日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

メディアミックス型広告-金鳥-

2005-05-30 11:07:49 | CMウォッチ
先週、新聞に全2段の「新聞小説風広告」が連続掲載されていた。
広告主は「大日本除虫菊株式会社」。
と言っても、「そんな会社あった???」という感じなのだが、ブランド名は「金鳥」である。
今や会社名よりもブランド名の方が有名になってしまった。

この「金鳥」は、面白CMを制作することでも有名。
古くは「亭主元気で留守がいい」とか「端っこ歩きなさいよ~」といった、やや毒気とユーモアがあるCMがある。
そして、今回の「新聞小説風広告」について。
実は、この広告をよく見ると「ラジオCM」も併用して作成されていることが分かる。
その出演者も、現在のテレビCMの出演者がそのまま出演している。
加藤治子さん演じる春子さんが「オヤジも蚊もそこからは入れないのよ」と、さりげなく商品の効果を言い、大滝秀治さんふんする秀司が「そりゃ~、厄介な商品だね~」と再度商品の効果を言っている。
この商品のテレビCMでは、出番の無い息子役の岸部一徳さんだが、ラジオCMと新聞広告ではシッカリ登場している。

インターネットの登場により、テレビCMである程度興味の引くCMを放送し「続きはインターネットで・・・」という内容のものは多いのだが、新聞、ラジオ、テレビ、インターネットと様々なメディアを使って、トータル的に広告をすると言うのは、珍しいアプローチだと思う。
その為には、シッカリとした「アカウント・マネージメント」がされていなくては難しいのだが・・・。
「金鳥」の場合、これまでの実績と言うか経験があるからこそ、このような展開ができるのだろう。
それどころか、インターネット上で「CM劇場」を展開している。
この「劇場」そのものも、とても凝った内容でCMと言う世界に「エンターティメント性」を持ち込むことに、成功している。

さてさて、今後この電子蚊取り線香のCMの展開は、どうなるのか?
新聞広告に登場していた、「俳句の先生・月波」の登場はあるのか?
そして、殺虫剤のCMで秀司が呼び出した女性とはどのような関係なのか?
それを興味深々でシャッターチャンスを狙う息子・岸部一徳は?
しばらく、目が離せないCMである。