2月16日の外国為替市場の流れについて、主要通貨の視点から考察します。
◆総括
EU財務相会議を通じて、EUがギリシャ問題に対して積極的に介入する姿勢が確認され、方向感が示されたことで、高いリスク警戒感が薄れた中、強い米国経済指標がドルの売戻を促進する展開でした。
◆ドル円相場
90円を挟んだ小動きから、先週引け際以降、下値をサポートしていた89.90を割り込むと89.69の安値をつけました。暫く揉み合いを継続後、米国時間で日中上値を更新すると90.51まで反転して高値を付けたあと、寄り付き水準まで下落。結局僅かに上昇して引けたことから、日足は長めの上ヒゲをつけた、実体部分が薄い陽線となりました。
(ファンダメンタル)
米国指標が発表される前までは、主にテクニカル要因でドルが弱含んだユーロやポンドの相場に連れて、クロス円が上昇気味に推移したのが底堅い原因に見えます。
その後に発表されたNYK連銀指数の改善を受けて活気づいた株式市場を受けるように、ドル売り円売りが先行したのが、相場上昇の主な背景に見えます。終盤の反落を見る限り、依然として90円台の売り意欲は衰えていない印象です。
◆ユーロドル相場
寄り付き後の揉み合いから上値を更すると、テクニカル的なユーロ買いが先行しました。欧州時間では、ユーロポンド相場などでもユーロ買いが先行したことから、1.3683まで上昇しました。暫く揉み合ったあと、米国時間で上値を更新すると上昇が加速し、一気に1.3775まで上昇。その後の揉み合いで、79の高値を付けながら引ける展開でした。安値寄り付きの、高値引けとなり、日足は大陽線となりました。
(ファンダメンタル)
ギリシャ問題に方向性が示されたことで、穏やかなユーロの買戻しが先行した模様です。米国の株式市場が急回復したことによるドル売りで、ユーロドルの急上昇を招いてはいますが、ドルのロングが切らされたという観があり、対ポンド相場を見る限り、ユーロへの資金還流は限定的に見えます。
◆ポンドドル相場
ユーロドルの上昇に合わせて、欧州時間に1.5727まで上昇していますが、対ユーロ相場で一時ポンド売りとなり、米国時間に掛けて安値を更新する展開がありました。しかし、その後のドル全面安を受け1.5792まで一気に上昇し、引けに掛けての揉み合いで、1.5794の高値をつける展開でした。概ね高値引けとなったことで、日足は大陽線となっています。
(ファンダメンタル)
欧州時間までの上昇はユーロドルに連れた、穏やかな展開でした。対ユーロ相場がユーロ高に推移したことによるポンド売りが、その後の下落要因だと推測できます。しかし、その後のドル全面安には勝てず、積み上がったドルロングが一斉に切らされた動きと見るべきでしょう。対ユーロ相場が下落推移を再開したこともポンド買いを支援した形です。
◆その他の市場動向
ギリシャ問題に方向感が出たことで、回避先からの資金還流を促したようです。株式市場が急速に買い戻されたことは、ドル売りが強まった一因ですが、債券市場は値頃感や長期資本流入の増加を示す発表、更には連銀筋のコメントなどを材料に、逆に買いが入って利回りは低下。資源市場はドル安に連れて上昇しました。
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