外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

スパイク【SPIKE】-追記3「スパイクが発生し易い状況」

2010-02-06 11:24:00 |   -FX実用相場用語

次に、相場が実際にスパイクする状態に陥りやすい状況を考えてみよう。

一つには、相場に安定したトレンドが発生し、市場心理全体がトレンドと同じ方向を向いた時ではないだろうか。つまりこういう状況では、参加者の多くがトレンドに準じた売買をするため、次第に騰落が加速するだろう。更にはこういう状況だからこそ、トレンドとは逆張りとなる指値オーダーが姿を消すため、市場の流動性が一段と低下し、過剰な動きになりやすいはずだ。

そんな状態から、一気に反転した状態がスパイクであり、いわば”ハシゴを外された”ようなものである。スパイクした値幅を示すヒゲが、長ければ長いほど外されたハシゴも高くなり、余計に足はすくむだろう。つまり、トレンドが伸びきった先端で突然スパイクする場合が多く、原則はトレンド方向に長いヒゲが付く形である。


他にも、スパイクは稀に人為的に引き起こされる場合がある。例えば、市場が薄い、オセアニア時間や、東京時間の昼休み、あるいは、現在のような冬時間の、アジアとヨーロッパの狭間の時間に、まとまったストップオーダーを付けることで、似たような状況を作り出しやすい。

例えば、ストップ買いのケースを考えてみよう。
ストップオーダーが付くと、注文の額を満たすまでは、新値を追って買い進む必要があるが、満額を買い終わった途端に買い手はいなくなる。従って次にもし売る必要性に迫られた場合、買い(ビッド)が無いことには話は始まらないのだが、誰も相場について行かなかった場合は、高値から数十ポイントも下の価格でしか買い手がいない、という場合がありえる。このようなケースは、あくまでインターバンク取引の場合ではあるが、実際にカバー先の金融機関が行うマーケットでは、よくある話だ。

ところで、トレンドが急伸する場合の表現で、売り相場のセリング・クライマックス(Selling Climax)や、買い相場のショート・スクイーズ(Short Squeeze)などという言い方がある。これらの表現は、トレンドがまさに今、急激に伸びている状況を指すので、反転相場までを考慮したり、足にヒゲが付くかどうかのテクニカル分析とはあまり関係がない言い方だ。

さて、スパイクのイメージはご理解いただけたとして、厄介なのは、スパイクは、急伸した相場が結局元に戻ってからではないと認識できないという難点があり、いつ反転するか誰にもわからないことである。(続)


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1「スパイクの用語定義」
2「スパイク反転し易い根拠」
3「スパイクが発生し易い状況」
4「スパイク足だけよりフォーメーションで」
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