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GPIFがハイリスク運用しても、年金給付額は目減りしてゆく - 厚労省は移民も皮算用に入れて数字操作

2024-07-11 | いとすぎから見るこの社会-格差の拡大
菅義偉が週刊ダイヤモンドでの連載で見苦しい自画自賛を行い、
GPIF改革もまるで大成功のように取り上げていたが
とんでもない間違いであり、かつ日本国民を
朝三暮四の猿扱いする発言に他ならない。

GPIFは公的年金としては明らかなハイリスク運用であり
市況が堅調であればリターンが大きいのは当然だ。
ただ池の中のクジラ同然だからパフォーマンスは低下するし
リーマンショック並みのリセッションが起きたら史上最大の打撃は必至でもある。

何より問題なのはそういった運用に問題を矮小化したことで、
厚労省の年金財政検証では相変わらず楽観的な見通して数字を操作しても
年金給付が目減してゆく可能性がかなり高い
ことが示されている。
GPIFのハイリスク運用は、「棺桶型」になりゆく人口動態の劣化を放置し
小手先での誤摩化しに追い込まれた窮余の一策でしかない
のだ。
拠出した保険料に見合わない過大な公費給付を漫然と続け
現役世代貧困化と少子化をも深刻化させているのも相変わらずである。

▽ 少子高齢化を深刻にする自民の高齢者バラ撒きで、経済成長率も生産性もともに低迷した

『8000万人社会の衝撃 地方消滅から日本消滅へ』(加藤久和,祥伝社)


「安倍政権ほか歴代自民党政権の高齢層バラ撒きが日本を衰退させている」と
当ウェブログが前々から警告してきた通り、シルバー民主主義は深刻化するばかり。。

「安倍政権も反貧困派(若しくは無責任なリベラル)も自己欺瞞ばかり得意で、
 貧困対策を真面目に行う気がなく、問題を却って深刻化させている始末だ」

「日本国民は、就労に復帰できる層への効率的な支援には同意しても、
 手が焼ける層への給付には強烈に反発するだろう」

「そうした面倒な状況がある上に、経済リテラシーのない反貧困派が
 北欧のような峻厳さのないバラ撒きを要求するから益々事態が悪化するのである」

「「他人に金を払わせようとする」反貧困派は、自分達が正しいと信じているなら
 まず自らがカネを出して住居を工面して貧困層を支援してから言うべきである。
 (そうすれば問題は容易に解決しないという現実がやっと見えてくる)
 そして、欧州諸国並みの重税を自分が払ってから言うべきである。
 北欧がなぜ日本より法人税が軽く、間接税が重いのか。彼らはそれすら全く理解していない」

「日本において「年金が足りない」という人々の話を聞いてみると、
 殆どが「これまで払い込んできた保険料が少ない」というだけのことが多く、
 メディアは彼らの言い分を垂れ流しにしてはならない。
 それは騙されやすい自らの能力不足を証明しているに過ぎない。
 (重病や介護でより深刻な状況にある人々は他に大勢いるのだから)」

「現下の年金制度の劣化には、冷厳な事実を伝えない主要メディアの拝金主義にも責任がある。
 利己的で次世代に借金の山を残そうとする国民の鼻息を窺い媚びた報道ばかりしているからだ」

「その証拠に、50年間にも渡って年金を詐取していた岐阜県での犯罪については
 碌に報じられていないし注目もされていない。(総額は5000万円以上に達する結構な額である)」

「つまり、「貰える年金が少ない」と主張するのに役立つ事件を選んで騒ぎ立て、
 自己の利益を増大させようとしているとしか考えられない行動である」

「社会保障を維持して高齢層の生活を支えたいなら、
 公的年金控除と退職金控除を大幅カットし、
 高齢者雇用を生み出す企業や非営利セクターに移転すべきである。
 就業していないと健康状態が悪化するのは既に調査で確認されている」

「名古屋大学が日米中印の四ヵ国で意識調査を行った結果、
 日本の高齢層の特徴としては「金融資産」「年金の多さ」によって
 不安が減少することが判明したと言う」

「因に、「家族」が不安を和らげていない点では日米中印すべて同じであるが、
 金融資産と年金に関する特徴的な傾向は日本だけに顕著だったようだ」

「これは「拝金主義」としか言いようがないだろう。
 日本人は遺伝的な要因で不安が強いことが知られているが、
 その不安がカネで左右されているのだから他に考えようがない」

