外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

ドルショートカバーが先行

2008-05-08 13:50:08 |    -ユーロ円

想定どおり、着々とショートカバーが進行しています。ユーロポンドなどでのポンド買いが先行した時は、やや苦しかったポンドドルも、ようやくユーロドルに追随をはじめています。

以前のブログでも解説していますが、ドル買いと考えると非常に矛盾を感じる相場ですが、ドル売りをキャリーしていた筋のスクエア化が一歩踏み込んで発生しているという解釈が納得行きます。

つまり、これまでドル売りユーロ買い、ドル売りスイス買い、ドル売りポンド買いなどを進めていた向きが、ポジションを縮小している状況だと考えることができ、資金が投資先から一部、回帰しているとしたほうがしっくり行きます。

ドル買い=リスク許容度が回復というよりはむしろ、ドルの利下げ“のりしろ”が狭まる中で、欧州の弱い経済指標を背景に、金融引き締め期待からうち止め感あるいは、やや利下げムードが漂い始めた結果、金利差の拡大の思惑が、むしろ縮小懸念に変化しつつあるのだと考えます。事実、債券相場は堅調であり、決してリスク投資の増加とは言えない地合いがあります。

では、なぜドル円は下落するのかという矛盾を感じますが、幾度か述べている様に、ドル円の上昇を打ち消すストレートの下落が背景に想定できます。
つまり、外貨ポジションを縮小させることは、ユーロやポンドから円に資金が戻る動きにもなり、ユーロドルでユーロを売り、ドル円で円を買う動きが根底に発生している可能性があります。ドル円の動きがハッキリしないのも、ドル買い戻しのヘッジとしてドル円が買われる半面で、クロス円の売りが円買いに作用するという2つのベクトルがぶつかり合っている可能性が指摘できます。瞬間的にクロス円の下落が勝るのは、先のような投資資金のシフトが原因で、単純な外貨ポジションのストップロスが巻き込まれるのが理由とも考えられます。

ストレートという観点では、ドル買いで後暫くは持続しそうですが、ドル円がドルカバーで上昇する局面では、どうしてもクロス円は上昇します。今後、チャンスは限定的になると思いますが、このようなステージがあれば、落ち着いて、クロス円を売ってみると期待できるかもしれません。特にユーロ円はもう少し下落余地がありそうです。

前回の上昇波動の高値をザックリ165円、安値をザックリ151.70円とすれば、158.30円あたりはターゲットとなり、さらに割り込めば前回安値への挑戦機運は強まりそうです。
また、ポンド円は既に下値水準での揉み合いが継続しています。203円割れでは、下値補助線割れを伴い、下落に拍車が掛かる可能性があり要注意です。ユーロ、ポンド共に対ドルで上昇しなければ、当作戦の勝機が高まりそうな予感です。

地政学的要因で、オイルが一時的に上昇の速度を速めています。波乱要因ではありますが、一方でGOLDは1オンス900ドルが遠く感じ始めました。こちらはユーロの上値を重くしている要因でもありそうです。