はんどろやノート

ラクガキでもしますか。

2021詰将棋その5 答えと解説

2021年08月26日 | しょうぎ
                         問題図のみ見たい方はこちら


答え:  1三桂  1二玉  1一角成  同玉  2一桂成  同銀
     1二歩  同玉  1三銀  1一玉  2三桂不成  まで11手詰め


解説:

11手詰めの問題は解くのがたいへんなものも多いが、これはやさしいほうの問題と思う。
とはいえ、「初手1二銀」や「初手1一角成」など、迷わせる筋もある。
「初手1二銀」は、同玉なら、1三角成以下詰む。なので1二同歩だが、そこで攻め方に継続手がなく、不詰めとわかる。
「初手3三桂」は、同銀の後、どうしようもない。
「初手1一角成」は、同玉と取ってくれれば、2二銀以下詰むのだけれど、「1一角成」に、3一玉とされると、この玉は捕まらない。

そうなると、もうこの問題図で、攻め方が“王手”を掛ける手は、一つしか残っていない。
「初手1三桂」が正解手である(次の図)


途中図1(1手目1三桂まで)
「1三桂」(図)と打てば、玉方2手目は「1二玉」しかない。
1二に玉をおびき寄せたが、桂馬を打っているので1三角成とはできない。ではどうするか。
銀を使って、2一銀や2三銀と打つのは、いずれも同銀の後継続手がない。

ここは、「1一角成」とする。
以下「同玉」で、次の図。


途中図2(4手目1一同玉まで)
ここで2二銀がすぐに見える手だろう。しかし2二銀に1二玉で、詰まない。
他に1二歩や2三桂不成も見えるがこれも詰まない。

ここでは、“好手” がある(次の図)

途中図3(5手目2一桂成まで)
5手目「2一桂成」(図)とするのが、この詰将棋問題の “狙いの一手” 。
これを同玉は2二銀、1二玉、1三銀成以下詰む(この詰みは11手だが「一歩」が残って駒余りとなる)
「1三」に打った桂馬が消えたので “1三銀成” とできるということ。つまり「初手1三桂」は玉を1二に誘い出して1一角成を同玉と取らせるために打った桂馬だが、打ったその後は「1三」に居座る “じゃま駒” になっていたというわけだ。
その “じゃま駒” の桂を盤上から消すための「2一桂成」である。

玉方の6手目は「2一同銀」

そこで「1二歩」と打って仕上げにかかる(次の図)


途中図4(7手目1二歩まで)
1一角成としたときに得た「一歩」があった。
1二同銀は2二銀までなので、「1二同玉」(8手目)

以下「1三銀、1一玉、2三桂不成」で、詰み(次の図)


詰め上がり図(11手目2三桂不成まで)
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2021詰将棋その5

2021年08月24日 | つめしょうぎ
答えは二日後に。


                → 答えと解説
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2021詰将棋その4 答えと解説

2021年08月15日 | しょうぎ
               問題図のみ見たい方はこちら



答え:  1五飛  2六玉  4八角  3六玉  2六飛  4七玉
     4四飛  3八玉  2八飛  まで9手詰め



解説:

「玉方2一桂配置」はいくつかの余詰め筋を防いでいる駒である。
たとえば「2一桂」が置いてなかった場合、「問題図」から1三飛、2六玉、1五飛成以下の「余詰め」が発生してしまう。

さて、この「問題図」を見て、とりあえず指してみたくなる手は「初手2七角打」であろう。
しかしそれは、2六玉で詰まない。

他に解説すべき紛れ筋として、「初手1七飛」がある(次の図)

紛れ図
この1七飛(図)を、同玉なら、3四角と打ってこの玉は詰む。
しかし、1七飛に、2六玉と応じられて詰まない。以下1六飛打は3四玉と逃げられてしまい、また5三角と打つのは3六玉でこれも捕まえられない。


