本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

きっかりとかっきり

2007-02-27 11:04:54 | Weblog
 安倍首相は「しっかり」が口ぐせだが、マスコミから指摘されてさすがに控えたようだ。この「しっかり」のように「○っかり」の副詞は、うっかり、すっかり、ぽっかり、ちゃっかりなどがある。
「○っ○り」となれば、にっこり、きっぱり、さっぱり、もっこり、きっちり、くっきり、ゆっくり、むっちり、ぴったり、みっちりなどはっきり言ってびっくりするほど多い。活用語の語幹や副詞に接尾辞の「り」がくっ付く言葉が、もっさり、こってりあるということでしょうね。 
 これらには「と」の格助詞(あるいは強調の意の副助詞かな)が付くが、「やっぱり」は「と」がついて「やっぱりと」とはならない。なぜだろう。「やはり」の音便化だから他とは異質かもしれない。待てよ、「のそり」が「のっそり」、「どきり」が「どっきり」と音便化するが「と」が付いておかしくない。これ、説明がつきそうだけど、じっくり、とっくり考えます。
 
「かっきり」と「きっかり」には、共通して「ちょうど」の意味であるので、「かっきり五時に着いた」、「きっかり五時に着いた」の両方の表現が見られる。しかし、いろいろな辞書を見比べると「かっきり」は区画などが正確であること、「きっかり」は時間、数量が正確であることと分別できそうだ。となれば「きっかり五時に着いた」が正しい。もう一方の用法は「宅地と畑はかっきり線引きされた」となるか。
 宮城県石巻市では「かっきりまつり」という祭りがあるそうだ。稲刈りが終わった後の祝いらしいから「かっきり」は「刈りきり」の音変化だろう。これが語源かどうか分からないが、稲を刈り取った後の田んぼは区画が歴然としている。「かっきり」と区画とは関係ありと思うが、はっきりしません。

 なんだか、がっくり、ぐったりした。