はんどろやノート

ラクガキでもしますか。

ZEROの話 其の一

2006年01月16日 | しょうぎ
 その男の名前は当時やっていたあるドラマの主人公と同姓同名なのだが、ここではとりあえず「ZERO」と呼ぼう。彼はB'zの「ZERO」をカラオケでよく歌っていたので。
 山口市湯田温泉にある会社に就職して2日目の昼休み、ZEROが話しかけてきた。
 「はんどろさーん、あそびに行かーん?」
 というわけで遊びにいった場所はゲームセンターである。僕とZEROはエアーホッケーをした。その後、ZEROからの誘いがなかったところをみると、僕はあんまり面白い相手ではなかったらしい。ZEROは一人で昼休みにゲーセンに行っていたようだ。
 1年後の春、またZEROが話しかけてきた。
 「お昼、公園でたべん? ○○さんもくるよー。」
 ○○さんというのは女性新入社員である。3人で弁当を公園で食べたのだがなぜ彼が僕を誘ったのか謎である。
 さらに次の年になり、また昼休みにZEROはこう言った。
 「今日、飲みに行かーん?」
 で行ってみると会社の女の子二人(10代のコと20代前半の人妻)がいた。それから1年間ぼくらは4人で遊ぶようになった。だいたいゲーセンと居酒屋とカラオケだった。
 ZEROはいつも両手を振って歩く。街で偶然見かけてもやっぱり両手を振って歩いていて、それがとっても可笑しかった。本人はそれを自覚していなかったが。
 その後ZEROは大阪へ、人妻は広島へ、そして僕は福岡へ行くことになり4人組は解散した。  [つづく]
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ラグトーリン

2006年01月15日 | まんが
「ラグトーリン! …あなたはどこへいくんだ」
「どこへも いかない。」


 萩尾望都著『銀の三角』からの引用です。
「どこへも いかない。」 というのはいいですよね。なんかほっとします。

 気がつくと僕は「いつかこのひとはいなくなる」ということを前提に物事をかんがえていたりします。そしてそれはだいたい正しい。いつかわかれがくるのだから後悔のないように、と。
 だけど、まてよ、といまかんがえはじめています。それでいいのか。正しい答えはひとつではないはず。
 自分の内側にへばりついている悲しみがそんな具合に僕の感情を押し曲げているのではないのか。たくさんあるはずの答えを一つの答えに限定させてしまっているのでは? 悲しみを溶かしてしまえばそこに違う感情と答えがあるのではないか。
 そしてそこから現実をつくり変えていく力強い何かが芽を出していくのではないか、と。

「どこへも いかない。」  とつぶやいてみる。
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闇の底はあんがい楽しい

2006年01月14日 | おんがく
 闇の底であのこが泣いている。

 あれは… 箱崎さん?
 箱崎さんは『闇に飛ぶ』というタイトルのCDをつくっている。
 「闇」という字に「音」がはいっているのはなぜかな…。
 女の子がないているのはそこが暗くてこわいから? ずっとないていると「音楽」がきこえてきた。「音楽」は女の子のなき声にあわせて静かに寄りそっている。やがて女の子は音楽に気づき耳を澄ませる。そしてそのうち音楽に合わせて唄いはじめた。はじめは静かに、だんだん元気に。
 彼女の声と音楽とは色になり、からみあって空を飛び模様をつくる。
 きれいだね。

 いや、あの女の子は、母?
 母は10年病床にいて、逝った。手も足も舌もしびれ、話すことができなかった。彼女の見たであろう闇の底を僕は長い間想像することを避けてきたが、あそこには「音楽」があったかもしれない。
 母は歌のすきなひとだった。少女のときには唄うのがとくいだったと言っていた。レコードの少ない学校だったので運動会とかイベントのときに、あなたは歌がうまいから唄ってくれないかと言われてよく唄ったというのが自慢だった。ほんとうだろうか。
 それならば音楽の神さまは闇の底のステージに音楽好きの妖怪たちを派遣してかわいそうな彼女を楽しませていたかもしれない。そこでも母はたのまれて唄っていたかもしれない。

