本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

床屋談義

2021-07-09 08:51:42 | Weblog
 散髪に行った。江戸時代なら「髪結い」というだろうが、現代は「散髪」だね。床屋(理髪店というべきかもしれないが)のシンボルの三色マークは赤、青、白だが、それぞれ動脈、静脈、包帯を表すという。
 
 理容師の話によると、江戸時代、刃物(カミソリ)を持つのは医者に限るというので、医者が床屋も兼ねていたとか。本当かどうかしらない。「浮世床」では医師を彷彿させることはなかったけれど。

 以前の床屋は家族経営が多かったと思うが、今では客用椅子の数脚は必要らしい。というのは待ち時間が長いと客の足が遠のく。従って、客さばきの回転を速めたいのだ。
 ところが、ネックは理容師を募集してもなかなか来ないという。椅子を確保しても人の確保がままならぬらしい。

 しかも国家資格を得ても若い人は3年も経つと5割も離職するそうだ。同業種に転職するのではなく、異業種に移るという。せっかく手に職を持ったのにだ。

 髪をチョキチョキ切りながらその理容師が言うには、技術はよくても客扱いがネックだからだと。客の髪型の要望のコミュニケーションがうまくいかないとか、世間話が苦手とからしいが、本当かね。客によってはむっつり黙り込んでいる者もいると思うのだが。

 昔、浜松町の世界貿易センタービルの40階だったかに「進取の気象」という床屋があった。今でもあるかもしれない。
 そのビルに職場があったので、その床屋を利用していた。初めに客のヘアスタイルの要望を「カルテ」と称するものに書き込んでいた。次回からは利用カードを提示し、黙って座ればカルテにあるとおり散髪する。これなら誰が散髪することになってもコミュニケーションの必要がない。

 今度雇う若者のため、そのシステムを考えてはどうかと思うことでした。