はんどろやノート

ラクガキでもしますか。

2023詰将棋その2 答えと解説

2023年05月22日 | つめしょうぎ
『2023詰将棋その2 答えと解説』です。
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解答です↓

問題図
答え:  3五銀  同桂  1六飛  同桂  3六金  1五玉
     2五金  まで7手詰め

これが答えになります。7手詰です。
初手に“紛れ”が多く、「3五銀が正解」と見つけるのが、この詰将棋問題のポイントになります。
初手2七銀上、または初手2七銀引、初手2五飛、などが目 につくと思いますが、いずれも3七玉と逃げられ、これを捕まえることができません。

失敗図
初手2七銀上に3七玉の場面。
ここで3八金は、4六玉と逃げる場所があります。以下4五飛、5七玉で逃げ切られてしまいます。
この失敗図に戻って、ここで3八銀とするのも考えられますが、これには4八玉でやはり逃げられてしまします。以下5八金には3九玉です。
つまり初手2七銀上では失敗ということです。

問題図(再掲)
問題図に戻り、それならと、2七金と打つのはどうでしょう。
その手には1五玉です。するとこの玉が1四から逃げていくのを防ぐことができないとわかりますね。

途中図1
初手の正解手は、「3五銀」(図)です。
角道を通し、1五玉なら、2五金で3手詰めになります。

途中図2
2手目の正解手は「3五同桂」(図)。
ここでどうするか。

途中図3
3手目「1六飛」(図)とする。
同桂と取らせることで、3六に金を打つことができるのです。
4手目「3六金」以下、「1五玉、2五金」

詰め上がり図
まで、7手詰め。



この詰将棋は、2012年2月にできました。
7手なので、また「LPSA日めくり詰め将棋カレンダー」の募集があったら応募しようと保存していたのですが、「詰め将棋カレンダー」は2012年正月に発行のものが最後になったようです。

2023詰将棋その1 答えと解説

2023年05月11日 | つめしょうぎ
                    問題図

『2023詰将棋その1 答えと解説』です。
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問題図

答え  1六歩  同玉  2五銀  同玉  5二角不成  3四桂
    同角不成  2四玉  1五角  同玉  1六歩  2四玉
    3六桂  3三玉  2五桂  まで15手詰め

15手詰になります。途中、5二角不成(5手目) とナラズで角を使うのが大事なポイントです。



途中図1(初手1六歩まで)
初手は「1六歩」(図)。以下、「同玉」に「2五銀」と打って、「2五同玉」に、「5二角不成」と進めるのがこの玉を捕まえる構想です。
初手「1六歩」に、2五玉の変化は5二角成で早く詰みますし、2四玉と逃げるのも3六桂から早詰みとなります。
よって、2手目「1六同玉」が正解手順ですが、そこで3手目「2五銀」と打ちます。

途中図2(3手目2五銀まで)
「1六歩、同銀、2五銀」(図)で、玉を「2五」に誘導します。
「2五銀」に、1七玉なら、3九角、2八合駒、2九桂で仕留められます。
(また「2五銀」に1五玉は、1六歩、2五玉、5二角成以下簡単に詰みとなる)

なお、この「2五銀」に代えて1七歩は、同玉で継続手なしです。

途中図3(4手目2五同玉まで)
3手目「2五銀」に、「同玉」(図)と応じたところ。
ここで実戦で時間がないと“手成り”で5二角成としてしまいそうですが、それだとこの場合は詰みません。ここにこの“詰将棋の仕掛け”が用意されています。5二角成に、3四桂と合駒をされ、以下同馬、1五玉と進んで攻めが止まり失敗とわかります。

ここは、「5二角不成」(次の図)が正解となります。

途中図4(5手目5二角不成まで)
「5二角不成」(図)に、2四玉には、1五角と打って、以下同玉、1六歩、2四玉、3四角成まで。
「5二角不成」に対する正解手順(最長手順を選ぶ粘り)は、「3四桂」(6手目)です。

途中図5(6手目3四桂まで)
桂馬以外の合駒――たとえば香車の合駒なら、同角成、1五玉、1六香で詰みますから、「桂合」なのです。
図の「3四桂合」(図)に、同角成とすると、1五玉で―――

失敗図
これは「打ち歩詰め」の型にハマってしまっています。これを解消できず失敗です。
この図を避けるために、角を「不成(ならず)」で使ってきたのでした。

途中図6(7手目3四同角不成まで)
7手目は、「3四同角不成」(図)が正解手となります。
玉方は8手目「2四玉」ですが、対して3六桂と指してしまうと、やはり「打ち歩詰め」の型となりいけません。
また「2四玉」に、4二角とする手には、3三桂と合駒されて詰みません。

途中図7(9手目1五角まで)
9手目は、「1五角」(図)が正しい手になります。

途中図8(11手目1六歩まで)
以下「1五同玉」に、「1六歩」(図)。
ここで歩を使って玉が1五へ行く手を消します。「2四玉」と追いかえし、そこで「3六桂」です(次の図)

途中図9(13手目3六桂まで)
桂を打って、玉を「3三」に落とし、「2五桂」と二枚目の桂で仕留めます(次の図)

詰め上がり図
詰みました。



この詰将棋は、
未来での失敗の予知夢(打ち歩詰めの行き止まりの図)を見た角が、慎重に行動を選び、「不成」の技で成功の未来への道を切り開いた
  ―――そんなイメージで、どうでしょうか。
詰将棋は、「成功への道筋が一つしかない」という仕組みになっています。失敗の道はたくさんあるわけで、成功することは大変なのです。
ですが、「かならず成功への道筋が一つある」ということでもあるので、それが希望になり、だから詰将棋というシステムは、「やる気を引き出す装置」になっているのですね。
実戦は、「希望への道筋があるかないかわからない」というところで歩みを進めなければならないので、これはほんとうに大変です。