 あの子はあるいは男の子で、僕なのかもしれない。
 僕のそばには将棋の駒と盤と「ものがたり」とがあって暗闇の底でも退屈はしなかった。だけどもふっとまわりを見渡したとき無音の闇は僕を不安にさせた。僕はこれでいいんだろうか。いい歳をしてなにをしているんだろう。だけど僕にはこの場所しかないとわかっていた。わかってはいたが…。
 僕のそばには「音楽」がなかった。
 とおもっていたが、ほんとうは「音楽」は僕のそばにいつもいたのではないか。僕はただ単に耳掻きをわすれていただけなのではないか。
 きっとそうなのだ。闇の底にはそのひとのためにだれかが奏でている音楽がいつだってあるのだ。

 さあ、ハコさん、いよいよ今夜だ。
 はじまるね。2006年のライブだ。
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新宿歌舞伎町

2006年01月13日 | ほん
 きのう新宿へ行きました。ポータブルMDの録音用マイクを買いに。3月にボーカル教室の発表会(ライブハウスで)があるのでそろそろ選曲しないと。
 用事はそれだけ。
 ためしに(なんの?)歌舞伎町を歩いてみました(笑)。「歌舞伎町をあるいて心がときめくのが男らしいのか、ときめかないのが男らしいのか」などと考えつつ。
 「歌舞伎町」ときいて連想するのはなに?
 風俗、オカマバー、コマ劇場?
 僕は『花のあすか組!』(マンガ、高口里純著、新宿歌舞伎町ストーリーと副題あり)と『新宿馬鹿物語』(半村良著)ですね。半村良の人情ものがけっこうすきで。たとえばこんな感じ。
 Aさんがお金に困っている。それをだれかから耳にしてBさんがAに声をかける。はなしの流れからBさんは「このお金使って」と差し出す。Bさんも生活はラクではない。それを知っているAは感謝してBの肩を借りてしばし泣く。泣いた後「ありがとう。でもこれは使えません。」といって別れる。Bからお金を借りたらどちらも倒れてしまうとわかっているから。
 何年かたってAとBは再会する。Aはなんとか生きている。そしてAはBに言う。「あの時はありがとう。あれがあったから私はこうして生きています。」
 というような半村人情美学です。
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一日で4万円↑

2006年01月12日 | はなし
 DEX(デザインエクスチェンジ)の株がきのう一日で1万5千円ほど上昇。僕は3株買っているので4万円くらいの利益となりました。そのうち2株は売って利益確定。予想では今日の午前中上がってそれから下がり始めるのでは?このDEXはほんと暴れ馬です。
 去年の5月から株式投資をしています。でもねー、それから日経平均株価は4割上昇してるのに、僕は2割の減益。才能ないですねー。
 けど別のかたちで元はとったよ。株をきっかけにパソコンをおぼえてそれがブログにつながった。感謝してます。大切な出会いを演出してくれたし、絵を描くことで血のめぐりも良くなってるみたい。安い投資じゃ。

結局今日は寄り付き(朝の売買開始)から下がりはじめ、まだあがるかも、と持っていた1株は売りそこねました。ま、こんなもんよ。
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シリウス

2006年01月11日 | はなし
 「あの星、あげる。」と言ってむかしつきあっていた彼女にプレゼントしたのがシリウスです。馬鹿ですね~。彼女は「きゃああ、ありがとう。リボンをつけてくれたらもっとよかったわ。」といいました。
 シリウスは一番明るい星で冬空にすぐ見つかります。しかもきらきらと綺麗。きらきらとダイヤモンドのように輝くのはシリウスが二重星(伴星)だからです。二つの星がくるくると回っているのできらきらとするのですね。
 ところがその彼女、一年後にはその星の名も忘れておりがっかりでした。あんなにきれいで大きな星をあげたのに。あげる相手をまちがえましたね。かといって他の女性にというわけにもいかんでしょう。
シリウスをみるとちょっとかなしい。
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走るメトロン星人

