先週末の東京為替市場は、海外市場のドル売りを引き継ぐ形となったものの、概ね調整相場に終始しました。
このところヨーロッパ市場の弱気が目立ちますが、先週末も市場開始直後は総じてヨーロッパ通貨が売られ気味に推移しました。ヨーロッパの市場参加者が出揃う中、中国政府筋から新たな準備通貨制度の必要性を唱えるコメントが発せられると、為替市場はドル売りで反応。ヨーロッパ通貨は反転して買われる展開となりました。
しかし、その他の市場では、債券相場が上昇、株式相場は下落と、投資意欲の減退を示す流れとなりました。
NY時間に入って、アメリカ内需の強弱を判断する個人所得に関する指標の発表が相次ぎました。
所得額の伸びは、予想を上回る上昇となり、各相場は一時的に強気となる局面がありました。
しかし、貯蓄率が十数年ぶりの高水準となった結果、消費減退懸念が持ち上がったとみられ、株式相場が下落気味に推移すると他の相場も弱気色を強めた展開となって先週を引けています。
新準備通貨に対する中国のコメントが若干の波乱要因となりましたが、総じて週末を控えた、ポジション調整相場だったと見ることができそうです。
今週の為替市場は、概ね先週末のNY引値(ひけね)水準で始まりました。このとろ散見される朝方の円買いが、今朝も持ち込まれ、円が一時95.15円水準まで下押しする局面がありましたが、その後は概ね各通貨ともにドル買い方向で一致した展開となっています。株式市場は力強さには若干欠けるものの、前日終値より上昇して前場を引けています。
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