ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

私も、今、竜馬にお願いいたしたく存じます。

2023-02-05 07:26:54 | 日記
《東アジアの安全保障環境が厳しさを増す中、政府・自民党は、友好国との関係強化などを目的とした防衛装備品の輸出・提供の制限緩和に前向きな姿勢だ。
・・・中略・・・党内からは輸出促進を通じた国内防衛産業の基盤強化を目指す動きも出ている・・・・・・》(毎日新聞2月3日)

と、報じられています。
日本は国際紛争を助長させないよう「防衛装備移転三原則」などにより装備品の輸出・提供等には制約を設けていて、殺傷能力のある武器を輸出できるのは米国などとの「国際共同開発・生産」の場合に限定されていたはずです。
国際間の安全環境が変わってきたとはいえ、「殺傷武器輸出も緩和」等、矢継ぎ早に出される政府の姿勢に不安を覚えている国民の一人です。
厳しい寒さは続いていますが、立春の声を聞いたのです。
何とか、武器による解決以外の知恵が出せないものでしょうか。

新聞小説が大好きな私。
連載小説が読みたいばかりに、同じ新聞を半世紀以上読んでいる私です。
毎日新聞で最近連載が始まった天童荒太氏による【青嵐の旅人】も、楽しみに読んでいます。

世の中を改革したくて脱藩した坂本龍馬は、追っ手に追われる中、伊予の国の山中で、死骸に穢れた水を飲んで腹痛を起こし倒れている所をヒスイと呼ばれる娘に助けられ、安全に追ってから逃れる道を教えて貰います。
ヒスイは、竜馬との別れしなに、
「坂本さまは、どんなお仕事をなさるので?」
と、竜馬に訊ねます。
《「この日の本(ひのもと)を変える。
金と地位にしがみつく奸物(かんぶつ)を一掃し、異人に侮(あなど)られず、身分の差もなく、皆が誇れる国にするつもりじゃ」
「坂本様・・・お願いが一つございます」
「よし。礼の代わりに、何でも聞くぜよ」
「戦(いくさ)だけは、お避けくださいませんか」
「うん?」
「物事を良く変えようとしても、人が死ねば何の意味もございません。
殺された者は恨みを抱き、殺した側も心の罪を免れません」

「悪しき連中を滅ぼせば、悪法や非道な規則をなくし、不公平な扱いもなくせるぜよ」
「戦をすれば、世が荒れます。理不尽な規則を作ってでも取り締まらねば、収まらなくなりましょう。
戦をすれば、金子(きんす)が途方もなく必要です。いっそう厳しく年貢が取り立てられることになりましょう」
「こいつ・・・さかしらな口をきく」
 龍馬は、苦笑いを浮かべ、ぼさぼさの髪をかき乱し、「けんど、おまんの言葉には一理ある・・・わかった。命の恩人の願い事じゃ。揉(も)め事が起きても、できるだけ戦は避けて、話し合いで解決すると約束しよう」》

(毎日新聞2月3日『青嵐の旅人』14、から)抜粋させて頂きました。

私も、ヒスイの様に、今、竜馬にお願いいたしたく存じます。
「戦(いくさ)だけは、お避けくださいませんか」と。
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