はんどろやノート

ラクガキでもしますか。

80%理論

2010年12月30日 | らくがき

 今日は読みかけだった本『物質と精神』を読了しました。これは、立花隆が利根川進へ行ったインタビュー記事をまとめたもの。
 利根川進氏は、1987年にノーベル生理学・医学賞を受賞されました。スイス・バーゼルにおいて、利根川さんは1970年代に当時の免疫学上の大問題である「抗体産生多様性」についての画期的な実験を行い、それが評価されたものであるという。



 この本の中から、僕が気に入った、利根川さんの話したエピソードを一つ。


 バーゼルでそろそろクビになりかけていた無名の実験科学者・利根川進が、生物化学研究の流れを変えるその実験結果をアメリカで発表すると、拍手喝采となり、壇上ですぐにワトソン(DNA2重らせん構造の発見者として超有名な男だ!)が近寄ってきて握手を求めてきた。(ワトソンは利根川さんにとっては雲の上の人だった。)
 そしてその発表後、バーゼル免疫研究所の所長ヤーネはご機嫌になり、利根川さんに対しては、「いくらでも予算を使っていい、人も増やしていい」ということになった。そうした流れの中で、利根川進の下に、優秀な研究者が集まるようになる。
 その中に、リタ・シュラーという女性もいた。 以下その女性研究者についての、利根川さんの話。


 「これがまた実に優秀なテクニシャンでしたね。そして、何というのか、不思議な運をもっていて、彼女が手がけたプロジェクトは必ず成功する。前に彼女がいたところのボスが紹介してくれたんですけど、本当に、彼女が参加した実験はみんなうまくいった。
 ところが本人はいたって欲がない人で、面白い人生哲学を持っている。自分はいつも自分の能力の80%しか発揮しないで生きていくことにしているというんです。全力を発揮して生きていくなんていうのは誤りだというんです。どんな危機に際しても、最後の5%は絶対に使わないで残しておく。100%全部出しきったら、絶対に失敗するという。
 なかなかできる子だったんで、当時マスターだったんですが、ぜひドクターコースに進んで学者になれといったんだけど、彼女は自分の80%理論を実践して、そんなのはいやだといって結婚して家庭に入っちゃった。」



 この“80%理論”、将棋でいえば、「最後まで持ち時間を5分残しておく」、みたいなことですかね。
 僕はこういう生き方を貫いていることを「あっぱれ!」と思うと同時に、カニグスバーグ著『エリコの丘』のように、「出し惜しみする人は一流になれない」とする説にも、「なるほど!」と頷くのであります。




 追記: うひゃー、しっぱい。 ほんのタイトルは『精神と物質』でした! 訂正します。
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無色

2010年12月29日 | らくがき
 無色であることが、今日はなぜかちくちくと、痛い。
 そんな感じ。
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多摩霊園の人々(3)

2010年12月28日 | はなし
 江戸川乱歩の墓。
 
 江戸川乱歩はエドガー・アラン・ポーからとったペンネーム。本名・平井太郎。
 小学生のときにポプラ社の、あのシリーズは読みまくりました。『電人M』とか。『影男』とか。
 しかしあれらは“ヘンタイ小説”だよな。そういうものが学校の図書館にフツウにあるという面白い事実…。子どもは危険なヘンタイおじさんが実は大好きなのだ。
 あ、乱歩の小説、読みたくなった。





 北原白秋の墓。
 これは自己主張の強い墓ですね。

 う~ん“北原白秋”って誰だっけ? 詩人だってことは勿論わかっているけど、なんの詩の作者? 『鉄腕アトム』の主題歌の作詞?(いやいやそれは谷川俊太郎) 『小さい秋』?(いやそれはサトウハチロー) 立原正秋なんて小説家もいるから紛らわしい。
 さて、調べてみました。

 “ 雨がふります。雨がふる。
  遊びにゆきたし、傘はなし、
  紅緒の木靴(かっこ)も緒が切れた ”

 ははあ、この歌のもとの詞ですか。『雨』というタイトルです。
 この詩が初めに発表されたのは雑誌『赤い鳥』大正7年9月号とのこと。

 この『赤い鳥』は鈴木三重吉が興した有名な子供向け雑誌。たとえば新美南吉の『ごん狐』はここに発表された。『泣いた赤鬼』(浜田廣介)も有名。 
 その創刊号には芥川龍之介『蜘蛛の糸』が掲載されている。鈴木三重吉も芥川龍之介も、夏目漱石の弟子。 夏目家が引っ越しをするときに、夏目鏡子に頼まれて、あの「猫」をつかまえていたのが三重吉である。漱石の「猫」は千駄木の家を気に入っており、引っ越しを嫌がっていたのである。
 また、宮沢賢治が自費出版本『注文の多い料理店』の広告を載せたのも『赤い鳥』。(ただしさっぱり売れなかった。)




 この「多磨霊園」には、ほかにも多くの有名作家が眠っています。
 菊池寛、田山花袋、向田邦子、野村胡堂、中島敦、有島武郎、石坂洋次郎…、ほら、聞いたことあるでしょう? それから三島由紀夫の墓も。三島由紀夫の墓は探したけれども、見つかりませんでした。 あと、歌人与謝野鉄幹・与謝野晶子の墓もあるようです。 
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12月の渡辺明は、

2010年12月27日 | らくがき
つよいなあ。
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雪、重ね塗り

2010年12月26日 | はなし
雪、増量中。

さて、明日は?
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クリスマスの雪化粧

2010年12月25日 | らくがき
 これは寒椿…なのかな?