途中図1(1手目1五飛まで)
初手の正解手は、「1五飛」(図)である。
これを同玉なら、3七角と打って、以下2六合駒に1四飛まで――というわけ。
よって、1五飛には、玉方は2手目「2六玉」と応じることとなるが、そこでどうする?(次の図)


途中図2(2手目2五玉まで)
なお、1五飛に代えて1四飛と打つのも考えられるが、2六玉、2四飛、3六玉と進みこの玉は捕まえられない。
攻め方の3手目、ここで2七飛が考えられる。
対して3六玉と角を取りながら逃げれば6三角以下詰む。しかし2七飛に1四玉と飛車のほうを取りながら逃げられて、詰まない。

また、この図で1六飛打は、3七玉と逃げられてしまう。

3手目、正解は、「4八角」である。「3七に逃がさない」という意味だ。
この角打ちは「4八」でなければいけない。(この問題図面、「攻方6九銀配置」は実は「攻方5九歩」でもよいのだが、あえて「6九銀」にして“5九角”と打つ可能性を残し、正解手「4八角」の“限定打感”を少しだが強調させてみた――というのが作者の地味なこだわりである)

「4八角」に対し、3七合駒なら、1六飛打までの詰み。
よって、玉方の4手目は「3六玉」しかない(次の図)


途中図3(4手目3五玉まで)
ここまで進めば、あとは簡単。
以下「2六飛」と打って、「4七玉、4四飛、3八玉、2八飛」(次の図)まで、一本道の詰みとなる。

それが正解だが、「玉方2一桂配置」はこの図での3三飛からの余詰め筋も消していることを書いておきたい。
また、この図で1六飛打と、飛車を離して打つと、あとで2八飛と引く手がないので詰まなくなる。飛車打ちは「2六」の限定である。
詰将棋をつくるほうは、解く側の何倍も考えなければいけない。それが楽しくてつくっているわけだが。


詰め上がり図(9手目2八飛まで)
これが「詰め上がり図」
2六に打った飛車を、シュッと2八に引いて詰め上げる感覚が気持ち良い。




解説は以上になるが、この詰将棋問題には少し長めの15手詰めバージョンもあるので、それを以下に紹介しておく。

B案問題図
出題したこの詰将棋は、問題図をこのように改変しても同様の手順で成立する(出題した問題図をA案とし、このバージョンをB案としよう)
このほうが図面がシンプルで見た目は上等だが、手数が6手伸びて15手詰めになる。それをどうみるか。

同じように進めて‥‥

B案途中図
2八飛と引いて、この場合はまだ4九玉と逃げるスペースがあるので“続き”がある(上のA案は「玉 方4九銀」が置いてあった。あの銀は玉方にとって実は“じゃま駒”だったのだ)
以下9三角成、5九玉、4九飛、同玉、4八馬となって―――(次の図)

B案詰め上がり図
これが「B案15手詰め」の詰め上がり図。

これもわるくはないが、A案の、2八飛でピタッと詰めて着地する終わり方が気持ちいいし、解いてもらうには短いほうがよいと思ったので、9手詰めのA案を問題として提出した。

「どっちが良いだろうか」と小さいことで悩むのも、つくる楽しさの一部である。子供がお菓子を食べるときに、赤い菓子から先に食べるか、それとも黄色い菓子から食べるか、真剣に考えているときのような、そんなかんじ。
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2021詰将棋その4

2021年08月13日 | つめしょうぎ
9手詰め。


答えは二日後に。


                  → 2021詰将棋その4 答えと解説
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2021詰将棋その3 答えと解説

2021年08月03日 | しょうぎ
            問題図だけを見たい方はこちらにどうぞ



答え:  2二銀  1二玉  1三銀打  2三玉  2四銀打  1四玉
     3六角  同と  1五銀打  2六玉  3四角  まで11手詰め



解説:

初手正解手は2二銀。
代えて初手3二銀が紛れ筋。初手3二角もあり、これらの紛れ筋の解説については、最後に示すこととする。


途中図1(初手2二銀まで)
初手2二銀(図)に、3二玉と逃げる手には、3三銀成がある。3三同玉、3四銀、2四玉、3三角以下、11手駒余り詰めとなる。

2手目は、1二玉が正解手となる(次の図)