「有権者の中で最も数の多い年金受給者層が
 金銭給付を受けないと不安であるからこそ、
 自分が負担してもいない過剰な年金給付を求めるのである」

「だからこそ1000兆円近い過剰貯蓄(死に金)が日本に存在するのであり、
 だからこそ貧困に苦しむ若年層や子供の苦しみを無視できるのである」

「日本の高齢層は、個々人によって金融資産の額に大きな格差があることが知られている。
 不安が大きいから「将来に備えて貯蓄を過剰なまでに積み上げ」るのではない。
 利己的で他人の苦しみに同情せず、平等を嫌っているから資産格差が生じるのだ」

「我が国の醜悪な社会保障の歪みの根源には、
 数の多い高齢有権者にバラ撒きを行う政治家の買票行為と、
 利己的な有権者の貪欲な近視眼と、程度の低いメディアの煽動が
 がっちりと「モラルハザードのトライアングル」を形成しているという現実がある。
 このままでは、「コラテラル・ダメージ」を逃れることは絶対にできない」

「日本より遥かに財政が健全な北欧は年金給付にも課税するし、
 退職金は殆ど貰えない。介護サービスは日本より簡素だ。
 日本と違って当人が負担もしてない給付は行われないのである」

「無責任な本が何十万部も売れている能天気な日本は、
 ソ連崩壊時のような経済危機・財政危機を必ず迎えることになる」

「無知は時によって重大な過ちに結びつくことがある。
 我が国は国債を発行してまで高齢者三経費に年に約30兆円の巨額公費を投入している。
 借金して豊かな高齢層にもバラ撒いている訳である」

「「下流老人」は、同世代の我利我利亡者に憤懣をぶつけるべきであり、
 現役世代にコストを転嫁するのではなく、世代内扶助を求めるべきなのである」

「事実、総務省調査によれば、リーマンショック後の経済低迷期に
 高齢層の預貯金は増えているのに現役世代の預貯金は逆に減っている」

「我が国の国債発行残高が一貫して伸び続けている一方で、
 日本の高齢層の家計金融資産も殖え続けていることから、
 我が国の社会保障の本質は「政府と未来世代から現在の高齢層への所得移転」であるのは明白だ」

「また頭の古い自民党議員から問題発言が飛び出した。
 案の定、2012年に大量発生した「敵失」によって当選したタナボタ議員だ」

「最も問題なのは、義務教育を「しっかりやれば貧困はありえないと言いたい」などと
 とんでもない勘違い発言を平気で行っていることである」

「歴代の自民党政権の失政のために我が国の成長率が低迷の一途を辿り、
 貧困率が刻々と上昇しているという明白な現実を全く認識していないのは、
 国会議員として厳しい懲罰に値すると言っても過言ではない」

「何故なら、国民の貧困化の原因は第一に自民党の経済政策の失敗にあり、
 第二に再分配効果が乏しいことで知られる歪んだ社会保障制度を作り上げたのも自民党政権だからだ。
 痛切に反省して然るべきであるのに、勉強不足も甚だしい」

「また、高齢層だけに異常に偏った社会保障給付を維持してきたのも自民党だ。
 現役世代に大きな恩恵を及ぼす北欧型の社会保障制度であれば、
 これほど出生率が低迷することはなく、女性就業率も経済成長率ももっと高かった筈だ。
 だから、二重の意味で赤枝議員の罪は重い」

「医師である赤枝議員の問題は更に大きい。
 我が国では、学費が高額であることで有名な私立医大の学生は
 およそ半数が医師の家系であることが判明している」

「つまり赤枝議員の「高校や大学は自分の責任で行くものだ」という発言は根本的に間違っていて、
 「大学は医師家系で子に安定収入を受け継がせる手段と化している」のが正しい」

