外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

リスク許容度改善でドル買い?- part2:金利地合いに変化?

2009-04-19 18:06:02 | ☆相場分析-ユーロドル


しかし、今週末の動きは、米国金融機関の決算が予想より良かったことが好感され、株式市場は上昇ムードとなり、債券相場が下落し金利上昇となっていますが、ドル買い円買いが進み、商品市場は弱気基調となりました。
つまり、株式市場の上下=リスク許容度という、ある意味でこじつけ相場が機能しなくなっています。

中国のGDP成長率の鈍化やユーロ債の利払いなど、円高やドル高のイベントが重なったのが理由とみることも出来ますが、既にゼロ金利政策へ突入して半年近い期間を経た米国と、1%近いのりしろを残しつつ、金利対応に大きく出遅れたユーロとの格差が鮮明になりつつあるのかもしれません。

今週以降も暫くユーロが注目の中心となることが予想されます。相場位置的にはユーロドルが下落ポイントの直ぐ近くにいることもあり、底を抜けて行く展開があるのかどうか要注意です。あくまで、ユーロドルが鍵を握っているという見解は引き続き変わりませんが、ここへきて別途円高圧力がかかるようだと、ユーロ円は下落に拍車がかかるリスクがありそうです。

あと一点、政策金利では、ユーロ1.25% 米ドル0.00~0.25%と、比べてユーロが高金利を維持していますが、このところのドル金利上昇という地合いを受けて、週末のスワップはユーロの買い持ちはポイントの払いとなっています。つまり、景気の底打ちを予感させた場合、米国の市場金利が先導して上昇するようだと、米ドル買いというフローも発生します。これまでなら、株式市場が好転するとリスク許容度拡大とばかりファンディング通貨のドル、円が売られるというのが、リスク許容度論者のシナリオでしたが、微妙にズレが発生している根拠の一つがここにありそうです(了:為替投資郎)。

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リスク許容度改善でドル買い?- part1: 売りじゃなかった?

2009-04-19 13:15:12 | ☆相場分析-ユーロドル


前回の更新から数週間が経ちました。
ユーロに注目してこのところの動きを見てきましたが、対ドルでは結果的に予想の範囲内となる、日足一目均衡表の雲の中での動きとなりました。

今週も相場に影響を与えるニュースが数多く飛び込んできましたが、内容はまちまちであったため、イベントに振り回された印象が強いかもしれません。

裏を返せば、相変わらず短期的な相場展開であったことが判り、確信あるトレンドにはいずれも結び付かなかったことになります。
ただ、これまで俗に言う「リスク許容度」であるとか「リスク回避」であるとかの非常に抽象的な根拠すら、現実と辻褄が合わなくなり始めたことは、根底にトレンドを感じ始めています。

「定理」的に使われてきた「リスク許容度」というシナリオは、
A:
①リスク許容度が上向く(つまり、リスク投資へのモチベーションが上がる)
②ドル以外のプロダクトへ資金が向かう(ユーロドル、ポンドドルなどが上昇し対円相場も上昇。株式相場、商品相場が上昇し、債券相場は下落上昇【訂正削除】する)

B:
①リスク許容度が下向く(つまり、リスク投資へのモチベーションが下がる)
②ドルや円に資金が戻る(ドル買い、円買いが発生し、株式相場、商品相場が下落し、債券相場は上昇する)

というのが概略です(続)。

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