○モーツァルト 交響曲第38番「プラハ」 アーノンクール/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 1982年
○モーツァルト 交響曲第41番「ジュピター」 アーノンクール/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 1983年
41番の出だし、全合奏のあと、テンポを落としてヴァイオリンを演奏しており、フリッチャイと同じ解釈というかさらに徹底しています。全合奏の出だしは弱めに、ヴァイオリンは音を伸ばして優しくしており、その後に続く重厚な合奏と良い対比になっています。フリッチャイがウィーン交響楽団と41番を録音したとき、アーノンクールは同オケのチェロ奏者であったことから、その影響があるのではと勝手な想像をしています。
このやり方が非常に好きで、他の普通の演奏では物足りないと感じてしまいます。
あとは、アーノンクールそのもので、アクセントが強く、弦楽器の音の出し方も独特です。終楽章の終わりでは、ティンパニが大きな音で叩きことさら印象を深くします。
38番も同様な演奏です。
アーノンクールはこの時期、モーツァルトの交響曲を多く録音していますが、どれも個性的で、特に40番の3楽章の速すぎるテンポの解釈にはついていけません。
そんな中で、この38番、41番は一般受けする演奏ではと思います。