福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

歩行不能者が治った例

2024-07-18 | 法話

四国22番平等寺にある奉納版

・「日本随筆紀行,神仏に祈る」には「遍路の霊験」として22番白水寺(平等寺)にあった奉納版を書き写しています。

「・・私は去る大正十二年以来病気の為歩行不能となり、名医名灸はもうすまでもなくあらゆる手段を用いましたが何の効もなく、・・・ある夜四国遍路の夢を見ましたのでこの上はお大師様におすがりせんと本年四月上旬、妻ウメノ(四十九)にいざリ車を曳かし、子供と三人、一番を札始めに順次参拝、平癒を祈願しつつ六月七日ようやく御当山に参詣いたしました。・・一心にご本尊薬師如来と御大師様とを念じておりますと、ここにきまして丁度三日目の早朝、門前に網代笠を被られたお坊様が下りてこられ、私を見て、『あなたは足が不自由ですか、一心に信心なさればご利益は戴けますから信心なさい、これはお賽銭です』と十銭下され、五、六歩行ってから立ち返りまた十銭くださいました。あまりの慈悲に目うるみ、ありがとうございましたと合掌したときはお坊様の姿は消えておりました。あまりの不思議さに一生懸命祈願しておりますと、突然いざリ車が震動し車の外に振り落とされそうにはりましたので驚き、車の手木につかまりますと、不思議にも知らぬ間に足が立っておりました。この奇跡、再三車にすがり立って見ますと、足は完全に立ちました。余りの有難さに、無意識に『南無大師遍照金剛』と叫びました。自分に返ったときには、六年間苦しんだいざりは全快し、・・ただひたすら感涙に咽びました。ご利益の御標としていざリ車を御本尊様御宝前に奉納する次第であります。徳島県板野郡北畠村字江尻 高畑伊四郎(四十四歳)」

・もう一つ奉納板の紹介があります。
「いざりとなり父と四国遍路の途にのぼり、大正十二年十月下旬当院に着き、日夜当院主の加持をうけて一心に御本尊様に平癒を祈願していたところ、足のいたみは薄紙をはぐ如く薄らぎついに杖にて歩行することができるようになり父と共に有難涙にくれました。お礼を御本尊様に申し喜びの余り車を奉納いたします。大正十二年十二月十七日筒井林之助(三十三歳)」


・また別の奉納板には「いざりになり妻と伯父の曳くいざりぐるまでこの寺に着いたとき歩けるようになったので車を奉納した」とあったとあります。

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