外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

4「スパイク足だけより、フォーメーションで」-実用用語集

2010-10-07 22:30:09 |   -FX実用相場用語

用語解説「スパイク」の補足最終回です。


では、ダブルトップやヘッドアンドショルダーの様に、フォーメーションが出来上がってから行動することができれば、危うい逆張りをしなくても済むのではないか。


実はスパイクだけを掲げれば、これまで述べたように、ハンマー状の足を作ったまでに過ぎない。
確かに、トレンドの天底でできたスパイク足は、相場反転を暗示することは確かだが、反転しないことも多い。実はその次の足が、スパイクする一つ前の足を同じ値幅近く返した時に、スパイクフォーメーションが完成したことになる。

また、ハンマー足の陰陽は、一本前の陰陽と逆になると一層心強い。







あとは他のリバーサルパターンがそうであるように、スパイクした、ひとつ前の足を被せるタイミングで順張りするのが妥当だろう。つまり、ネックライン割れの考え方だ。

一本のハンマー足がピークに出来た後、本当に反転した場合、後から見れば1日で相場転換をしたようにも見えることから、日足で言えば“ワンデー・リバーサル”としてパターン化されるようだが、誰も一つの山が出来た

だけで、ダブルトップを前提に取引しないのと同じように、一本の足だけで決め打ちするなどあまり慌て過ぎると、騙しの餌食なってしまうだろう。(了)



用語解説「スパイク」の補足
1「スパイクの用語定義」
2「反転スパイクし易い根拠」
3「スパイクが発生し易い状況」
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国際決済銀行 調査 【BIS SURVEY】(終)

2010-09-02 22:10:27 |   -FX実用相場用語
国際決済銀行 サーベイ の続きを掲載

最後に、各国外国為替市場の規模を、取扱高で比較したものが、Table5 である。


出典:国際決済銀行(BIS) サーベイ 速報版 2010年9月01日 公開 
http://www.bis.org/publ/rpfx10.pdf
日本の東京市場が、世界3位に返り咲いたという報道があったが、ご覧の通りだ。イギリスのロンドン市場、アメリカのニューヨーク市場はダントツに大きい。為替市場には地域的な要因はあるものの、この2つの市場が重なる時間での動きは、為替市場の大きな部分を占める動きとして把握しておく必要がありそうだ。
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国際決済銀行 調査 【BIS SURVEY】(3)

2010-09-02 20:50:17 |   -FX実用相場用語

国際決済銀行 サーベイ の続きを掲載
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このTable3は、取引された通貨の総計を%で表示したもので、いわゆる流動性を図る上で目安となる。

 
出典:国際決済銀行(BIS)サーベイ 速報版 2010年9月1日公開 http://www.bis.org/publ/rpfx10.pdf

日本では比較的メジャーなキーウィ(NZD)は僅か1.6%に過ぎず、何かが起きると乱高下することからも、流動性からみるとリスキーな通貨であることが判る。

これらをさらに具体的に通貨ペアとして集計したのが、Table4だ。


出典:国際決済銀行(BIS)調査 速報版 2010年9月01日公開

%が小さくなればなるほど流動性が低下することを意味しており、取引するならリスクを覚悟の上で取り組んだ方が良さそうだ。

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国際決済銀行 調査 【BIS SURVEY】(2)

2010-09-02 19:51:59 |   -FX実用相場用語

国際決済銀行 サーベイ の続きを掲載

Table2では、Table1で分類したそれぞれの出来高が、どんな企業、組織を通じて取引されたかを解析している。


出典:国際決済銀行(BIS) サーベイ速報版 2010年9月1日公開 http://www.bis.org/publ/rpfx10.pdf

reporting dealersとは、本レポートでも定義されているように、大手銀行、生損保、商社など、いわゆるインターバンク市場に参加している金融機関としている。
other financial institutionsとは、上を除いた全ての金融機関という定義で、ヘッジファンドや年金ファンドなどが含まれるようだ。
non-financial customersは、さらに上を除いたその他全てという意味合いのようで、一般エンドユーザーなどと定義されている。

報道では、証拠金取引の増加が見られるとされているが、FXブローカーがother financial institutionsに入るのか、non-financial customersに入るのか、私には判断がつかない。金商法的には金融機関に入りそうだが、一般投資家の取引をまとめているに過ぎないなら、その起源は一般投資家になる。

