7合目・河原宿小屋からしばらく
雪渓の雪解け水が溜まり
お花畑が点在する草原を歩くと
小氷河といわれる心字雪渓です。
一番期待していた風景なのに
ガスは一層濃くなり
初めて登るとすれば
行く先の道を目で辿ることさえ
困難な状況です。
まだ朝早いため
すれ違う登山者も少なく
ツアーでなければ
ここで帰ったかもしれません。
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軽アイゼンを装着し、登り始めます。
雪渓は固く凍っているので
アイゼンなしでは疲労が大きいと思います。
雪渓は綺麗なイメージですが
空気にも色んな汚れが含まれているからか
服やザックが黒く汚れます。
ガスで遠景はもちろん、花も遠く
視界には雪と緑の草原だけが残ります。
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雪解けの進み具合から
時々、雪渓の横の岩と草の道に廻ります。
アイゼンをつけたまま岩を踏むと
アイゼンが痛むなぁと思いながら
ここは
着脱が簡単な4本爪のアイゼンが最適です。
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最後の小雪渓はトラバースするので
ロープが張ってあり、
結局、アイゼンの着脱を2回で
すべての雪渓を超えました。
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再び、緑の灌木の道を進むと
上りの角度が急になり
薊坂
という標識がありました。
ふり仮名がなかったので
読めませんでしたが
あざみざかと読むのだそうです。
アザミの漢字を初めて知りました。
もちろん
鳥海山でアザミといえば
チョウカイアザミのこと。
たくさん咲いていました。
花の百名山によれば
花に手を触れると特有の粘り気がある
とのこと、試すのを忘れました。
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随分長い急登でした。
傾斜が緩むと外輪山の稜線に出ます。
出迎えは、伏拝岳(2130m)です。
晴れていれば
鳥海山山頂である新山が拝めるはずですが
ガスで眺望はありません。
薊坂は
道が狭くて休む場所がなく
ようやく一息ついて小休止です。
カメラの温度計は17.1℃
風が強くなり寒いので
ウィンドブレーカーを重ね着しました。
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つづく