2006年01月10日 | はなし
 僕はギャンブルはあまりしない。負けてもそれほどくやしくないし、勝ってもそんなにおもしろくない。(将棋のほうがおもしろい.)
 でもたまにパチンコをすることもある。昨年は一度やった。「CRウルトラセブン」という機種でそれはとてもおもしろかった。負けたのだが。飽きさせない工夫がされていて感心した。
 そしてなにより『ウルトラセブン』のかっこよさを再認識させられた。デザイン、効果音のひとつひとつがかっこいい。僕は滝のなかから飛び立つウルトラホーク3号が大好きだった。
 このパチンコ台のなかで、メトロン星人が登場し、巨大化した彼が都会の町を全力疾走するシーンがあって、それがとても可笑しかった。「こんなシーンあったかなあ」と確かめたくなってDVDを借りてきた。
 メトロン星人がセブンであるダン隊員に「地球を侵略するからおまえじゃましないで」と話し合いをするシーンがある。それはよくおぼえていたが、僕の記憶の中ではメトロン星人はソファーに座っていた。ところが実はメトロン星人とダン隊員は丸いちゃぶ台をはさんであぐらで話していたことがわかった。そしてパチンコ版のように長距離を疾走する巨大メトロン星人はいなかった。
 いま『ウルトラセブン』をみるとずいぶん大人っぽいドラマだとわかる。大人向けのスパイドラマそのものだ。渋い。しかしラストの対決シーンがくると「お約束」で宇宙人が巨大化するのが笑える。ほとんどストーリーとは無関係に。
 初期の円谷作品が大人っぽかったのは、映画というものがもともと大人向けだったからだと思う。だから作っているおとなたちはこどもがなにを喜ぶのかはっきりわからず手探りでこども向けのTV番組をつくっていたのだ。だからすごく大人っぽい。そこに我々こどもはシビレタのだ。けれどそのうちおとな達はこどもを喜ばせるツボをみつける。ウルトラマンに兄弟をつくったり、戦闘シーンをふやしたり。それは人気につながったが、初期の手探りのときの渋さはなくなってしまった。
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成人の日

2006年01月09日 | はなし
 おとなになるための儀式というのは確かに必要なんだとおもいます。けど、いまの時代の成人式はすでに機能していませんね。
 僕のときもやはりそうでした。僕の成人の日はスーツを着てひとりで行き30分ほど見学しておしるこをたべて帰りました。まるで傍観者でした。
 僕自身についていえば、あのときよりも今のほうが切実に「おとなになる」ということと向き合っているとおもいます。社会がどっちに流れているのかわからないので、いまの時代は自力で『おとなのカタチ』をみつけるしかないのだとおもいます。

 今日が成人の日かどうかを確かめるためにブログを検索してみたらこんな意見をみつけましたよ。
 >人生をたとえて障害物競走だ・・という人もいるけれど、
  私の場合は、パン食い競争なんですよね(笑)。
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耳掻き

2006年01月08日 | からだ
 あのー、耳かきってふつうどのくらいのペースで行うんでしょうか?
 よくよく考えるとですね、うちの親は耳掻きってあまりしたことがないし、だからそれについてしつけられた覚えがない。だからいまもうっかり1年ぐらい耳掻きを忘れていたりします。
 高校に入学したばかりの4月、身体検査で耳の検査がありました。そのとき女の医師が僕の耳を見て「これは耳そうじをしなきゃ」といって僕の耳の穴のそうじをはじめました。すると耳のなかからでるわでるわ…。
 僕の出席番号はうしろのほうで、男子がおわると女子なのですが、僕の耳のなかのものがでるたびに女子たちが叫びます。どうやらそれは衝撃的なものだったようで…。
 おそらくはその一件で僕の名前は女子のあいだに浸透したでしょう。しかしマイペースだった僕はその後その事件のうわさを小耳にはさむようなことはありませんでした。僕のこのマイペースな性格と耳掻きとは関係があるんですかね。
 はい、きのうしっかり耳掻きしましたよ。
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このムービー、上等。