さて置き、注目したいのは、見える範囲の過去調査を通じても、インターバンクの取引量がその他金融機関を初めて下回ったということだ。つまり私がインターバンクのブローカーだったころは、自由化の前ということもあり、恐らく寡占状態だったと思われる。確かに対象とされる組織数は圧倒的にother financial institutionsが多いだろうが、インターバンクにも見えない動きが増えたような話を聞くと、まんざら嘘でもなさそうだ。

リスク回避色が強まった中、ヘッジファンドの積極的なスクエアリングが影響した一時的な事態なのか、流れがこうなのか、市場はますます混沌としてきたようだ。

下の表は、Table2の続きだが、



スワップポイントの基になるトムネ取引は、最後のForeign Exchange swapsの、Up to 7 daysの一部である。トムネ取引は明日-明後日のスワップだが、今日-明日のオーバーナイトと合わせるだけで、恐らく70%位を占めるのではないだろうか。

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国際決済銀行 調査 【BIS SURVEY】

2010-09-01 20:41:42 |   -FX実用相場用語
国際決済銀行 調査(2) 調査(3) 調査(終)
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BIS(Bank for International Settlements)国際決済銀行が3年に一度、国際間の金融取引の出来高等に関する調査を、各国の中央銀行を通じて行うもので、中央銀行はその先の各企業・金融機関等にアンケートを行ってなるべく詳細な数字を集計する。

2010年9月1日付けで発表された速報値であるが、皆さんが行う外国為替取引はれっきとした金融取引であることを、表とともに解説してみよう。

Table1として掲載されているのが、いわゆる外国為替取引として分類される金融取引で、取引ルール等の違いでさらにいくつかのカテゴリーに分かれている。



出典: 国際決済銀行 2010年度 速報版 9月1日公開 http://www.bis.org/publ/rpfx10.pdf

我々が取引する外国為替証拠金取引は、この中のスポット(Spot Transaction)取引に入り、一日ロールオーバーするごとに足し引きされるスワップポイントは、スワップ取引(Foreign Exchange Swaps)の中のトムネ取引から発生する。

証拠金を介した取引は、レバレッジを効かせる取引が大方であることから、金商法的にはデリバティブ取引に属しているようだが、扱う内容は、単純なSpot取引だ。

アウトライト取引(Outright Forwards)は、ちょうどスポットとスワップの間的な取引だが、上のスワップ取引のこともForwardという場合があり、かなりややこしい感覚は否めない。金融業界では、Outright Forwardの取引をアウトライトと言い、FXSwapsのことを、フォワードという場合が多い。Swapというと、通貨スワップとか金利スワップなどと混同しやすいからだろう。

また、Forwardsの日本語訳が先物となるので、フォワード取引は正に先物取引となってしまう。商品先物取引も稀に省略して先物取引ということから、区別して金融先物取引などと言おうものなら、いっそう怪しい取引に聞こえてしまうのだろう。(続)
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ソブリン・リスク(格付け)【Sovereign Risk (Rating)】

2010-06-17 20:30:29 |   -FX実用相場用語

「ソブリン」の意味だけをとれば、「公の」とか「公的な」ということになるが、「ソブリン・リスク」とか「ソブリン・格付け」などというように、金融市場で最近良く登場する場合では、主に国債の事を指すことが多い。したがって正確にはソブリン債というのが厳密かもしれない。また、ソブリン系などという場合には、政府系の投資組織を指す場合が多い(ソブリン系ファンドを参照)。

格付けとは、大手格付け機関がおこなう、投資対象のランク付けのことで、国債(ソブリン債)の信用力が低下すれば格下げとなり、向上すれば格上げとなる。

ソブリン・リスクという場合は、意味する範囲が広がり、場合によってはその国そのもののリスクを指す場合もあるが、最終的には債券価格の上下で判断されるとすれば、この場合は国債(ソブリン債)下落リスクと解釈した方が、釈然とするだろう。

投資信託などで、ソブリン債●■▽■などという商品を見かけるが、ポートフォリオの一部に外国の国債を組み入れたり、ソブリン債投資だけで固めた商品でも、格付けによって投資割合を振り分けてリスク分散をする。この際の物差しとして参照されるのが、先の「格付け」という訳だ。

