○モーツァルト 「ドン・ジョバンニ」序曲
○R.シュトラウス メタモルフォーゼン
○ブラームス ピアノ協奏曲第2番
デジェー・ラーンキ(Pf)、デリック・イノウエ/群馬交響楽団
デリックさんの指揮で聴くのは3回目です。いつも思うのですが、指揮振りは、とても大きく躍動的、見ていて気持ちがいいです。それは「ドン・ジョバンニ」での印象でもありました。
メタモルフォーゼンは、第2次世界大戦の末期、ドイツが敗戦する直前に作曲された曲で、23の独奏弦楽器のために書かれています。「失われたドイツ文化への強い哀惜の念を音に託した」と解されているとのことです。
曲に始まって思ったのは、「国破れて山河あり」。廃墟、脱落感そんなイメージでした。曲の後半、独奏ヴァイオリンと独奏ヴィオラが掛け合いする箇所がありましたが、そのメロディがとてももの悲しく、印象的でした。
ブラームスの協奏曲は、ピアノの音がくっきり奏され、時に宝石をちりばめたような輝きを感じました。1楽章の出だし、ピアノソロが終った後のオーケストラの全合奏が、なんか遠くから聴こえるように感じました。
一方、2楽章はピアノ、オケとも力強く、とても素晴らしかったです。
私は、フリッチャイ、アンダの演奏のドイツ的な暗く、濃厚な演奏に浸りきっているため、今日の明るい南欧的(?)な演奏は新鮮でした。
(群馬音楽センター)