「赤枝発言の唯一の功績としては、自民党には頭の古い議員が確実にいて、
 現代日本の抱える問題への取り組みを怠り、既得権を擁護している事実を明らかにしたことだ」

「貧しい若者から搾取したカネを豊かな高齢層にバラ撒いているため、
 頑張って働く者から働かない者(高齢者、専業主婦)にバラ撒いているため、
 日本の歪んだ社会保障制度それ自体が低成長・消費減減退・少子化の元凶となっているのだ」

「事実、日本経済新聞は直近2年間の賃上げの半分が社会保険料に食われてしまっており、
 大企業の健康保険料は9年間で5万円も上昇していると報じている」

「ただでさえ安倍政権の愚劣な政策のために実質賃金が下落しているのだから、
 高齢層と安倍政権が二重に日本の現役世代を貧しくしているという図式である」

「湯浅誠氏がyahooに寄稿した記事が話題になっているが、
 残念なことに完全に間違った内容である。
 計算すれば小学生でも分かる程度の話なのだ」

「4億円程度の寄付で日本の子供の貧困が緩和される訳がない。
 対象層の子供全員に4億円を配ったらコンビニのお握り1個分程度であり、
 子供の貧困率に与える効果はほぼゼロに近いのである」

「勿論、河野氏の志は素晴らしいもので、
 少子化に対する危機感にも心から賛同する。
 しかし、幾ら志があっても数量的に足りな過ぎる」

「4億円程度の額ではせいぜい、「焼け石に水」でしかないのだ。
 最低でも4億円の2000倍以上、つまり1兆円は必要である」

「寄付を募って何とかできるとの空疎な幻想にすがってはいけない。
 今すぐ、富裕高齢層への巨額給付を徹底的に削減し、
 貧弱過ぎる育児支援を一気に増やさなければならない」

「高所得層ほど恩恵を得ている配偶者控除をなくし、
 育児世帯への現物給付と低賃金労働者への給付付き税額控除に予算移転しなければならない。
 愚図愚図と無駄に時を過ごしていると、それだけ日本経済に及ぶ害が拡大する」

「また、河野氏が考えているように寄付では問題は解決しない。
 日本の貧困問題はそもそも家庭の抱える深刻な問題に由来することが多く、
 現金給付ではなく現物給付と非営利組織のサポートがなければ普通の生活も送れないのだ」

「戦前生まれの日本の高齢層は足るを知り、人々から尊敬されていた。
 しかし、戦後生まれの世代から質が明らかに変わっている」

「長く苦しい人生を越えて生じた円熟や何とも言えない優しさではなく、
 かつての学生運動や安保闘争のような非理性的な強い自己主張が目立ってきた。
 クレーマーが増えているというのもひしひしと感じる」

「小説家・佐藤愛子によれば、日本人は変わってしまったのだそうだ。
 高度経済成長期には勤勉だったのに、今はすっかり怠惰になってしまい
 損をしたくないとか楽に儲けたいとの意識が強まったのではないかと言う」

「無論、バブル世代やゆとり世代と同様、曖昧な「傾向」でしかないだろうし、
 同一世代の中でも大きな差違があるのは周知の通りだ」

「しかし、社会保障給付において負担以上の給付を求めている実態、
 若年層の貧困化や累増する一方の将来世代へ負わせる借金の山を見ず、
 目の前の損得にばかり拘る現状を見ると大きな疑問が湧いてくる」

「言わば「無意識の強欲」は下の世代にも「伝染」している。
 先が不安なら働いて少しでも所得を上げ、資産形成にも励むのが当然である。
 「いくらあっても足りない」という強欲な層がこれだけ多いのでは、
 日本社会の未来は暗いと言わざるを得ない」

「自民党は本気で「教育国債」を実施しようと考えているようだ。
 勿論、ひたすら選挙に勝つための党利党略に過ぎず、
 社会的利益や公正を考えて打ち出す政策でないのは言う迄もない」

「学費負担の引き下げは公共事業バラ撒きと酷似しており、
 経済的効果が著しく劣悪であるのは当然であるが、
 (学費の安いフランスやドイツの低成長を見るがいい)
 高水準の高齢層バラ撒きを維持しているのだから始末が悪い」

「高等教育にカネをバラ撒けば日本社会の抱える問題が改善すると考えるのは思考停止の証拠であり、
 我が国は高学歴女性の就業率が先進国の中で最低レヴェルであることは周知の事実である。
 また、私立大学の過半数は既に投資対効果で言えばマイナスに転落している筈だ」

