Gikuri

ギクリのブログ。たまに自意識過剰。

相葉君の中本選手推しの理由

2019-09-15 | 走る若人が好き
陸上詳しそうに見えないのに中本選手推すもんだから
「おお、中本選手の夏マラソンでの強さを予習したか」
と期待度上げたら「同い年だから」という理由でした。
まあベテランで頑張ってると応援したくなるのは分かるが。
今日も若い選手やタイムのいい選手に混じって終盤まで
粘って見せ場を作り、夏の強さはまだまだ健在でした。
もしフェーン現象とかでスタートからメチャクチャ
暑かったら中本選手も勝ち目あったのかな?

てなわけで今日はMGC、マラソンの五輪選考会がありました。
婉曲表現(いけず)すると「選手の緊張ほぐれたかな?」
な国歌独唱の後(普通のキーで歌えばよかったのに…)
男子からスタート、20分後に女子がスタート。
基本は男子のTBSを見てCM中に女子のNHKを見てました。
女子は10人しかいないので給水が1テーブル1人でしたね。
前を走る選手に倒されることがないし取りやすそう!
男子は30人いたので給水のところで何人か接触転倒。

数日前まで涼しい予報で「暑さ耐性を見たいから9月開催に
なったのに涼しいと意味ないな…」と残念に思ってましたが、
当日を迎えると晴れて気温が上がってくれました。
選手にとっては過酷だったかもしれませんが。
スタートが26度ほどで2時間後には29度近くになったとの
ことです。本番はもっと暑くなりそうですが…。
アテネ五輪みたいに夜のレースにしたらよかったのに。
気温データは日陰で計測してるので、同じ数値なら
実際に外に出ると夜より朝の方が体感温度高そう。
夜も夜で湿度が高くなるのかもしれませんが。

男子は最初から設楽選手が飛び出し、一時2分以上の差が。
ただ気温が高かったので冬のようにはペースを保てず
結局後半に失速して集団に抜かれてしまいました。
約40kmで集団から中村選手が飛び出し(直前に橋本選手が
引っ掻き回してたのが面白かった)、服部大迫両選手が
追う展開に。そして最後は上り坂が多いコース。
この中で上り坂区間の箱根2区を好走していた服部選手は
上りが問題ないのは分かってましたが、中村選手も
上りを苦にしませんでしたね。大迫選手は下りで差を
詰めましたが上りは得意ではなさそうな感じでした。
1位中村選手、2位服部選手で2人が代表内定。
大学駅伝時代から中村選手はラスト勝負滅法強いなあ。
中村選手を今も指導してる大八木監督が嬉しそうでした!
「男だろ!」を叫びには行かなかったそうで。
服部選手も今年盲腸になったと報じられてましたが
そう感じさせない力強さがありましたね。

大迫選手が3位でしたが男子の敗者復活には日本記録を
国内で更新しなければならず非常に可能性が低いため
事実上大迫選手で決まりかと思います。
(絶好調の設楽選手が絶好条件の東京マラソンを
走れば可能性は0%ではないと思いますが…)
瀬古さんは大迫選手の優勝を望んでただろうけど(笑)。
女子は相変わらずてんまや選考レースに強いNE!

順位が完全に持ちタイム順にならなかったのは個人的に
よかったです。もし完全持ちタイム順になったら、
今後の五輪や世界陸上の選考で「結局タイム順=
実力順なんだから全部タイムのいい順で選べばいいだろ」
という流れになってしまったかもしれません。
(今後もMGCシステムを採用するかは未定らしい)
そうなると選考レースが複数あっても全選手がタイムの
出やすい東京マラソンを選んで他のレースが閑古鳥に
なるのでファンとしては楽しみが年1回に減りますし、
東京でスピードを活かせるような選手ばかりが揃って
タフなタイプの選手が選ばれず、本番がタフな条件に
なった時に対応できなくなるおそれがあります。
実際、今回上位に来た選手は福岡・びわ湖・海外・
大分・北海道でMGCの権利を取った選手であり
(持ちタイムに比して大健闘した選手もいました)
東京で取った選手は全体的に低調でしたし…。

同じナイキの靴を履いた選手が上位を占めたのは
「選手の力より靴の力、靴のおかげ」って風潮に
ならなきゃいいけど…とちょっと心配になります。
たとえそうじゃないとしても靴のメーカーは
靴のおかげと宣伝するでしょうし、マスコミも
最近は靴に注目してるのでそう報道しそうですし、
報道されたら一般大衆も同調すると思いますし…。
もう今回の結果で完全に覇権を握っちゃうのかな。
まだ履いてない選手も乗り換えそうですよね。
国内メーカーは男子に関しては冬の時代になるかも。

そういえば日清ってMGC出場権のある選手以外は
残らなくていいということで部を縮小しましたけど
MGC終わったから完全に廃部なんですかねえ…。
そしたらまだ残ってる選手どこに移籍するんだろう。

ペースメーカーがいないのでラストだけ勝負の
つまんない超スロー牽制展開も覚悟してましたが、
蓋を開けてみたら攻防が見られ面白いレースでした。
(設楽選手が飛び出した時点で集団がスロー牽制
したらトップに届かなくなるの確定しましたしね)
マラソン実績のある選手が今日に体調を合わせて
集結したこともあり終盤まで何人も残ってましたし、
思ったよりレベルが高かったように思います。
注目度も上がり、選考の公平性・透明性も高まり、
男子に関してはマラソンに本気で臨む選手も増え
(1億円効果の方が大きいかもしれませんが…
逆にトラックやる選手が減って寂しくなったけど)、
本番の結果次第とは思いますが今のところは
取組として成功と言えるのではないでしょうか。

ただ、4年ごとの五輪はともかく2年ごとの世界陸上の
選考でMGCシステムを導入することは難しいと思います。
MGCの挑戦権獲得期間に2年掛け、MGCを本番の約1年前に
開催し、3年という長い計画で進めるからです。
今後の世界陸上の参加資格には世界ランキングが導入
されるため、国内指定大会での一定成績または
海外などの指定外大会での高水準成績を第1条件に
しつつ、第1条件をクリアした選手の中から
世界ランキング順で選ぶようになるのでしょうか?
(国際陸連の定めるルールはよく知りませんが)
世界ランキングであれば実績を重ねた選手が
有利になるでしょうから所謂一発屋は防げますし、
国際陸連が発表するランキングを基にするので
密室選考よりも透明性を確保できます。
ですが夏マラソンに強い選手を選ぶのは難しいです。
今回のMGCで「高速低温の東京マラソン限定」の選手は
夏マラソンでは厳しいという結果が出ましたので、
福岡やびわ湖より東京の「一定成績」のハードルを
何分か上げることで少しは対策が取れるでしょうか。

次回以降の五輪でまたMGCシステムを導入する場合、
今後は今回のように「自国開催の五輪のためなら
世界陸上を捨てても構わない」という選手ばかりとは
なりませんので、前年の世界陸上の選考と派遣の
問題についても再検討しないといけないかと思います。
今回のルールのままだと世界陸上と両立できないため
「世界陸上を選ぶとMGCに出られず五輪が遠ざかる、
たとえ世界陸上で金メダルを取っても五輪選考には
全く無効」という状態ですので、世界陸上に出場した
ことによりMGCに出場できなくなった選手を救済する
ためのルールを事前に設定する必要がありますね。
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