○ワグナー さまよえるオランダ人 フリッチャイ/ベルリン市立歌劇場管弦楽団他 1952年4月26日(ライヴ)
ベルリン市立歌劇場での「オランダ人」の新演出上演の初日のライヴです。
youtubeに投稿されています。今まで、未公開の録音で、大変貴重なものです。
RIAS交響楽団とのスタジオ録音が、極めて早いデンポで、曲の隅々までフリッチャイの鋭い眼光が行きとどき、ピリピリした緊張感を感じる演奏でしたが、こちらのライヴでは、テンポは、もちろんこれでも早い部類なのだろうと思いますが、スタジオ録音よりゆったり目で、自由で伸び伸びした感じを受けます。
特に1幕の最初のところ、舵取りのアリアは、キリリとして、しかし表情豊かな声でテンポも動かしながら、伸び伸びと歌っているようで、とても好ましく感じます。
録音は、ほめられたものではなく、雑音はもとより、2幕と3幕の間が一部欠けて(もしくはカットしたのかも知れませんが)いるほか、3幕のオランダ船の船員の歌が途中13秒程度無音になっています。ただ、もしかしたら、無音部分をカットして前後をつなげると、曲がつながるような気がします。
フリッチャイは、この年の6月、ヘルリン市立オペラの音楽監督を辞任しています。