 肩の上に乗った猫と一緒に窓の外の雪景色を観ています。

 この猫が言うことをきかないので先ほどおもいっきり叱ったのですが、いまは和解してこうして肩に乗っています。
 とはいえ、「肩に乗る」ってのは、猫の主張としては、「仲良くしましょう。でも私あなたの下じゃないわよ、対等なのよ、いいわね。」ということらしい。
 そう、この猫は雌なのです。生後推定4か月。出会って2か月半、体重はその間に4倍になりました。ジャンプ力も大幅アップで日々大あばれ。


 今年はもう、いろいろなことがありました。
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千駄ヶ谷の

2010年12月23日 | らくがき

 千駄ヶ谷の将棋会館道場へいってまいりました。久々です。
 ここは子供が多いのが特徴です。

 3勝2敗。 まずまずの結果です。
 小学生に1勝2敗、中学生に1勝、おっさんに1勝。
 子どもは能力の“伸びしろ”が大きいので勝つのがたいへん。子ども相手の相穴熊戦の接戦を最後に制したのがうれしい。
 とはいえ、最初に小学生に2連敗したときには、会館道場の態度のわるいガキどもをいかにして非力な大人達がギャフンと言わせることができるかについて、友人と1時間も討論したのでありました。


 夕方からは解説会(竜王戦予選)もやっていたようです。
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多磨霊園の人々(2)

2010年12月22日 | はなし
 吉川英治の墓。
 なかなかシャレたいい感じの墓です。
 『三国志』、楽しませてもらいました。
 あれは20代でしたか。 「赤兎馬」っていう馬のエピソードが好きでした。




 大岡正平の墓。
 僕は高校時代、ほとんど読書はしなかったのですが、宿題の読書感想文を書かなければならないときに、選んだのが大岡正平の『野火』。 なぜそれを選んだか記憶にないし、面白かったということもないのだけれど、書店で買ったその文庫本のブックカバーのデザインが大変に気に入っていました。あとでその絵は、エッシャー(オランダの画家)だったんだと知りました。 (この鳥の絵です。)
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きょうのらくがき

2010年12月21日 | らくがき

 今日のらくがきです。
 画像を横並びにできるって、はじめて気づいた記念日。 1221(笑)。
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2010年もいよいよ

2010年12月20日 | らくがき
年の瀬ですな。
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多磨霊園の人々(1)

2010年12月19日 | はなし
 日露戦争日本海海戦の英雄、東郷平八郎の墓。
 世界を仰天させた伝説の「東郷ターン」で、ロシア・バルチック艦隊を撃破!!


 先週、多磨霊園(東京都府中市)に行ってみた。 大きな霊園で、だから有名人も多く眠っている。




 児玉源太郎の墓。
 同じく日露戦争で、旅順(二〇三高地)攻略の参謀として活躍した。


 上のこの二人は司馬遼太郎の小説『坂の上の雲』の重要な登場人物でもある。
 このブログ、全然記事を書いていないというのに先週から少しアクセス数が多い。これはどうやら、「正岡子規」の画像で検索した人がやってきたらしい。さすがTVのちからはすごい。(死んだんですか、TVの正岡子規?)
 僕のその画像の記事は、子規のことよりも、石原純と原阿佐緒について書いたものなのだけど。余談だが(司馬小説でおなじみのフレーズ)、物理学者・石原純は、量子力学の「quantum」(ドイツ語)を「量子」と訳した最初の人である。 そしてどうやら「素粒子」(elementary particle)も、石原の訳らしいのだ。


 『坂の上の雲』の人物ということで、高橋是清(日露戦争の戦費を調達した)も、僕の手持ちの資料では多磨霊園にその墓があるとなっているのだが、探してみたが見つからなかった。




 山本五十六の墓。 第2次世界大戦中、南海に散った。





 新渡戸稲造の銅像。5千円札の人。 にとべいなぞう、と読む。
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10・27詰将棋の解答

2010年12月18日 | つめしょうぎ
 1五銀  同玉  2四角

 この3手目の▲2四角がねらい。



 2四同角  1四飛  2五玉  4五飛  3五角  2四金  まで9手詰め

 4手目△1六玉と逃げるのは、▲1八飛△1七合い▲1五飛以下詰み



 詰め上がり図



 なるほど…う~ん


 眠い…
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