■6月30日水曜日の総括です。
東京時間序盤は、米国市場を引き継いで株式市場が軟調に推移したことから、リスクを回避する動きが優勢でした。しかし、下落し過ぎた通貨からクロス円を中心に買い戻す動きが強まると、クロス円を中心に底堅くなり、欧州時間序盤まで、緩やかな円売りドル売りが進行しました。
欧州時間に入り暫くして、ECBが3カ月物の資金供給オペを発表したことで、以前からくすぶっていた、7月1日に期限がくる1年物の資金供給オペに対する懸念が後退し、ユーロが一時的に反発しました。しかし、リスク警戒感を緩めない株式市場や、米国時間に入ってスペインのソブリン格下げが検討されているとの報道もあり、じりじりと反落しました。
それでは、各主要通貨の推移を、プロスティックスの30分足チャートで確認してゆきましょう。
◆ユーロドル相場
前日29日の安値から、概ね買い戻しが優勢となり、ECBのオペ報道で一時1.23台を覗く展開でしたが、冴えない経済指標や軟調な株式市場が上値を抑えた格好です。
◆ポンドドル相場
ユーロドルが上昇した局面でも、上昇には鈍い反応でした。ユーロポンド相場でもユーロ買いポンド売りが出たことや、イギリス中銀筋からは、昨日に続いて景気に関して弱気な発言があったこともポンド売りの一因となりました。
◆ドル円相場
株式市場が軟調だった割には底堅く推移しました。ECBの発表を受けて、ユーロ円等での円売りを追い風に、88円台後半まで値を伸ばしたものの、米国時間ではリスク懸念が再度強まると、88円台前半に反落しました。
◆その他の米国市場の動向
冴えない経済指標やスペインの格下げ懸念が足かせとなって株式市場は続落し、債券市場は中長期が続伸した模様です。世界的な景気回復力の低下懸念で資金が長期債にまで及んでいるとの推測ができ、実際に資源国通貨が下落を伸ばしている流れは順当に見えます。ただ、デフレ懸念までが散見され始める中で、金相場やCRB指数が上昇しているのは、懐疑的な印象です。
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