○バルトーク ピアノ協奏曲第2番 アンダ(Pf)、フリッチャイ/ベルリン放送交響楽団 1959年9月10、15、16日
○バルトーク ピアノ協奏曲第3番 アンダ(Pf)、フリッチャイ/ベルリン放送交響楽団 1959年9月7~9日
これも、フリッチャイの代表的名盤。私がフリッチャイを聴き始めた頃は、ほとんど廉価盤になっていましたが、この録音だけはレギュラー盤で残っていました。
2番はちょっと荒々しく、スケールの大きい演奏です。対して3番は、繊細でしなやかな演奏です。特に第2楽章の中間部は、木管、ヴァイオリン、ピアノ、木琴そしてトランペットの掛け合いが素晴らしく、まるで鳥のさえずり、木々草花の息吹が感じられるような演奏です。また、全体にわたり低弦のしなやかさ、柔軟さには目を瞠るものがあります。
この録音は、1958年の暮れから2度にわたる手術と長い療養を経た後、復帰して最初の一連の録音になります。まず、9月4、5日にベートーヴェンの第1交響曲を放送用に録音し、その後、この2曲が録音されました。
アンダは、1952年夏にザルツブルク現代音楽祭で第2協奏曲を演奏したときのことを次のように回想しています。「私はこの曲をいわばシューマンのピアノ協奏曲に対すると同じような愛情をもって演奏し、フリッチャイはこの曲のオーケストラ・パートを決して単なる伴奏ではなく、ブラームスの交響曲と同じような重要さをもつものとして指揮したのである。」
この時のライブ録音もAuditeによりCD化されています。