37 | アラカルト
新聞のWEBサイトのチェックをしていたら、おもしろい記事を見つけた。
昨年の東日本大震災で、甚大な被害を受けた宮城県特に南三陸町の人たちの経済的自立支援を目的とした一般社団法人の記事だった。
その記事自体は、「新商品紹介」という頁に掲載されていたのだが、とても繊細な作りのバッグに惹かれ、販売サイトをチェックしたら、それがその一般社団法人だったのだ。
一般社団法人の名前は「LOOM NIPPON」。
プロジェクトの名前は「KIBOU311」

この社団法人の活動に賛同している人たちを見ると、日本のファッション産業に大きく関わってきた人たちの様だ。
ファッション評論家として名高い、大内順子さんの名前もあった。

このプロジェクトのおもしろいコトは、ファッション関係者が中心でありながら「地域のコト」を主体に考えている点。
一番最初に動き始めたプロジェクトの商品は、何と「日本酒」。
「GOGOCU PROJECT」
被災地が再び五穀豊穣の地域になる様に、と願って付けられたプロジェクト名。
本年中に、発売予定をされている様だが写真で見る限り、今頃の季節冷酒で頂くと美味しそうな雰囲気のある日本酒だ。
と言ってもお酒は、仕込みに時間が掛かる。
おそらく、この晩秋~冬にかけての出荷となるのではないだろうか。

そして新聞に掲載されていたのが「皮革メッシュのバッグ」、
皮革のメッシュというのは、なめした皮を細く裂き、丁寧に編み込むと言う手間の掛かるモノ。
それらの工程を、南三陸町の女性たちに技術指導をし、製品化すると言うのがプロジェクトの目的。
この様な繊細で緻密な作業は、日本人向きだと思う。
そして、その期待に見事南三陸町の女性たちは応えた様だ。
もしかしたら、数年後パリのファッションショーなどが開かれる会場の一角に、この商品が並ぶかも知れない。
そしてそのレセプションで振る舞われるお酒は、この「GOGOCU PROJECT」の「護国」や「四方櫻」だろう。

昨年起きた東日本大震災は、東北だけでは無く日本全体に大きな傷を残した。
その傷を負いながらも、立ち上がり前を向こうとしている人たちがいて、その人たちをサポートしようとする、プロジェクトがいくつも自然発生的に起きている。
それらのプロジェクトの多くは、主たるメンバーの人たちの仕事の延長線に近いモノが多い。
支援をするのであれば、やはり自分たちの得意な分野でのサポートが一番なのだ。
大きなコトでは無いかも知れないが、本当はこの様な様々な草の根的なサポートが、一番現実的で実現化しやすいのだと思う。
何より、継続的な活動になりやすいのだと思う。

国の支援は、未だ判らず。
生活そのものに疲弊感が漂い始めている。
だからこそ、この様な草の根的プロジェクトが重要なのだという気がする。