山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

心字雪渓~外輪山の伏拝岳@鳥海山☆日本百名山№44

2019-08-06 | 44鳥海山(夏)

7合目・河原宿小屋からしばらく

雪渓の雪解け水が溜まり

お花畑が点在する草原を歩くと

小氷河といわれる心字雪渓です。

一番期待していた風景なのに

ガスは一層濃くなり

初めて登るとすれば

行く先の道を目で辿ることさえ

困難な状況です。

まだ朝早いため

すれ違う登山者も少なく

ツアーでなければ

ここで帰ったかもしれません。

軽アイゼンを装着し、登り始めます。

雪渓は固く凍っているので

アイゼンなしでは疲労が大きいと思います。

雪渓は綺麗なイメージですが

空気にも色んな汚れが含まれているからか

服やザックが黒く汚れます。

ガスで遠景はもちろん、花も遠く

視界には雪と緑の草原だけが残ります。

雪解けの進み具合から

時々、雪渓の横の岩と草の道に廻ります。

アイゼンをつけたまま岩を踏むと

アイゼンが痛むなぁと思いながら

ここは

着脱が簡単な4本爪のアイゼンが最適です。

最後の小雪渓はトラバースするので

ロープが張ってあり、

結局、アイゼンの着脱を2回で

すべての雪渓を超えました。

再び、緑の灌木の道を進むと

上りの角度が急になり

薊坂

という標識がありました。

ふり仮名がなかったので

読めませんでしたが

あざみざかと読むのだそうです。

アザミの漢字を初めて知りました。

もちろん

鳥海山でアザミといえば

チョウカイアザミのこと。

たくさん咲いていました。

花の百名山によれば

花に手を触れると特有の粘り気がある

とのこと、試すのを忘れました。

随分長い急登でした。

傾斜が緩むと外輪山の稜線に出ます。

出迎えは、伏拝岳(2130m)です。

晴れていれば

鳥海山山頂である新山が拝めるはずですが

ガスで眺望はありません。

薊坂は

道が狭くて休む場所がなく

ようやく一息ついて小休止です。

カメラの温度計は17.1℃

風が強くなり寒いので

ウィンドブレーカーを重ね着しました。

つづく