私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

私の好きなオぺラ ~(2) プッチーニ「トスカ」

2008-12-02 18:31:32 | オペラ
 私の好きなオペラ第2回目はジャコモ・プッチーニ(Giacomo Puccini/1858~1924)の三大傑作のひとつ「トスカ」(1899)である。一般に三大傑作とは他に「ラ・ボエーム」(1895),「蝶々夫人」(1904)をさす。原作はフランスの劇作家ヴィクトリアン・サルドゥー(Victorien Sardou)の戯曲「La Tosca」による。またその舞台となった場所ーたとえば聖アンドレア・デッラ・ヴァッレ教会や第2幕のファルネーゼ宮殿、終幕の幕切れでトスカが身投げをするサンタンジェロ城(聖天使城)など実際にローマに存在し一部は観光名所にもなっている。聴かせどころが多く聴くものを最後まで飽きさせないオペラでもある。
 私の一番愛聴盤はカラヤン/ウィーン・フィル(1962年録音)CDリマスター盤(Decca466 384-2)である。タイトル・ロール、トスカに米国の美声のプリマドンナーレオティン・プライス、画家マリオ・カヴァラドッシに最高のテノールージュゼッペ・ディ・ステファノ、スカルピア男爵役にまさにピッタリの名バリトンージュゼッペ・タディを起用した名盤である。その上、名プロデューサージョン・カルショウによる伝説のデッカ・サウンドが聴ける。カラヤンも当時54歳でまさに絶頂の域にあったいってよいだろう。尚、カラヤンは1979年にベルリン・フィル、リッチャルディ(トスカ)、カレーラス(カヴァラドッシ)、ライモンディ(スカルピア)他で再録音(DG)している。もちろんこちらも捨てがたい名盤であることはまちがいないのだが。

ロシアの厳冬に思いを寄せたチャイコフスキー「冬の日の幻想」

2008-12-02 15:34:10 | 交響曲
 今日はチャイコフスキーの交響曲デビュー作第1番ト短調「冬の日の幻想」作品13について書いてみたい。この作品は彼が26歳(1866年)の若き日、ロシア大地の厳冬に思いを寄せ作曲した。副題の「冬の日の幻想」は彼自身がつけた唯一の標題交響曲である。(第2番「小ロシア(ウクライナ)」第3番「ポーランド」は第三者によって、第6番「悲愴」は弟モデストと相談の上つけられた。)曲は第1楽章Allegro tranquilloヴァイオリンのトレモロがロシア大地の厳冬をただよわせるところから始まる。第2楽章Adagio cantabile ma non tanto~<陰気な土地、霧の土地>と注釈が付されているー私が最も好きな楽章でもある。ロシア民謡的なメランコリックな旋律がオーボエ・ソロで奏でられる。第3楽章Scherzo:Allegro scherzando giocoso 主題はピアノ・ソナタ嬰ハ短調(1865)をハ短調に移調し使われている。トリオの部分はヴァオリンとチェロでワルツ風になっている。第4楽章Finalé:Andante lugubre -Allegro maestoso 導入部のlugubre(悲痛な)はロシア・カザフ地方の民謡が用いられている。コーダは少しひつこいくらいにクライマックス築き上げながら高らかに終わる。
 さて私の愛聴盤は次の3枚である。
 1.マイケル・ティルソン・トーマス指揮 ボストン交響楽団(DG463 615-2)
 2.ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチ指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(EMI)
 3.ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(DG)
どれもおすすめの名演である。