「次の一手 問7 問題図」です。
先手を勝ちにみちびく「次の一手」は何でしょうか。
前問「問6」の類似問題。
先手玉に掛かっている“詰めろ”(7手詰め)をお忘れなく。
【以下、ヒントとして】
「問6」と違う点は次の2点。
1.後手の4筋の歩が「4四歩」。 (「問6」では「4三歩」)
2.先手の1筋の歩が「1六歩」。 (「問6」では「1七歩」)
将棋は少し違うと、結論が変わることが多いですが、変わらない場合もある。
この場合はどうでしょう。
前問「問6」の答えは、「3四桂」でしたが、この「問7」ではその手はどうなのか。
ちょっと考えてみましょうか。
この場合も、前問と同じく、これは3四同歩と後手は取るしかない。
玉が逃げると詰んでしまうことを確認してください。(この図から5手詰めです。)
3四桂、同歩に、4二角と打つ。
前問で正解だったこの順、さて、今回もこれで先手が勝てるのかどうか。
この4二角は、やはり3三銀(または金)からの“詰めろ”になっていますね。つまりこの手は、先手玉に掛かっている7手詰の“詰み”を防いでいますので、“詰めろ逃れの詰めろ”というやつです。
しかしだからといって、これが正解という保証はどこにもない。
4二角に、後手はどう指すでしょうか。3三銀からの“詰めろ”を逃れる必要がありますが、案外、手がない。
後手の応手は次の2つくらいしか考えられません。
「1二玉」と、「4一桂」です。 (前問では4四角がありましたが、今回はそれはないですね)
「1二玉」に対しては、前問「問6」の解答編で示した通り、先手が勝てます。
1二玉の変化
3二銀と打つのがよく、2二銀の受けに、2一銀不成、同玉、2四桂。
1二玉の変化
これで先手の勝ちが確定します。
(2三銀打なら3三桂成、同銀、同角成で、後手の持駒が「角桂桂桂」なので、先手玉の7五角以下の“7手詰の詰めろ”もなくなっている。)
よって、問題の焦点は「4一桂」以下の変化に絞られます。
<課題図>
4二角の“詰めろ”に対し、後手が「4一桂」と受けた局面。
これを先手が攻め切るか、後手が受け切るか。そういう問題です。
この図を<課題図>としましょう。
この<課題図>で、先手はやはり“詰めろ”(または王手)で迫らなければいけません。
するとここでの候補手は次の3つ。
(a)3一銀
(b)4三銀
(c)6三成香
(4三銀、それから6三成香が、それぞれ“詰めろ”になっていることを確認してください。なお、9一金は詰めろになっていないので先手負ける。)
このうちのどれかの手で、先手は勝てるかどうか。
もしも<課題図>が「先手勝ち」となれば、やはりこの「問7」の答えも、「3四桂、同歩、4二角」が正解手順となります。
しかしそうでない場合、つまり先手が「勝ちきれない」となれば、別の手を検討する必要があります。
自玉の“詰み”にも気をつけないといけませんね。
この問題図では(前問でも同じですが)、後手の現状の「角銀桂」の持ち駒では、先手玉は8八竜とされても詰みません。桂馬が一枚増えて「角銀桂桂」でも詰みません。
しかし、「角角桂」となった時は8八竜~6六角から詰む、ということを頭に入れておいてください。
【ここからは、おまけの話】
3四桂、同歩、4二角、1二玉と進んだ時、「3二銀で先手勝ち」と書きました。それが僕の結論ですが、それ以外の有力手に触れておきます。
1二玉に、「3三桂成、同桂、3一角成」という手です。
先手玉は、後手の持駒が「角銀桂桂桂」ではまだ詰みはないし、後手は金を持っていないのであちらは“受けなし”に見えます。
単に3一角成だと2二銀とはじかれるのですが、3三桂成、同桂を入れることで、今度は2二銀にも2一銀~3二馬で詰みますね。なかなか気の利いた手順に思える。
ところがこの図は受けがあって後手が勝ちとなる。図で5三角が鮮やかな返し技。
5三角、同馬、8五桂、8六玉、6六銀。
5三角は“王手”なので取るしかない。
後手玉は詰まず、先手玉は“必至”になっています。
後手が「1二玉」の時に、「やった、3三桂成、同桂、3一角成で勝ちだ!」などと思ったら、すってんころりんと負けになるというお話でした。 (僕自身が最初、そう思ったのでした。)
