はんどろやノート

ラクガキでもしますか。

ハンノキとテハヌー

2006年06月29日 | ほん
 テハヌーは丘の上でハンノキを待っていた。
 「ハンノキ、あたしたちは何をしたらいいの?」
 「この世界をなおすんだよ。」ハンノキは笑いながら言った。心はようやくすっかり軽くなっていた。「石垣をこわすんだ。」
 「みんな手伝ってくれるかしら?」

 『ゲド戦記Ⅴ アースシーの風』の1シーン。
 ラストを飾る第5巻のヒーローはハンノキだ。彼には特別なちからはない。ただ「修繕する」という小さなちからをもっているだけ。魔法使いや竜女や王や王女に囲まれていちばん地味な男だ。その男は亡くなった妻の夢で眠れず、不眠を訴える。そんな役回り。
 しかし彼こそが何百年も誤ったままになっている「世界」を修繕するヒーローだ。そこに作者ル・グィンの思考の成熟を感じる。
 第1巻はゲドの成長の記。第2巻でゲドは平和をもたらすための「腕輪」をみつける。第3巻ではその平和をつくるための実行者としての「王」を育てる。そして「魔法の力」をすべて使い果たし、ゲドは引退する。
 世の中に革命を起こすときにはたいてい「血」がながれる。しかしそれでは平和のために立った「王」の意味がない。まったく血をながすことなく何百年ぶりの大革命をはじめた男、それがハンノキなのである。この「アースシーの風」をしっかり読むとそれがわかる。
 ハンノキは「ゲドの分身」として作者は考えているのではないか。それは第1巻の初めにゲドの出身地としてハンノキ村と書いてあることから推察されるのである。
 それを手伝うテハヌーはゲドとテナーの血のつながらない娘である。こどものときの名をテルーという。映画版の「テルーの歌」のテルーだ。

ジダーン

2006年06月28日 | はなし
 フランス 2-1 スペイン
 いい試合だったみたいですね。好調だったスペインもイマイチにみえたフランスにやられた。やっぱ優勝経験国ってのは勝負強いのかな。
 ブラジルーフランス戦が楽しみ。ドイツーアルゼンチンも楽しみ~。

マルチャン

2006年06月27日 | はなし
 サッカーW杯もトーナメントに。半分以上のチームがお祭りから去っていき、少しずつさみしくなる。こうなるとせっかくおぼえて好きになった選手にももう会えない。
 僕が好きになったメキシコチームもアルゼンチンに延長の末1-2で破れ、消えました。でもよく戦いましたよ、メキシコは。どんな強豪とやっても互角にたたかえるのがメキシコチームの魅力。体力がすごいよ。
 シーニャ(身長163cm!)、オソリオ(速くてもオソリオ)、ブラボ(2得点)、マルケス(FCバルセロナ)、フォンセカ、ボルゲッテイ(オウンゴールしちゃったでしょう!)、サルシド … せっかく顔もおぼえたのにな。4年前、「カニバサミドリブル」をやった選手、あれ、メキシコだったよね。
 昨日のスポーツ紙で読んだ記事に書いてあったんだけど、いまメキシコでは日本のカップめんが大流行で、それを「マルチャン」と呼ぶのだそうだ。それでメキシコチームのパスはうまいけど速攻をしないところを改善しようとして、速攻のことを「マルチャン」と呼んでいたんだと。(マルケスのことではなく。) ああ、むだ知識。
 メキシコの明るいサポーターもよかったね。

 やっぱり場所のせいかヨーロッパがつよいね。(運もね。)日本に勝ったオーストラリアも強かったけど昨日イタリアに優勢になりながら負けちゃった。オーストラリアはキューエルとかヒドゥカとか選手の名前がかっこよかった。
 今回は4年前のセネガルのような驚きのチームがないなあ。(万引きしたり。) あのときのFWのデュウフってどこにいるんだろ。

 さて優勝は?

