本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

ネガティブな推測

2013-09-24 09:23:11 | Weblog
 ある本からの受け売りだが、ニューヨーク・タイムズに載った次のような話を取り上げていた。
「二人はバーで初めて知り合った。家まで自分の車で送ってやろうと男は言った。近道だと言って男は女の知らない横丁に入った…」

 この続きを後に回すとして、この段階では読み手は不安な気持ちを抱く。嫌な予感がするということだ。その本では「他人の行動を推し量るのに自己のおそれを反映させる傾向がある」と述べている。なるほど。先入観からわるい事態を思い浮かべることは確かだ。

 その続きにはこうある。「そして事実、非常に早く彼女の家にたどりつき、彼女は10時のテレビのニュースを見ることができた。」

 要するに、教訓として危惧の念から相手の意図を推測するなということらしい。
 話を押し広げると、ネガティブな推測は、折角の問題解決の提案も蹴飛ばしかねないことになると言いたいのだ。

 ただ、この例文はちょいと無理がある。初めて会った男に住まいを教えるものか。近道だからと言って横丁に入るのは、読み手の先入観を誘導している。なにしろ、夜のニューヨークには危険がつきものだと知っている。
 そう思いませんか。