「調査で如実に分かるように、問題は大学進学以前にある。
 貧困層は所謂インセンティブ・ディバイド(意欲格差)が根強く、
 大学の学費を安くしたところで「砂に水を撒く」でしかないことは明白である」

「二世政治家だらけの自民党は、こうした庶民や貧困層の実情が分かっていない。
 子が大学に進学する層はそもそも相対的に見れば高所得なのだ。
 また、低所得層は経済的な問題よりも学業的理由の方が遥かに大きい。
 教育国債のバラ撒きが根本的に間違っているのは明白である」

「本気で経済効果を最大限にし雇用を増やそうとするなら、
 大学教育ではなく保育や学童に予算を投入する筈である。
 その程度のことも分からないような次元の低い政党がのさばっているから
 日本経済が停滞し、世襲格差が固定化される状況に陥るのだ」

「安倍首相が改憲を求めるビデオメッセージの中で
 「教育無償化」を挙げたのはつとに報じられた通りだが、
 自民党は数年前に、民主党政権の教育無償化策に対し
 「理念なき選挙目当てのバラマキ」と痛烈に批判していたのだ」

「つまり安倍メッセージが「理念なき選挙目当てのバラマキ」であることを、
 自民党自身が自らの言葉で立証していた、というわけである」

「こういう体たらくだからこそ、同じ人口減少国なのに、
 大した金融緩和を行っていないドイツに成長率でも賃金増加率でも惨敗するのだ」

「また、安倍政権も自民党も高等教育の経済効果を全く理解していない。
 ノルウェーのように、大学進学率を上げればリターンは低下する」

「既に、日本ではFランク大学での貸与奨学金のデフォルト率が高いことから、
 無償化は能力向上や経済成長よりもモラルハザードに直結することは明白だ」

「貸与奨学金が返せないのは、大学を卒業しても低所得だからである。
 経済効果が疑われる大学に巨額の公費を投入するのは愚行であるばかりか、
 自民党の票田である大学経営層へのバラ撒きでもある」

「総務省の発表した数値に、大きな衝撃が走っている。
 世帯貯蓄が過去最高になったにも関わらず、
 現役世代の貯蓄は減少し、寧ろ負債が増えていたのだ」

「つまり、消費性向が低く消費を増やさない富裕高齢層ばかりを豊かにする政策を行うから、
 肝心の現役世代が貧しくなり消費も増える筈がなく、日本経済が低迷するしかないのである」

「貯蓄が減少しただけでなく、負債が増加しているのだから、
 「貧困化」と表現する以外にはあり得ないではないか!」

「勿論、このシルバーデモクラシーの醜悪な発露は安倍政権だけの罪ではない。
 歴代自民党政権が選挙に勝つための党利党略で高齢層にバラ撒いたのが元凶だ」

「はっきり言っておこう。富裕高齢層への余計な公費投入をばっさりカットし、
 その全てを現役世代の育児・雇用支援予算に投入すれば成長率は今の倍にはなる」

「スウェーデンの成長率が安倍政権下の日本を遥かに上回る事実からも
 容易に推定できることであり、何ら難しい話ではない。
 (骨の髄までバラ撒き体質の安倍政権には不可能、というだけのことである)」

「諸悪の根源はデフレマインドなどではなく、
 消費性向の低い高齢層に公費を湯水のように注ぐアベノミクスなのである。
 歴代自民党政権が選挙で勝つためにカネを高齢層にバラ撒いたから日本経済が低迷するのだ。
 (だから高齢化が進んだ今では成長率が2%にすら届かず10年前を下回る)」

「その証拠に、預金残高が過去最高になったと報じられている。
 我が国の家計金融資産は高齢層によって占有されているから、
 安倍政権等の歴代自民党政権がせっせと高齢者にバラ撒いたカネは退蔵され、
 賃金増にも消費増にも大した効果をもたらさなかったというのが「明白な事実」なのだ」

「安倍政権は、一部の豊かな高齢層を更に豊かにさせ、
 現役世代を貧困化させているのだから実質賃金も消費も伸びないのは当たり前である。
 だからこそ重税のスウェーデンに成長率でも1人当たりGDPでも労働生産性でも大敗しているのだ」

