幸せになろうね 改め しあわせだね

日々の生活の中のほんの小さな出来事をどう捉えるかで
私達はすぐにも幸せになれるのです。

縦?横?どっち???

2009年09月17日 11時25分49秒 | 暮らし
 蒲団のたたみ方のお話です。どうでもいいようなことですが・・・。

 掛け蒲団や毛布をたたむとき、あなたは縦、横、どっちを先に畳みますか?

 志賀かう子著「祖母、わたしの明治」のなかにこんなくだりがあります。
「畳んだ布団のすがたのよしあしについても祖母はやかましかった。掛蒲団を、はじめ縦長にして四つ折りに畳む。横二つ折りにした畳みあがりのすがたは締りがない、私はそうしたすがたを好まない、それは宿屋のやりかたです、と云うのであった。」

 これは ”残りの姿”にまで気を配り、美しさを求めるという、昔の日本人が持っていた美意識の極みではないかしらと思うのです。畳んだ蒲団の姿がどんなであろうと、たいした問題ではありません。だのに、この一文は、妙に私の心に残ったのです。

 かねてより私には不思議に思えることがひとつありました。それは、私の畳んだ蒲団と、義母の畳んだ蒲団の締りの違いでした。なぜかしら、義母の畳んだ蒲団はいつもシャキッ!!としており、私のは、どう丁寧に畳んでもなんだか、だらしがないのです。まあ、なにかにつけ丁寧さの欠けるわたしと、準備万端の義母とではおおいに違いますので、蒲団においてもその丁寧さの違いがあらわになっているのだろうと思っていました。

 ところが、原因はこの「縦が先か、横が先か」だったのです。
試しに、縦を先に畳んでみました。・・・なんと!!私が畳んでも美しいではありませんか!!シャキッ!!キリリ!!の畳み上がりです。

 そういえば、義母が以前に自分は縦から先に畳むという事を口にしていました。縦が先だろうが、横が先だろうが、同じ四つ折なのだから、そんなことで畳みあがりに差がでようとは思ってもみませんでした。けれど、あきらかに原因はこれだったのです。ちょっと、感動でした。ほんの少しの手順の違いがこんなに大きな結果の違いを生むのです。
 義母の押入れの中はいつ開けてもきりりとしまった表情です。ちなみに、実家の押入れは・・・いうまでもなく私のと一緒でした。
 
 蒲団の畳み姿が美しい、それがなんになるの、と思ってしまえばそれまでのこと。けれど、そこにいたるまで美意識を行き届かせて暮らせるという美しさに私は惹かれるのです。
 そして、生活の中のほんの些細なことであるがゆえに、娘や孫に何気なく伝え、習慣として彼らの身に付けさせたいと思うのです。そういう小さな事こそが、残すべき大事な財産なのではないでしょうか。

 もちろん今朝も、私の掛蒲団はキリリと美しい残りの姿で押入れに納まりました。

 


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