私のレコード・ライブラリーから

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フリッツ・ライナー/シカゴ響の「シェラザード」

2008-12-16 21:15:26 | 管弦楽曲
 今日は「伝説の名盤」の2回目としてシカゴ交響楽団の「黄金期」を築き上げたハンガリーの名指揮者フリッツ・ライナー(Fritz Reiner/1888~1963)のリムスキー=コルサコフ(Rimsky-Korsakov/1844~1908)の傑作、交響組曲「シェラザード」作品35を紹介したい。この作品は「千一夜物語ーアラビアン・ナイト」の絵巻物の世界を音楽に仕立てあげたものである。曲は4つの楽章それぞれ順に「海とシンドバッドの船」、「カランダール王子の物語」、「若い王子と王女」、「バグダッドの祭りー海、船は青銅の騎士の立つ岩で難破、終曲」とタイトルが付されているが「千一夜物語」のどの話をさすのかは定かではない。作曲年代は偶然にも指揮者ライナーが生まれた年1888年である。ヴァイオリン・ソロの「シェラザード」のモティーフが美しくこのレコードでは当時のコンサート・マスター=シドニー・ハースのソロが光る。1960年2月シカゴ・オーケストラ・ホールの録音だがRVCのリマスター技術で時代を感じさせないすばらしいサウンドで甦る。特に後半の第3楽章・4楽章は絶品である。この作品のエキゾチックでオリエンタル的雰囲気をライナーの巧みな棒さばきで描きだした名演である。