「我が国の、高齢者向けが異常に多い社会保障制度は、
 積み立てた額より4割ほど多い額を受け取れる「バラ撒き型」である。
 適正な負担をしていたら間違いなく高齢層の資産は減っていたであろう」

「所謂「高齢者三経費」で社会保障の8割が占められていることが分かる。
 しかも、社会保障費給付費の4割ほどが税もしくは公債(政府の借金)だから、
 今の高齢層は30兆円以上の巨額を現役世代や未来世代から「仕送り」されているのだ」

「勿論、高齢者の過半数は「社会的弱者」である。
 しかし同時に、少なからぬ層が現役世代を大きく超える金融資産を持っており、
 そうした資産家層にも安倍政権をはじめとする歴代自民党政権がバラ撒きを続けてきた」

「戦後生まれの高齢層は、戦前生まれの日本人と決定的に違っている。
 寿命が伸びた分、上の世代よりも多額の社会保障給付を受け取るようになっただけでなく、
 金融資産が明らかに上の世代よりも多くなっているのだ」

「つまり既にして多くが「弱者」ではなく「豊かな高齢層」であり、
 就業が健康を維持するのに効果的だと研究で明らかになっているのだから、
 しっかり就業し、健康で長生きして頂くのが孝行というものであろう」

「より貧しい現役世代から「搾取」させるような恥ずべき社会保障制度の下で、
 不名誉な人生を送らせるようなことは絶対に許されないことであろう」

「矢張り恐れていた通りの事態となった。
 余りにも重い高齢者医療の負担に耐えられず、次々と健康保険組合が「白旗」を上げている」

「「児孫に美田を買わず」どころか、「児孫からカツアゲして借金の山を残す」のだから、
 今まさに日本の伝統に反すると言っても過言ではない愚行が行われているのである」

「これは安倍を初めとした歴代自民党政権が選挙に勝つために
 無責任な高齢層バラ撒きを続けてきたからである」

「高齢化によって医療予算が増えるのは分かり切ったことである。
 それに備え全力で女性と高齢層の就業を増やし、出生率を引き上げなければならなかった。
 先見の明に欠け当事者能力の低い歴代自民党政権の責任は余りにも大きい」

「自民党議員の資産やOBの年金に課税し、救済資金とすべきであろう。
 公僕の癖に社会保障を劣化させ自分だけのうのうと公費を受け取るなど許されない」

「今の高齢者が現役だった時代を含めると、保険料率は急上昇している。
 (勿論、所得は殆ど上がっていないのにも関わらず)」

「理由は単純で、「今迄、大して積み立てていない高齢者にたっぷり給付しているから」で、
 年金も高齢者医療も全く同じ「必敗」の図式である。破綻しない訳がない」

「そうした深刻な事態に対し、自民党も財務省も目先を誤摩化す糊塗策ばかり、
 財務省は都道府県別に診療報酬を変えようと提案し(←バラ撒きを維持することになる)、
 自民党は現役並みの「三割負担」ではなく「二割負担」という(←同じくバラ撒き死守)
 典型的な「too late , too little」の情けない案しか出せていない」

「国益を毀損し、未来世代へのツケ回しを行う犯罪性がどうして理解できないのか。
 現役世代が三割負担なのだから、所得や資産の多い高齢層は三割負担にすべきである」

「「応益負担」ばかりか「応能負担」の原則にも反するとんでもない連中だ。
 自分の議席しか眼中になく、「恥を知れ!」と言われなければ理解すらできないのか」

「財務省がクレバーで真に日本の将来を憂えているなら、医療費の低い都道府県を基準とし、
 医療の非効率な都道府県(特に病床数や生活習慣病の多い地域)に改革を迫ったであろう。
 また、診療科や地域ごとにも診療報酬を調整し、医師配置の適正化を図ったであろう」

「柴田悠・同志社大学准教授の詳細な計量分析で、
 所謂「高齢者三経費」への公費投入が経済にマイナスの影響を与える事実が分かった」

「経済効果最大なのは育児関連への現物給付であるとも立証されたので、
 単純に言えばマイナス効果最大の年金給付の公費分を保育等の現物給付に回せば、
 それだけで日本経済は活性化し所得も増えることが判明している。
 しかも出生率は改善、貧困率も低下するのだから一石三鳥以上の効果だ」

