さて、長々と書いてしまいましたが、私は今回の為替変動の中で、基本的にドル買い(ドル円を除く)であることには、大きく3つの理由があります。
一つはチャート的な理由ですが根拠はそれだけではなく、上の理由にもあるように、あまりにリスク投資が強すぎた過去数年において、調整が入るのは自然なことです。圧倒的な流動性を誇ったドルは、債券を売って(金利は上昇)商品やBRICSの株式が買われました。土地も然りです。
それが巻き戻っている最中だとすれば、流れた資金の多くは一旦ドルに回帰すると考えます。あくまでストレートでの欧州売りを唱えていたのもそれが主要因で、クロス円もストレートに押されて売られることで、ドル円の上値も重たくなっています。
二つ目に、アメリカの金融機関がこれほど傷んでいる中で、欧州への飛び火は限定的だという妙な市場ムードを疑っています。英国政府は戦後最大の危機とまで言っているにもかかわらず、1.75まで下落後、1.86台まで戻すなど根拠が見えません。またECB圏内の欧州は景気政策よりも金利政策を重んじる傾向があり、利下げに躊躇している場合、欧州経済は再び暗黒の時代へ引き戻される懸念を抱いています。アメリカですら大手証券を破綻に追い込んだこの流れは、欧州に置き換えるとかなり深刻となる可能性があるかもしれません。そうなると先に手を打ったアメリカがどうも先手必勝と成りそうに思えます。
三つ目は、今回のテーマである短期金利の上昇による投機です。本日は米国債も買われており、スワップ協定による多額の流動性強調介入が好感されているようですが、債券が買われ金利が下がれば通常、株式市場は上昇しなければなりません。しかし、相変わらず信用不安からリスク回避の流れが払拭できないと資金繰りは改善されず、矛盾は解決されそうにありません。我々は為替を通じて、債券市場特有の金利投資という手段を得たと思いますが、その分随分と乱暴な相場になったと言う印象があり、理論が通じにくくなっていると思います。また、今まで商品市場や株式市場との関連性が重視されてきましたが、今後暫くはもしかすると市場金利とリンクする可能性が高くなり、それは単に、金利高=買いという図式から、債券高=買いという矛盾(でも無い側面もありますが・・・)する動きを伴う場合を想定する必要がありそうです。
私ごときが債券相場と為替相場との関係を矛盾無く論破するには無理がありますが、理論だけで動かないと言うのもまた、相場ではあります。適切な資金が適所に回れば問題ないのですが、市場に大量の資金を放出したところで、企業などへの貸し出しは結局、金融機関に依存します。かつて日本でも90年代前半でバブルがはじけたにも関わらず95年まで円高となって79円台を付けています。当時、不景気の円高という矛盾により多くの企業が悲鳴を上げていたことが思い出されます。
ドルの危機が叫ばれる割には、クロスの影響を受けるドル円を除き、ドル売りに勢いが無く映るのは私だけでしょうか。相場は第二波動を終了し、下落が早すぎた分直ぐにとは行かないかも知れませんが、静かに第三波動となる下落への準備を始めているように見えて仕方がありません。(了-為替投資郎)
一つはチャート的な理由ですが根拠はそれだけではなく、上の理由にもあるように、あまりにリスク投資が強すぎた過去数年において、調整が入るのは自然なことです。圧倒的な流動性を誇ったドルは、債券を売って(金利は上昇)商品やBRICSの株式が買われました。土地も然りです。
それが巻き戻っている最中だとすれば、流れた資金の多くは一旦ドルに回帰すると考えます。あくまでストレートでの欧州売りを唱えていたのもそれが主要因で、クロス円もストレートに押されて売られることで、ドル円の上値も重たくなっています。
二つ目に、アメリカの金融機関がこれほど傷んでいる中で、欧州への飛び火は限定的だという妙な市場ムードを疑っています。英国政府は戦後最大の危機とまで言っているにもかかわらず、1.75まで下落後、1.86台まで戻すなど根拠が見えません。またECB圏内の欧州は景気政策よりも金利政策を重んじる傾向があり、利下げに躊躇している場合、欧州経済は再び暗黒の時代へ引き戻される懸念を抱いています。アメリカですら大手証券を破綻に追い込んだこの流れは、欧州に置き換えるとかなり深刻となる可能性があるかもしれません。そうなると先に手を打ったアメリカがどうも先手必勝と成りそうに思えます。
三つ目は、今回のテーマである短期金利の上昇による投機です。本日は米国債も買われており、スワップ協定による多額の流動性強調介入が好感されているようですが、債券が買われ金利が下がれば通常、株式市場は上昇しなければなりません。しかし、相変わらず信用不安からリスク回避の流れが払拭できないと資金繰りは改善されず、矛盾は解決されそうにありません。我々は為替を通じて、債券市場特有の金利投資という手段を得たと思いますが、その分随分と乱暴な相場になったと言う印象があり、理論が通じにくくなっていると思います。また、今まで商品市場や株式市場との関連性が重視されてきましたが、今後暫くはもしかすると市場金利とリンクする可能性が高くなり、それは単に、金利高=買いという図式から、債券高=買いという矛盾(でも無い側面もありますが・・・)する動きを伴う場合を想定する必要がありそうです。
私ごときが債券相場と為替相場との関係を矛盾無く論破するには無理がありますが、理論だけで動かないと言うのもまた、相場ではあります。適切な資金が適所に回れば問題ないのですが、市場に大量の資金を放出したところで、企業などへの貸し出しは結局、金融機関に依存します。かつて日本でも90年代前半でバブルがはじけたにも関わらず95年まで円高となって79円台を付けています。当時、不景気の円高という矛盾により多くの企業が悲鳴を上げていたことが思い出されます。
ドルの危機が叫ばれる割には、クロスの影響を受けるドル円を除き、ドル売りに勢いが無く映るのは私だけでしょうか。相場は第二波動を終了し、下落が早すぎた分直ぐにとは行かないかも知れませんが、静かに第三波動となる下落への準備を始めているように見えて仕方がありません。(了-為替投資郎)