ハイリスク・ハイリターンのモデルでは、当然ながら高利回りで格付けの低いソブリン債の割合が多くなり、ローリスク・ローリターンなら高格付けのソブリン債の割合が多くなる。


こぼれ話

ソブリンという言葉が目立ち始めたころ、知り合いの方から「ソブリン債って何の債券?何か怪しい有価証券か何かなの?」という質問をされたことがある。「なぜ?」と聞いたところ、「薦められるがままに投資をしたのだけど、随分損をした…!聞くだけで腹が立つ!」のが理由だそうだ。

「外国の国債投資だから怪しくは無いけど、確かに利回りが高いということは、同時に信用力が低い可能性が高いので、注意が必要…」と、ありふれた答え方をしたが、為替が“可愛くて仕方ない”浅野としては、為替リスクの方を強調した。

つまり、利回りは必ず付くものだが、円に戻す場合には為替リスクがあり、信用が低い国の通貨は往々にして下落することから、利回り分だけではなく、元本にも為替リスクがかかって、意外とそれが大きく収益を左右する旨を、お伝えした。

まだまだ多くの海外投資商品には、為替のヘッジはされていない。事実上、為替のリスクヘッジは、放置するか投資家自身で行うしかないのが現状だ。為替取引は実に基本的な取引である半面で、あらゆるところにも絡んでくる、奥深くて魅力的な“取引ちゃん”なのだ。

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スパイク【SPIKE】-追記3「スパイクが発生し易い状況」

2010-02-06 11:24:00 |   -FX実用相場用語

次に、相場が実際にスパイクする状態に陥りやすい状況を考えてみよう。

一つには、相場に安定したトレンドが発生し、市場心理全体がトレンドと同じ方向を向いた時ではないだろうか。つまりこういう状況では、参加者の多くがトレンドに準じた売買をするため、次第に騰落が加速するだろう。更にはこういう状況だからこそ、トレンドとは逆張りとなる指値オーダーが姿を消すため、市場の流動性が一段と低下し、過剰な動きになりやすいはずだ。

そんな状態から、一気に反転した状態がスパイクであり、いわば”ハシゴを外された”ようなものである。スパイクした値幅を示すヒゲが、長ければ長いほど外されたハシゴも高くなり、余計に足はすくむだろう。つまり、トレンドが伸びきった先端で突然スパイクする場合が多く、原則はトレンド方向に長いヒゲが付く形である。


他にも、スパイクは稀に人為的に引き起こされる場合がある。例えば、市場が薄い、オセアニア時間や、東京時間の昼休み、あるいは、現在のような冬時間の、アジアとヨーロッパの狭間の時間に、まとまったストップオーダーを付けることで、似たような状況を作り出しやすい。

例えば、ストップ買いのケースを考えてみよう。
ストップオーダーが付くと、注文の額を満たすまでは、新値を追って買い進む必要があるが、満額を買い終わった途端に買い手はいなくなる。従って次にもし売る必要性に迫られた場合、買い(ビッド)が無いことには話は始まらないのだが、誰も相場について行かなかった場合は、高値から数十ポイントも下の価格でしか買い手がいない、という場合がありえる。このようなケースは、あくまでインターバンク取引の場合ではあるが、実際にカバー先の金融機関が行うマーケットでは、よくある話だ。

ところで、トレンドが急伸する場合の表現で、売り相場のセリング・クライマックス(Selling Climax)や、買い相場のショート・スクイーズ(Short Squeeze)などという言い方がある。これらの表現は、トレンドがまさに今、急激に伸びている状況を指すので、反転相場までを考慮したり、足にヒゲが付くかどうかのテクニカル分析とはあまり関係がない言い方だ。

さて、スパイクのイメージはご理解いただけたとして、厄介なのは、スパイクは、急伸した相場が結局元に戻ってからではないと認識できないという難点があり、いつ反転するか誰にもわからないことである。(続)


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1「スパイクの用語定義」
2「スパイク反転し易い根拠」
3「スパイクが発生し易い状況」
4「スパイク足だけよりフォーメーションで」
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スパイク【SPIKE】-追記2「スパイク反転し易い根拠」