「「介護費は効率化できる」などと御用メディアが国民を欺き、
 いかにも政府がしっかり対策を取っているかのような
 幻想をバラ撒いているが、決して騙されてはならない」

「歴代自民党政権は実質的に問題を先送りしており、
 安倍政権下で実質賃金が低下しているにも関わらず、
 刻々と社会保険料負担が重くなっている暗い現実は誤摩化しようがない」

「政府の公表した2040年の社会保障財政の見通しは
 楽観的(能天気?)なB層有権者に頭から冷や水を浴びせるもので、
 総給付額が190兆円という恐怖の数字だった」

「社会保障制度をよく知っている者なら、
 公費負担分だけで少なくとも80兆円を超えるとすぐ気付く筈だ」

「勿論これは「少なくとも」だから、人口動態の老化の止まらない現在、
 2020年代にはマイナス成長が恒常化すると予想されているから、
 社会保障関係費(公費分)だけで100兆円に迫る可能性も充分ある」

「今の1%程度の低成長が続くと仮定すると、高齢者三経費への公費分だけで
 全税収が食い潰される可能性がかなりあると考えなければならない」

「「後は野となれ山となれ」のB層有権者の利己主義も「共犯」である。
 当ウェブログは戦前・戦中世代と団塊世代は決定的に質が変わったのではと考えているが、
 こうした衆愚週刊誌の記事を見ても矢張りその無責任と利己主義がよく分かる。
 バブル経済を生み出し、その後処理をずるずる先延ばしして被害を大きくしたのがこの世代だ」

「戦前・戦中の世代は辛苦を重ね、栄養失調で亡くなった者も少なくなかった。
 平均寿命においても戦後世代の方が恵まれているのは明白であるのに、
 下の世代や未来世代に借金ばかり残して被害者ヅラをするのは許されない」

「当ウェブログは前々から、戦後に育った高齢層の「変質」を感じ取り、
 戦前生まれの高齢層と決定的に変わったのではないかと懸念してきたが、
 予想通りと言うか悲しむべきと言うべきか、それを裏付ける記事が複数出てきた」

「転換点は年齢で言えば70代前半辺りである。
 この辺りから、謙虚で我慢強いという日本らしい美徳が薄れ
 自己中心的で言いたい放題、以前であれば考えられないような
 クレーマーや前科者が目立つようになってきた」

「我が儘とさえ見える自己主張の強さは、世代の数的優位と相俟って相乗効果を発揮し
 自民党政権のバラ撒き癖を強化することで社会保障制度の歪みを生み出したのである」

「例えば、当時としては極めて恵まれた医師家系に生まれ、
 生産年齢人口が急増した高成長期に大儲けした高須院長は
 「老人を敬え」「若者から奪ったことはない」等、脳機能の劣化を疑わせる迷言を発した。
 (高須は公的医療保険や高齢者医療の財源が何か全く分かっていないのだ!)」

「高須は勿論、例外的存在ではなく変質した高齢世代の象徴的存在である。
 何故なら、シニア層を対象とした調査では若者への最も多い期待が
 「年金など社会保障制度の解決」となっているからである。
 高須のように「働け若者」(=巨額の高齢者三経費を支えろ)と考えているのだ」

「日本は完全に「老人天国」で、毎年およそ30兆円の公費を高齢者のためにバラ撒いている。
 資産家にもバラ撒いているのだから始末が悪く、ただの「買票」でしかない」

「私立医大卒の高須は日本の社会保障制度がいかに異常か分かっていないし、
 父親は早世したとはいえ、親が医師という環境がいかに恵まれていたかも自覚せず、
 「必ずリッチに」などと庶民の実態(ジニ係数は悪化している)を無視した大嘘を吐くだけでなく
 日本を立ち直らせたのが「我々」などと、日本の美徳に反するとんもでない自画自賛を行っている」

