この時期もう一つ私がよくかけるレコードがある。それはカラヤン/ベルリン・フィルのベートーヴェン「荘厳ミサ曲ーMissa Solemnis」作品123である。(旧盤-日本グラモフォン/SLGM1370~71/写真)このLP2枚組は私が高校時代1967年に購入したもので当時、豪華布張りBOX入りであった。カラヤンはこの作品を当盤を含め5回レコーデイングしているが私はこのベルリン・フィルとの1回目のものを大変気に入っている。第一に独唱陣はソプラノーグンドゥラ・ヤノヴィッツ、メゾソプラノークリスタ・ルートヴィヒ、テノールーフリッツ・ヴンダーリッヒ、バリトンーヴァルター・ベリーの粒ぞろいに加えてカラヤンとは切っても切れないウィーン楽友協会合唱団との組み合わせである。ただ残念なことにこの録音セッション終了後の7ヶ月後にヴンダーリヒは若くしてこの世を去っている。いわばこの録音が彼の「白鳥の歌」にもなった。カラヤン58歳のまさに脂の乗り切った時期の録音であり彼の感性がダイレクトににじみでた演奏でもある。難しい理屈はぬきにして冬の夜長にじっくりと味わいたいミサ曲である。
今日からもう師走、師走といえばクラシック・コンサート界ではベートーヴェンの第9の季節である。今年も各地で数多くの第9コンサートが開催されるであろう。現在第9のCDや映像が世界で今どれくらいの数が出回っているのだろうか?皆目見当もつかないがおそらく少なくとも100種類以上にはなるのではないだろうか。私のコレクションだけでも50種類以上にのぼる。ではその中でベスト・ワンはどれかと問われると頭をかかえてしまう。先頃、巨匠フルトヴェングラーの1951年バイロイト音楽祭での第9の録音に別テイクが発見され話題を呼んだがこの演奏会自体私の手元のプログラム(復刻版)を見る限り7月29日1回のみの演奏会なのでゲネラル=プローベ(General=probe)の録音かもしれない。その話はさておいて、この神がかり的フルトヴェングラーの演奏は別格としたらどれを選択したらよいのだろうか?カラヤン/ベルリン・フィルの流線型で格好のいい演奏も悪くないが中でも一番オーソドックスで上品な演奏を選んでみた。それはハンス・シュミット=イッセルシュッテト(Hans Schumidt-Isserstedt/1900~1973)指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏(1965年録音)を選ぶことにした。彼はウィーン・フィルと初のステレオ録音でベートーヴェン交響曲全集を完成させた指揮者でもあった。今聴いても音楽の流れにくせがなく自然体なのが非常にさわやかだ。
独唱者のハーモニー、バックのウィーン国立歌劇場合唱団も美しく響く。
未聴の方はぜひ一度ご一聴あれ!
余談であるが、私は1970年のベートーヴェン生誕200年記念演奏会で2回目の来日をした彼の第9演奏会(管弦楽は読売日本交響楽団)を会場日本武道館で聴いている。(1970/12/16)会場が日本武道館とは恐れいったがこの企画コンサートのフィナーレを飾った。
独唱者のハーモニー、バックのウィーン国立歌劇場合唱団も美しく響く。
未聴の方はぜひ一度ご一聴あれ!
余談であるが、私は1970年のベートーヴェン生誕200年記念演奏会で2回目の来日をした彼の第9演奏会(管弦楽は読売日本交響楽団)を会場日本武道館で聴いている。(1970/12/16)会場が日本武道館とは恐れいったがこの企画コンサートのフィナーレを飾った。