深田久弥さんの
日本百名山より
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数年前の五月、私は勝山の姉を訪ねた折、荒島へ登る機会を逃さなかった。
勝山から大野(両町ともすでに市制を敷いている)へ向かう間から眺めた
荒島岳は、文句なしの立派な山であった。
「美しいですね」と私は、自家用車に乗せてくれた親戚のTさんに声をかけると、
「良うゴエス」という返事。なつかしい越前弁である。
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空が明るくなるころに宿を出て
中出(なかいで)登山口に到着すると
駐車場に先客は3台でした。
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看板には登山マップや
宿、食事処が丁寧に案内されていました。
立派なトイレに、登山届を
提出するスペースがあります。
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5分ほど舗装された林道を登ると
中出登山口の標柱があります。
林道を下から上ってくる
身軽な服装の人が、登山口の
反対側の山へ入っていきました。
山菜やキノコ取りの方でしょうか。
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登山道に入っても林道が続き
短く2か所が舗装されていました。
ただ、ほとんどが砂利道で
土の道より疲れます。
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20分ほどで林道と別れ
葛の枝が垂れ下がる下を
頭を低くして杉林に入ります。
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ひっそりと山野草が咲いています。
新潟では見かけない花もあり
遠くに来たことを教えてくれます。
その他に、弥彦山での
ユウガギク・ノブキ・センニンソウ
に似た花が咲いていました。
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しばらくするとまた
林道を横切ります。
この辺りまで来ると
あまり使われていない林道は
野生に戻りつつあります。
山のかなり上まで杉が植林されていますが
自然林も残っています。
登山口から1:15で
おおこば展望台というピークがあり
現在は360度が樹木に覆われ
展望は全くありません。
虫が顔に寄ってくるようになったので
虫よけの網を被りました。
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少し横にトラバースするように進むと
登山口から1:30で
林道出合に到着です。
と言っても
高い樹木がないだけで
よほど注意して見ないと
林道であったことはわかりません。
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向坂と書いた白い木柱を見て
坂を上り
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キッコウハグマ・ソバナ・ホツツジを愛で
「とやのっこし」という木柱を過ぎると
小荒島岳への分岐があります。
裏側には、丁寧にも
「すぐそこです」とありました。
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登山口より2:10で
小荒島岳に到着です。
足元の砂利にはばまれて
標準タイムより時間がかかりました。
荒島岳は雲に隠れ
下界も所々しか見えません。
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帰りに再び小荒島岳に寄った後
分岐まで下りた時
これから荒島岳に登る
トレランの人とすれ違いました。
その人は私が駐車場に下りた頃
ほぼ同時に下山してきたので
驚いて声をかけると
やはり地元の方でした。
この長い砂利道をよく
走って下りれるものです!
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つづく
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