日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

これってあり?-天下りの現実-

2005-05-29 10:49:59 | 徒然
今日の毎日新聞WEB版のトップは橋梁談合:天下り40人超 出勤ゼロで年収1000万円もと言う記事でした(午前)。
こういう記事を目にすると、腹立たしいやら勤労意欲が減退して虚しくなる。

今回の「橋梁談合」というのは、40年近くも前から行われてきたことだと報じられている。
実は、過去に「談合」という場面に遭遇したことが何度かある。
最初に就職した企業が、公共事業を請け負う会社だったので「談合」というのは日常的にされていた。
良い・悪いではなく、業界全体が上手く収益をあげ、利益分配するためには必要とされているシステムと言う認識だったと思う。
派遣社員として某大手ゼネコンで仕事をしていた頃(実は、マーケティングの仕事と兼業してた)、現在の中部国際空港(通称:セントレア)の工事に関わる談合が、発覚した事がある。
大きな建設プロジェクトなので、大手ゼネコン企業が集まって建設現場をいくつかのブロックに分け、ジョント事業として工事を請け負ったのである。
その行為が、「談合」として取り上げられ、2日間ほど関係資料をシュレッダー室に籠もって処分したことがある。

元々、建設業界というのは基盤の弱い業界なのではないだろうか?
戦後の日本が復興する過程で、建設業界が大きくなり、「大手」と言われるところが危険を伴う工事は小さな下請け・孫請けを使い、「ピラミッド型の産業構造」と「逆ピラミッド型の利益構造」を作ってきたように思う。
大きな建設工事は、限られた公共事業ということなるのでその利益配分を均等化するためには「談合」という手段が有効だったと言うことになる。
いわば「談合」は業界全体が、発展するための手段だったと言うこと。
しかし、時代が変わり公共事業をする場所も必要性もなくなり、初めて業界の基盤が弱いということに気がつき、何とかするために公共事業の発注者の実力者と言われるような人たちを迎え入れるようにした。ということは暗に想像がつく。
まぁ、それに体よく天下った人たちが毎年相当数いて、税金やら高速料金を食い物にしてきたと言うことなのだろう。
とすると・・・建設業界の人たちの多くは、「今の公共事業が、国民の利益と言うよりも自分達の利益のために行われている」ということを知っているのではないか?
ただ「生活者利益」ということを考えてこなかった(知らなかった?)ために、どうしたら良いのか分からない。ということのような気がする。

一番問題なのは「公僕」であるはずの人たちが、「国民のみなさまへの利益」ということを忘れ、「自己利益しか考えていない」と言うことになるのでは?
それにしても、80歳と言う年齢になっても元勤務先に影響力があるのだろうか?
普通の企業では、考えられないことですね。
そして、1日も出勤をせず、当然仕事もしないで年間1000万円の報酬を得るなんて・・・「恥ずかしい」という感覚が無いのだろうか?
「真っ当な家庭教育を受けてきた大人のやることではない」と感じる。