浄心庵・長尾弘先生「垂訓」

八正道と作善止悪

「御垂訓」

2020-11-22 00:04:49 | 浄心庵 長尾弘先生垂訓

    恩師のご著書「講演集」より

             講演集、 二

  尽くせば相手も自分も救われる―――お年寄りへの愛


先の続き・・・

「私はこうしてあんたがあの世に行くのをちゃんと
見送るから安心しなはれ、何も恐いことはない。
この世は自分の魂の修行をさせてもらう仮の宿であり、
私たちはあの世へ帰った時、ほんとうのふるさとに
帰ることができるのや。
ふるさと、ほんとうの家に帰るのだから恐いことはない。
この世の一切の思いを離しなはれ。
誰に対しても思いを持ってはいけない。

そして、この世に生きさせてもらった間のことを
よくふり返ってみなはれ」
と言っておりますと、頷いて握っていた私の耳を離してくれました。
息が止まる前に、「いよいよこの世にさようならを
しなくてはいけないのやでー」

と、まあ、おじいちゃんに話すのですから、
それぐらいしか話せないのですけど、
幸いおじいちゃんはもう家族のことはみな忘れてしまって
誰のことも分からないから、
「あの世にちゃんと帰るまで見ててあげるから安心して行きなはれ」
と言って話させていただき、家に戻りました。

すると一時間くらいして、今亡くなりましたと知らせがありました。
死にかけた人が今生の力をふりしぼって愛を求めたのです。
あの世に帰る方法を伝えさせてもらって、「分かったかー」と言いますと、
「おおきに」と言われましたね。

この体験をさせてもらったことで、
現在老人の呆け問題がやかましく言われておりますけど、
そういう呆けたお方でも、
世話する人がほんとうに心からお世話なさった場合には、
治る可能性が高いということを教えていただきました。



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