幸せになろうね 改め しあわせだね

日々の生活の中のほんの小さな出来事をどう捉えるかで
私達はすぐにも幸せになれるのです。

電車の中で貰った物

2009年08月14日 20時13分59秒 | ひとりごと
 久しぶりに電車に乗りました。(・・・今まで、このブログを「である体」で書いてきましたが、空気が荒いので、「です、ます体」で書く事にしました。)

 もちろん、家を出る時にはいつものように「今日もお陰様で、座る事ができました」と祈っておきましたから、ちゃんとお席を頂く事ができました。
 ふと気がつくと、通路を挟んだ反対側の席は四人がけにしつらえてあり、そこには若い母親と二人のお子さんが向かい合って座っていました。丁度お昼時でしたので、三人は手作りのお弁当を食べていました。小学校の低学年と思しき女の子と三、四歳の男の子。美味しそうにおにぎりを食べています。その間の三人の会話がとてもほほえましく、私はつい、聞くともなしに聞いてしまいました。
・・・もし私が、この母親のように優しく根気よく我が娘に接していたなら、彼女はもっと人当たりの優しい娘になっていたかしら・・・などと反省しながら、その母親に「優しい子育てをして下さってありがとう。」と、心の中でつぶやいていました。
 
 しばらくして、二駅ほど過ぎると、車内は混雑し始めました。私の隣の席は空いていましたが、幼稚園くらいの女の子を連れた老齢のご婦人が来られたので、席を譲って立ちました。通路にはかなりの人が立っています。
 あの母親の隣にも、年配の男性が座りました。けれど子供達は先ほどのままに
二席を占めています。すぐ側に立っている高齢の男性がちらちらとそれを気にしています。

 私は思い切って、彼女の耳元へ小さな声でささやきました。「混んでいる時は、小さなお子様はお膝の上がよろしいですよ・・・」と。

 実は、先ほどから迷っていたのです。混んできても小さな子供が二席も占めている事を母親はいっこうに気にしていない様子です。せっかく素敵な子育てをしているのに、この態度を子供達に見せてしまうのはとても残念です。車内が混んでいる時は、周りを気遣い、席を空けるという事も子供達に伝授して欲しい・・・その事を言うべきか否か、・・・もし、気を悪くされて、嫌な態度を取られたらそれこそ元も子もないし・・・などと躊躇していたのです。
 けれど、この母親にもっと素敵になって欲しいと思いました。ですから、批判や怒りからではなく、愛を持ってささやく事にしたのです。

 彼女は素直な人でした。嫌な顔ひとつせず、「あ、はい」と言って、すぐに男の子を膝の上に乗せました。けれど、男の子はのけぞって嫌がります。彼女がなだめてもダメでした。さて、どうするのかしら・・・となりゆきを眺めていますと、彼女は男の子を元の席に戻し、自分が立ったのです。
 ほんの少しの間をおいて、彼女の席にはあの高齢の男性が座りました。

 「素直な人でありがとうございました。」と、感謝しました。
本当は、私より一駅早く降りて行く彼女に向かって「素直に受け止めてくださってありがとう。」と言いたかったのですけれど、さすがにそこまでは言えませんでした。
・・・せめてもと思い、遠ざかっていく三人の後姿に「今日一日お幸せでありますように」と祈りました。