2010-01-19 22:30:51 |   -FX実用相場用語

チャート足1本の期間(時間)が短い場合、相場は常に上下を繰り返しながら動くため、ハンマー型になりやすいのは想像しやすいだろう(図4)。

従って、ハンマーが出現したところで相場変動と何の関連性も見出せないことから、単なる足型の名前で終わりがちである。しかしある程度、足の期間が長くなり、パターンとして捉えられると、独特の意味を持つようになる。



その前に、スパイクし易い状況を考えてみよう。

急激に相場が変動した場合、相場が動いた方向へついて行くまでは良いが、戻り相場も急激だった場合、追いかけたポジションがしこりやすく(ポジションがしこる→決済する機会を逸して、含み損がある状態でポジションを抱えること)なってしまう。

また、本来売買をすべき水準に相場が到達したにもかかわらず、あまりの急変動だった場合、更に有利なレートを求めて注文を控えてしまうかもしれない。そんな時、戻し相場も急激だとしたら、取引し損ねたオーダーが、元に戻った後から湧き出てくる状況なども想定できる。

このように、後を引きずっている取引需要が、今度は実際に追いかけ売買となって現れたりすれば、ヒゲ(スパイクした方向)とは反対に動きやすくなるのは想像できる。(続)


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1「スパイクの用語定義」
2「スパイク反転し易い根拠」
3「スパイクが発生し易い状況」
4「スパイク足だけよりフォーメーションで」
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スパイク【SPIKE】-追記1「スパイクの用語定義」

2010-01-10 10:42:52 |   -FX実用相場用語

ここ数年をみても、為替市場の流動性が低下したのか、証拠金取引などによって過剰流動が集中しやすくなったのか、理由は定かではありませんが、相場がスパイクする頻度が、随分増えたように思います。

従って、ブログでもスパイクという表現を使う頻度が自然と増えざるを得ない状況ですが、相当昔に書いた、自分の用語集を確認しました。

結果は、簡単な発生原因の想定や、しょうも無いオマケ話が書いてあるに過ぎず、軽いショックを覚えましたので、もう少しテクニカル的な内容を追記しました。順次、用語集の「スパイク」にリンクする予定です。
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始値と終値との値幅から、離れた高値や安値をつけるような動きがあると、チャート足には図1のようにヒゲが付く。大きくかけ離れるほど、図2のようにヒゲは長くなり、その足型から英語では、「ハンマー(hammer)」というニックネームが付いている。












スパイクとは、チャートや足形の名前ではなく、こうした動きや状態を指し、「往来相場」や「行って来い相場」という表現が概ねそれに該当する。特に、短時間でこうした動きになればなるほど、またヒゲが実体線(胴体部分)と比べて長ければ長いほど、スパイクと呼ぶにふさわしい状態となる。


「ハンマー」や「逆ハンマー」は足型の名前からも、片方に付いたヒゲがハンマーの柄に見えるからだが、スパイクは状態を示すことから、当然図3のように上下にスパイクすることがあり、どう見てもハンマーとは呼べないことからも同意語ではなく、是非言葉を混同されないように願いたい。(続)


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1「スパイクの用語定義」
2「スパイク反転し易い根拠」
3「スパイクが発生し易い状況」
4「スパイク足だけよりフォーメーションで」
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アイランド(トップ/ボトム)【Island Top / Bottom】

2009-12-15 23:30:22 |   -FX実用相場用語

1~2本程度の足で急上昇(下落)した後、暫く高値圏(安値圏)で揉み合い、同様に1~2本程度の足で急下落(上昇)して、概ね変動前の水準に戻る変動した場合、アイランド・トップ(ボトム)フォーメーションを完成したことになり、反転のシグナルとなる可能性がある。

揉み合った塊を、離れ小島に見立てて、その部分をアイランドという。

為替相場は、基本的に24時間連続する、流動性が高いマーケットなので、滅多にギャップ(窓)を空けてアイランドを作ることは少ないが、流動性が低いマーケットでは、短時間の長い陽線や陰線では、恐らくギャップが空いていただろうと想像できる。この場合、チャートには、まさしくアイランドがポツンと離れて、現れてくる。

アイランド・トップは、下落反転のシグナルとなり、
アイランド・ボトムは、上昇反転のシグナルとなりやすい。

下のチャートはポンドドル相場で、2009年8月初旬を囲んだ部分に、アイランド・トップ・フォーメーションを確認できる。


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