先手を勝ちにみちびく「次の一手」は何でしょうか。
前問「問6」の類似問題。
先手玉に掛かっている“詰めろ”(7手詰め)をお忘れなく。
【以下、ヒントとして】
「問6」と違う点は次の2点。
1.後手の4筋の歩が「4四歩」。 (「問6」では「4三歩」)
2.先手の1筋の歩が「1六歩」。 (「問6」では「1七歩」)
将棋は少し違うと、結論が変わることが多いですが、変わらない場合もある。
この場合はどうでしょう。
前問「問6」の答えは、「3四桂」でしたが、この「問7」ではその手はどうなのか。
ちょっと考えてみましょうか。
この場合も、前問と同じく、これは3四同歩と後手は取るしかない。
玉が逃げると詰んでしまうことを確認してください。(この図から5手詰めです。)
3四桂、同歩に、4二角と打つ。
前問で正解だったこの順、さて、今回もこれで先手が勝てるのかどうか。
この4二角は、やはり3三銀(または金)からの“詰めろ”になっていますね。つまりこの手は、先手玉に掛かっている7手詰の“詰み”を防いでいますので、“詰めろ逃れの詰めろ”というやつです。
しかしだからといって、これが正解という保証はどこにもない。
4二角に、後手はどう指すでしょうか。3三銀からの“詰めろ”を逃れる必要がありますが、案外、手がない。
後手の応手は次の2つくらいしか考えられません。
「1二玉」と、「4一桂」です。 (前問では4四角がありましたが、今回はそれはないですね)
「1二玉」に対しては、前問「問6」の解答編で示した通り、先手が勝てます。
1二玉の変化
3二銀と打つのがよく、2二銀の受けに、2一銀不成、同玉、2四桂。
1二玉の変化
これで先手の勝ちが確定します。
(2三銀打なら3三桂成、同銀、同角成で、後手の持駒が「角桂桂桂」なので、先手玉の7五角以下の“7手詰の詰めろ”もなくなっている。)
よって、問題の焦点は「4一桂」以下の変化に絞られます。
<課題図>
4二角の“詰めろ”に対し、後手が「4一桂」と受けた局面。
これを先手が攻め切るか、後手が受け切るか。そういう問題です。
この図を<課題図>としましょう。
この<課題図>で、先手はやはり“詰めろ”(または王手)で迫らなければいけません。
するとここでの候補手は次の3つ。
(a)3一銀
(b)4三銀
(c)6三成香
(4三銀、それから6三成香が、それぞれ“詰めろ”になっていることを確認してください。なお、9一金は詰めろになっていないので先手負ける。)
このうちのどれかの手で、先手は勝てるかどうか。
もしも<課題図>が「先手勝ち」となれば、やはりこの「問7」の答えも、「3四桂、同歩、4二角」が正解手順となります。
しかしそうでない場合、つまり先手が「勝ちきれない」となれば、別の手を検討する必要があります。
自玉の“詰み”にも気をつけないといけませんね。
この問題図では(前問でも同じですが)、後手の現状の「角銀桂」の持ち駒では、先手玉は8八竜とされても詰みません。桂馬が一枚増えて「角銀桂桂」でも詰みません。
しかし、「角角桂」となった時は8八竜~6六角から詰む、ということを頭に入れておいてください。
【ここからは、おまけの話】
3四桂、同歩、4二角、1二玉と進んだ時、「3二銀で先手勝ち」と書きました。それが僕の結論ですが、それ以外の有力手に触れておきます。
1二玉に、「3三桂成、同桂、3一角成」という手です。
先手玉は、後手の持駒が「角銀桂桂桂」ではまだ詰みはないし、後手は金を持っていないのであちらは“受けなし”に見えます。
単に3一角成だと2二銀とはじかれるのですが、3三桂成、同桂を入れることで、今度は2二銀にも2一銀~3二馬で詰みますね。なかなか気の利いた手順に思える。
ところがこの図は受けがあって後手が勝ちとなる。図で5三角が鮮やかな返し技。
5三角、同馬、8五桂、8六玉、6六銀。
5三角は“王手”なので取るしかない。
後手玉は詰まず、先手玉は“必至”になっています。
後手が「1二玉」の時に、「やった、3三桂成、同桂、3一角成で勝ちだ!」などと思ったら、すってんころりんと負けになるというお話でした。 (僕自身が最初、そう思ったのでした。)