島井沙緒里さん

2006年06月25日 | しょうぎ
 先週、中倉宏美さんのことを書いてTV将棋を見たら、トーナメントの前に20分ある将棋講座の解説を谷川浩司が、そのアシスタントを島井沙緒里が行っていた。
 島井さん、かわいいね!
 このひとは中倉さんとは逆に、TVや雑誌のなかでより輝いて見える。とくにえくぼがいいね。実際に会って僕の知っている島井さんは素朴な感じの話しやすいひとだった。
 お笑い芸人次長課長の背の小さいほう(おまえに食わせる○○はねえ!の人だ)に似ていると言われた、とエッセイに書いていたな。
 島井沙緒里さんは女流棋士初段。僕は5,6回、ある将棋道場で将棋を習ったことがある。だから話したこともあるし、バレンタインデーの(ギリ)チョコももらった。その将棋道場は残念ながら閉店してしまったので、もう2年、彼女には会っていないが、僕の顔はもうおぼえていないかもね。将棋のほうは角落ちでいつも終盤で僕がまちがえて逆転されていた。
 女性はTVなどにでると同じ服が使えないだろうからたいへんだ。

竜女アイリアン

2006年06月24日 | ほん
 作者のル・グウィンはゲド三部作を書き上げた後、20年後に『ゲド戦記Ⅳ 帰還 最後の書』を発表しました。ゲドとテナーを結びつけて、今度こそ「めでたしめでたし」で終わりだ、と作者は考えていました。
 しかし「物語」というのは作者の意図を超えて動き出すことがあります。
 ル・グウィンは「外伝」としてこのファンタジーのつづきを書きます。そこに登場してきたのが、アイリアンという女性キャラです。
 アイリアンは人の姿をした竜でした。
 彼女の登場により、さらにこの世界は第5部へとすすんでゆきます。

王女セセラク

2006年06月23日 | ほん
 テナーは思った。
 人びとは王女の顔さえ見ていないのに、その姿を見ただけで、もうあの娘と恋に落ちてしまった。さあ、坊や、どうします?

 第5巻「アースシーの風」ではゲドはなんの活躍もしない。すでにゲドは第3巻において「人生最大の仕事」をなし終えてしまったから。
 今度はテナーが旅に出て「人生最後の仕事」をなす番である。ゲドには「魔法の力」があったが平凡な農婦として生きたテナーにはそんな力はない。彼女は人間がふつうにもつ力を駆使して「なすべきこと」をおこなう。
 テナーは言葉と思いやりと勇気をもって前進せよ、と若い王や娘たちの硬い心をほぐし、励ます。魔法よりもずっとつよくたしかなものを持っている。

輝け!

2006年06月22日 | はなし
 さあ、さあ、どうなるんでしょうねえ、日本ーブラジル戦。
 終盤の「強運」がとりえだったジーコJAPAN、ここにきてその力を失ったようにみえます。僕はねえ、日本代表のユニホームのデザイン変えたのが気になっていたんですよ。前のユニホーム、かっこよかったもの。とくにアウェイの白のやつ。
 まあ見る人には4年後があるけど、選手にはいましかない。輝いてほしいよ。

そら豆で陽気に

2006年06月21日 | はなし
 そら豆を買ってきました。煮て、食べました。
 そら豆とわらと炭のはなしを知っていますか? こんなはなしです。

 おばあさんがそら豆を煮てたべようとした。たまたま運良くそこからこぼれて逃れたそら豆があった。そこへ話しかけるものがいた。わらと炭だった。彼らも同じように運良く燃やされることから逃れたのだ。「これからどうする?」「せっかくだから、いっしょに逃げよう」ということになった。
 それで、わらと炭とそら豆はいっしょに旅をした。すると目の前に小さな川があった。わらが言った「ぼくがねそべって橋になるからその上をわたってくれ。」
 わらが横たわり、まず炭がわたった。途中までわたると炭は怖くなり、かっかとしはじめ、燃え出した。その火がわらについて、わらと炭は川へ落ちていった。
 それを見ていたそら豆は「プッ」とふきだしてわらってしまった。おおわらいしすぎて死ぬところだったが、たまたま仕立て屋が通りかかり、あいた口を縫ってもらいいのちがたすかった。そのときの糸が黒かったので、いまでもそら豆には黒い縫い目がついている。

 W杯メキシコは今日ポルトガルと戦います。
 メキシコは自殺死亡率が世界一低いのだそうです。それは、そら豆をいっぱい食べているから! そうか、死にたくなるまえにそら豆食っとこう。乾燥そら豆も買っとくか。
 あっ、いま、ポルトガルが1点とった。大丈夫、大丈夫。がんばれメキシコ!!
 ああーっ! 2点目がーっ! メキシコ~!!

