○ブルックナー 交響曲第9番 ジュリーニ/ウィーン・フィル 1988年5月
このウィーン・フィルとの演奏を最初に聴いたとき、その凄い素晴らしい演奏に感嘆しました。第1楽章の最初のテーマが雲の中からあらわれる部分は、これまで聴いてきた演奏を遥かに凌駕する大きさ、広がりをもって奏され、一つ上の領域、境地に達した演奏と感じました。続く第2主題も極めてゆったりと、さながら大河のごとく、かつ深い味あいをもって演奏されます。
2楽章は少し早めのテンポですが、3楽章は遅いテンポでじっくりしっとり演奏しています。
ジュリーニがウィーン・フィルと残したブルックナーの交響曲(7、8、9)の中で、一番素晴らしい演奏と思います。