浄心庵・長尾弘先生「垂訓」

八正道と作善止悪

「御垂訓」

2020-11-09 00:05:54 | 浄心庵 長尾弘先生垂訓

       恩師のご著書「講演集」より

          講演集、 二

    「愛」は無償の思い・行いである


先の続き・・・

この世に生きる人は、一人一人魂の次元が違います。
次元の高い人は他の人に尽くそうとしますが、
次元の低い人は人の世話になろうとします。
そして、低いが故に人の恩を知りません。
人の恩を裏切ります。
高い人は自分の魂の段階が高い故に、
低い人から裏切られても又、次の人に尽くすのです。
そしてまた裏切られます。

その時の高い方の思いは、たださせていただいているのであれば、
裏切られようがどうしようが、腹は立ちません。
魂の高い方が落いり易い落とし穴は自分と相手とは
同じ魂の段階だと思うことです。

そこで、私はあの人にあのことをしてあげたとか、
これだけ世話をしてあげたという思いを少しでも持ちますと、
裏切られた時に苦しむことになります。
「何という恩知らずだろう。あれだけ尽くしてあげたのに、
あれは人間ではない」と言って、
自分の心を苦しめます。

自分の心の内だけでは済まないから、
「あの人はあんな人です。あれだけしてあげたのに恩知らずです」と、
人にも言って歩くことになります。
これは毒を撒いているようなものです。
せっかく善を行っても心の在り方を知らないが為に自分の心を
苦しめています。

その証拠に、環境、肉体の上に苦しみが現れてきます。
病気になったり、不幸が起きたりします。
神様、仏様のようないい人が、どうしてあんな不幸な一生を
送っていられるのかと、
不思議に思うような例はよくありますね。
どこにでもそういう方がおられます。

私は日本より外に出たことがないので、他国のことは
分かりませんけど、
日本国中どこに行きましても、そういう方はおられます。
親切の故に人に尽くし、それ故に不幸な方です。
その逆で、冷たくて他人はどうなっても構わないという人が、
うまくいっている場合があります。
これは冷たいが故に、他人が辛かろうが倒れようが自分に
関係はないと思い、
自分さえよかったらいいという生き方をするからです。

人に尽くすことがないから裏切られることもなく、
従って腹を立てることがないという方です。
自分の心を苦しめないから、あんがいこの世でうまくいっています。
では、人のことは放っておけばいいかと言いますと、
それでは、この世に生まれた使命が果たせません。
その裁きは必ずやってきます。
自分の良心が自らを裁きます。


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