ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

『へ・め・へ・め・し・こ・し』

2016-07-23 06:34:58 | 日記
昨日のブログに、「かこさとし展」のことなどを記しました。
かこさとし氏の絵本だけでなく、その他の書籍も数冊読んでみましたが、
やっぱり、好きな作家であることを再認しました。

『未来のだるまちゃんへ』(2014.6.25 文芸春秋刊)から、少々の引用を。
  《「はじめに」
   敗戦のとき、僕は十九歳でした。
   僕は「終戦」と言わないで「敗戦」と言うのですが、
   それは戦争に負けて、てのひらを返すように態度を変えた大人たちを見て、
   ものすごく失望憤激したからです。
   その時その時の状況にうかうかと便乗して、戦意高揚を謳ったかと思へば、
   反省のひと言もなく、今度は民主主義の時代が来たと しゃぁしゃぁ喜んでいる。
   なんてだらしなく、浅ましく恥ずかしい人たちだろうと。
   だけど、そう言う自分も、中学二年生の時以来、幼稚な判断で「軍人になろう」と
   思っていたのです。
   誰に言われたからでもない、自分で決めたことでした。》

しかし、氏は近視が進み、軍人にはなれませんでした。
適性のあるものは、特攻となって死んでいったと、語っています。
生き残った自分は、
  《これからを生きていく子どもたちが、
   ちゃんと自分の目で見て、
   自分の頭で考え、
   自分の力で判断し行動する賢さをもってほしい》

そうした経過のなかで、氏は絵本作家となったと、記しています。
氏は、緑内障で左目がほとんど見えず、右目も視野が小さくて、
うっかりすると、家の中でも、どこかにぶつかってしまうとのこと。

でも、氏は、ものごとの捉え方が とっても素敵なんです。
加齢によって生じる おもしろくもない身体の不調を、「長生き病」と呼んだりして。
なんか ほっとしました。

本の中に紹介されていた「へのへのもへじ」と「へめへめしこし」、
私も画いて楽しみました。
新聞チラシの裏の白地に、いくつも いくつも画いてみたのです。
「へめへめしこし」は、目もとパッチリの娘さんに。

児童保育に当たっている若い知人に、
「子供たちにも、〈へのへのもへじ〉や〈へめへめしこし〉を いろんなバージョンで
画かせてみれば、けっこう楽しいかもよ」
と奨めてみました。
「ダメダメ」
と、一笑に付されました。

『ポケモンGO』について、菅官房長官が、記者会見で注意を促すご時世です。
〈へのへのもへじ〉なんて、おもしろがるはずはありません。
知人は、「化石」からの提言みたいに受け取ったかもしれません。

スーパーのチラシの裏に画いた〈ばーば〉の作品です。

              
コメント (2)
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