途中図2(2手目1二玉まで)
ここで1三銀打の“平凡手”が3手目の正解手だが、他の手を考えるとすれば2一角がある。しかしそれは2三玉、3四銀(角)、1四玉となって、この玉は捕まらない。

この「途中図2」から、1三銀打、2三玉とすすめて、次の図になる。

途中図3(4手目2三玉まで)
ここで2四銀打と、3四銀、あるいは3四角がある。
しかし「3四」に銀や角を打つ手は、1四玉と応じられてみると、玉を逃がしてしまっている。1五~2六という脱出路を止めることができない。

2四銀打と、ここも“平凡手”にみえるこの手が正解となる。
以下1四玉に、そこで、3六角の好手がある(次の図)


途中図4(7手目3六角まで)
3六角(図)。この手があるので、この玉を補足することができる。同とと取らせて、「3六」への脱出路を塞ぐ。

3六同とに、1五銀打、2五玉、3四角で―――(次の図)


詰め上がり図
これで詰んだ。

「角角銀銀銀銀」の6枚の持駒のうち、5枚をペタペタと貼っていくような詰将棋となったが、それがこれをつくった意図である。「並べ詰め風の詰将棋をつくろう」と考えて、この詰将棋ができ上った。
詰将棋問題ばかり解いていると、捨て駒を考えるのがクセになる。逆に言えば、「並べ詰め」の訓練ができていないということになる。実戦で「並べ詰め」が現れたとき、難しくないのに妙に解きにくいのは、実戦のための練習問題としての詰将棋問題に「並べ詰め」のテイストが少ないからではないだろうか。
――――そんなことを前から思っていたので、「並べ詰め風の詰将棋をつくろう」と思ったのである。





問題図
さて、もう一度「問題図」に戻って、ここからの2つの「紛れ筋」を解説する。
「紛れ筋」というのは「詰みそうだけど、でも、詰まない」という筋のことで、これが詰んでしまうと「余詰め」となってしまうので詰将棋の作者にとっては大事件となる。

「紛れ筋A=初手3二銀」と「紛れ筋B=初手3二角」について、解説する。

紛れ図A1
まず、「紛れ筋A=初手3二銀」(図)
これを同玉は、3三銀と打って詰む。3三同玉なら3四銀以下。
よって3三銀には4三玉と逃げるが、それでも5四角、5三玉、7五角以下、手数は長くなるが、詰んでしまうのだ。
ということで、「3二銀以下余詰めがある」と思っていたので、最初の案では「攻め方3二歩」を盤上に配置した問題図だったのだが、よく調べると、「3二銀には1二玉とかわして詰まない」と判明したのだった。1二玉に、2二歩成があるので、簡単にこの玉は詰んでしまうと初めは即断していたのだったが―――(次の図)

紛れ図A2
2二歩成に1三玉(図)と逃げて、この玉はどうやら詰みを逃れている。「角角銀銀銀」と持っていても、捕まらないのだ。

「紛れ筋A=初手3二銀」は、1二玉で逃れ―――が結論となる。

紛れ図B
次に、「紛れ筋B=初手3二角」(図)
角の場合は、1二玉と逃げると、2二歩成で確実に詰む。
なのでこれは3二同玉と応じるしかない。以下3三銀、4三玉と進むが、そこで攻め方の持駒は「角銀銀銀」。どうやらこの持駒ではこの玉は捕まらない。
ということで、「紛れ筋B=初手3二角」は、同玉と取って詰まない。


いまは「詰将棋ソフト」があるので、こうした「紛れ筋」を検討するのも楽ちんです。昔は大変だったことでしょうね。
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2021詰将棋その3

2021年08月01日 | つめしょうぎ
持駒は「角角銀銀銀銀」
手数は11手です。


答えは二日後に。


              答えはこちらです。
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