ゲド、テナー、テハヌー

2006年06月20日 | ほん
「初めて会ったときからずっと、あなたのこと、好きだったの。」

 先に、「ゲド戦記は第2部が読みやすい」と書いたが、これは一般的な意見ではなかったようです。ゲドの活躍する1,3部が好き、という人がけっこう多いとわかりました。そういう人は、おそらく、第4部「帰還」がすきではないでしょう。第4部ではゲドはすでに「魔法の力」を失っているからです。主人公なのだから最後には魔法の力が… と期待して読んでも最後までゲドは「ただのひと」。
 だけども僕はこの第4部が大好きなのです。ふつうの「男」になったゲドはここではじめて人並みに「恋愛」を体験します。
 この『ゲド戦記』全体を今回は、冒険ものではなく、ゲドとテナーの恋愛ものとして読んでみました。25年越しの恋ですよ。

ゲド、レバンネン、竜オーム・エンバー

2006年06月19日 | ほん
 しつこく、『ゲド戦記』から。
 これは第3巻「さいはての島」の1シーン。
 仕事をする、ということが男の生まれてきた意味だとしたら、ゲドの仕事は「王を誕生させること」だとゲドは知る。それが生まれてきた意味だと。
 王子がやさしくて力のある「王」となるためには、「旅」をしなければならない。その王子の旅の道案内人こそ自分の「仕事」だと気づいて、ゲドはすべてのちからを投げ出してそれを追行する。

美女、夢に現る。

2006年06月18日 | しょうぎ
 きのう、夢に中倉宏美さんが現れた。
 そこは何人分かのベッドが置いてある部屋で、僕のベッドから彼女がみえる。僕は寝ようと思い自分のところの明かりを消してベッドにもぐりこむ。すると中倉さんは僕のベッドの周りにやってきてなにかごそごそやっている。僕は気になって目をあける。すると彼女と目が合い、彼女は言った。「シーツが汚いわよ。新しく買ったほうがいいですよ。」
 (はあ…、そうします。)と僕は心のなかで返事した。   
 そんな夢。

 中倉宏美さんは女流将棋棋士。成績は中くらい。 
 僕は名人戦の解説会などで3度お目にかかったことがある。(話したことはない。)彼女はTVや雑誌でみると目がほそく「こけし」のような顔にみえる。ところがナマでみると、目のぱっちりした美人なのだ。女流棋士の中でいちばんの美女だと僕は思っている。(世間的にはそうなっていないが。) 彼女には他のひとにはない「輝き」を感じていて、でもそれがなんなのかわからないのでよけいに気になっていた。
 その中倉さんは4月からNHK杯将棋トーナメント(毎週日曜日午前10時~)の司会をしている。僕は最近は見ていないのだが、夢に出てきたってことは、これは「見よ」というお告げかな? ちょっと見てみるとしようか。シーツも新しいの買ってこよう。 
 あるとき気づいた。彼女、サザエさんに似ている!
 中倉宏美さん、バイクが好きなのは知っていたが、ハーレーダビッドソンに乗っていたのか! しかもツーリングへ行くときは必ず将棋の駒と盤を持っていくのだとか。↓
http://www.nmca.gr.jp/cs/nakakura_01.html

アルゼンチン

2006年06月17日 | はなし
 W杯、アルゼンチンチームが6-0で快勝しました。
 つよいね、アルゼンチン。前回の大会では優勝候補の筆頭でしたが、いくらせめても点がとれずくるしみました。今回は長髪にヘアバンドというバティストゥータスタイルの選手が少ないのがちょっと残念。クレスポとソリンだけ?
 なんといっても、こどものようにはしゃいで喜ぶマラドーナが印象的です。

ホタル

2006年06月16日 | はなし
 気がつくとホタルの舞う季節。しかし東京ではホタルには出会えません。
 縁側で涼んでいたらホタルが舞い込む… なんてのはもはや夢の世界ですね。いまは田舎でも(虫が入らないように)縁側の戸は開けずにクーラーをつけてますから。
 ホタルの、あの、静かに点滅するところが、すきです。