2006年01月07日 | はなし
 Vで『DADDY,FLY,DADDY』を観ました。やるなー、日本映画。おもしろかったー!バスのなかのおじさんトークでは爆笑したよ。

ははっ、まちがえていました。『FLY,DADDY,FLY』でした。
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こころの花って?

2006年01月06日 | おんがく
 『花』って曲があるよね… 川はながれてどこどこいくの~♪ って曲。あれは「こころの花」をうたっているんだけど、「こころの花」ってなにさ?わかる?
 オレのこころには「花」が咲いているか?いや、咲いてはいないな…。でもどうにかすれば…って感じはある。
 みんなはどう?「こころの花」ってわかる?
 ミスチルにもあるよね、『花』って曲。スピッツの『胸に咲いた黄色い花』ってのもある。
 咲くものならそりゃ咲かせたいさ。オレ、むかしはこころがカチンカチンでさ、みるのも嫌だったよ。いまは、ましだな。そのうち咲くかもな。…わかんねえな、「こころの花」。
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マンガロン

2006年01月05日 | まんが
 えーと、以前こうの史代さんの記事を書いたときに「足をしっかり描く」ということをかいておきましたが、説明なしだったのでそのことについて。
 「足をしっかり描く」とはつまりアタマからツマサキまで「全身を描く」ということですね。いまのまんが雑誌を開いてごらんなさい、ほとんどのまんがは胸から上のバストショットと顔だけのアップショットとそれから会話で進みます。そのとき「足」はどこにあるのですか?
 こうのさんはそれをしっかり描くのです。もちろん「手」も。
 「全身を描く」と「顔」はちいさくなって表情がみにくくはなります。しかしその分、背景である「空間」がひろびろとなります。すると「少年」が走り、飛び、転ぶことが自由になるのです。そんな少年まんがを僕は読みたい。むかしは柔道まんがもまるで空中戦だったよ。 

 ところで、こうの史代さんのまんががいま(?)大英博物館に展示されているとか!つまりこれは今僕はともだち自慢をしているわけですが、あんまり遠くにいかないで~。
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AV

2006年01月04日 | はなし
とおい昔におもいをはせるのもよいが、未来もみつめなければいけません。しかしこどもじゃないんだから、未来だ夢だってのもねえ。いま、なにをするか?これですよ。うーん、なにする?
 とりあえずAVかりてきました。
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多摩川の帆船

2006年01月03日 | はなし
 「多摩川に帆船が走っとったで。あれはいい風景だったなあ…。」
きのうの指し初め会で会長の奥さんのつくったおでんを食べながらその言葉を聞きました。昭和初期のはなしです。なにしろ大正生まれが三人昭和ヒトケタが一人ですから。
 なにを運ぶ帆船ですか、と聞くと
 「石よ。石を運ぶのよ。」
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Mr.ローズ

2006年01月02日 | しょうぎ
 将棋のてんぐ会の指し初め会を会長宅で行いました。
 会長は80才を超えており、ばらの会のドンでもあります。毎年西武ドームで行われるバラの祭典を仕切っているのがこのひとです。バラの花の咲く5月はとても忙しいのです。会長のアトリエにはいろいろなバラの写真があり、バラの棘から落ちる水滴が最近のお気に入りのようです。
 会長はむかしは東宝の美術のひとだそうで、有名な映画ではなにをやったのかときくと、『七人の侍』とこたえが返ってきました。スゲー。顔は布施博に似ていると僕はおもっています。
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