人類学のススメ

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動物考古学の洋書11.動物の骨の考古学

2009年06月16日 | L6.動物考古学の洋書[Zooarchaeology:

Animal_bone_archeology

Animal Bone Archaeology: From Objections to Analysis (Manuals on Archaeology, 5)
価格:¥ 1,897(税込)
発売日:1985-04

 この本の原題は、『Animal Bone Archeology』で、「動物の骨の考古学」という意味です。アメリカのブライアン・ヘッセ[Brian HESSE]さんとポーラ・ワプニッシュ[Paula WAPNISH]さんによる、動物考古学の本です。1985年に、Taraxacumから出版されました。同社の「考古学マニュアル」の第5集となります。なお、このシリーズ第2集は、アメリカのスミソニアン国立自然史博物館の人類学者、ダグラス・ウーベラカー[Douglas H. UBELAKER]さんによる、『Human Skeletal Remains』があります。これは、また、別の機会にご紹介します。

 ちなみに、これまで紹介してきた英文のタイトルには、「考古学」を意味する英語に、「Archaeology」と「Archeology」の2種類があることにお気づきになられた方もいらっしゃることでしょう。これは、スペル・ミスではなく意味があります。実は、「a」が入るものはイギリス英語で、入らないものはアメリカ英語になります。ただ、アメリカ人が書いたからといって「a」が必ず入らないとは限らないようで、イギリスで教育を受けたことのあるアメリカ人は「a」を入れたりと実態は複雑です。

 本書の内容は、第1章.イントロダクション・第2章.獣骨の同定・第3章.獣骨のサンプリング・第4章.脊椎動物の骨の名称・第5章.獣骨の収集、記録、保存・第6章.獣骨の記載方法・第7章.獣骨の種の同定・第8章.獣骨の集団分析・第9章.おわりにというものです。アメリカでの動物考古学の分析方法が紹介されている、入門書と言えるでしょう。

 


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