「安倍はこれまで、物価目標でも女性活躍でも少子化対策でも
 悉く数値目標達成に失敗した「無能」な政治家である上に誤摩化しだらけで、
 公約もしてない失業率低下を自分の手柄として自慢する、日本人として恥ずべき人間である。
 (しかもこの失業率低下は人口動態要因と世界経済の好調によるもの、安倍の手柄では全くない)」

「まず、歴代自民党政権が続けて膨張させてきた高齢者バラ撒きを依然として止めていない。
 1000兆円を超える膨大な家計金融資産の大部分は高齢層が握っているのだから、
 そのような豊かな高齢層に公費投入など明白な「亡国」政策に他ならない。
 未来世代や日本の将来を真摯に案じる良識ある高齢層は憤懣やる方ない筈だ」

「本当の弱者であれば支援するのが当然である。
 ところが、真の弱者以外にも盛大にバラ撒いて現役世代から搾取し、
 就労抑制をする者も守る歪んだ制度を維持しているからこうなるのだ」

「健保組合は高齢者医療の負担で存亡の危機に追い詰められており、
 せめて高齢者の個人負担を2割にと悲鳴を上げる様な主張を始めた。
 1000兆円を超える金融資産を保有している層だから、当然の話である」

「三菱総研のリサーチャーの調査結果を知って驚愕した。
 日本の社会保障制度が何故このように醜く歪んだか、
 議論の余地のない明確な理由が示されたからだ」

「当ウェブログは以前から、戦後生まれの高齢者は
 何か以前の世代と違うと何度か指摘してきたが、
 三菱総研の調査がその違和感を裏付けるものとなった」

「三菱総研はシニア層向けのマーケティングとして調査したのだが、
 その内容を社会保障制度に当てはめると慄然とする酷薄さが見える。
 戦前・戦中世代と同じ日本人とは到底思えないのだ」

「団塊以降は親世代より利他性が希薄でミーイズム、
 若さに固執するという特徴もあると言う。
 三菱総研は明言していないが、両者ともこの世代に固有な傾向だろう。
 似ている層を強いて挙げるならバブル世代(と今の売り手市場世代)では」

「最も公費を蕩尽しているこの世代が最も資産額の多い世帯だから、
 モラルハザードの権化としか言いようがないではないか!」

「金融庁の「2000万円不足」問題がおかしな方向に「延焼」している。
 2025年には社会保障給付が150兆円に迫ると予想されているから、
 年に公費50兆円近くが高齢者三経費で消える時期が迫っているのに、
 無能な安倍と愚昧な安倍の走狗、バラ撒きリベラルの百鬼夜行が亡国を招いている」

「この問題を誤摩化したい安倍とその取り巻きは金融庁を人身御供とし、
 相変わらず人徳のない「蜥蜴の尻尾切り」に徹している」

「野党やバラ撒きリベラルの図々しい要求は間違っているが、
 安倍を擁護する権力追従の輩も同類(若しくはそれ以下)である」

「正しい政策は、スウェーデンのように年金制度の持続可能性を高めるため
 女性就労を強力に促進して所得・税収・社会保険料収入を増やすこと、
 富裕高齢層への無駄なバラ撒き公費投入(数兆円はある)を全廃すること、
 その予算で女性と高齢者雇用を創出(ぶら下がりの定年延長は凡庸策)することだ」

「「2000万円」問題は愚劣な泥仕合になって、
 かつての所属派閥を裏切って安倍に尻尾を振った三原が
 「恥を知れ」などとまさしく無知厚顔な発言を行って話題になったが
 (後で忠勤を愛でた安倍から良いポストを貰える筈だ)
 勿論のこと最も「恥を知れ」なのが安倍であるのは言う迄もない」

「三原以上に厚顔無恥な安倍発言の要点は以下の通りだ。
「年金を増やす打ち出の小づちは存在しない」
「今後急速に少子高齢化が進み、支え手の現役世代は減っていく」
「政策次第で年金を増やすことは十分可能だ」」

「そもそも「打ち出の小づちは存在しない」と「年金を増やすことは十分可能」は
 矛盾しているので、のっけから安倍の程度の低さが証明されているが、
 全ての主張が安倍の「次元の違う」程度の低さと無知を実証するものである」

「さて、果てしなく程度の低い安倍発言を「修正」すると以下のようになる。
 「年金を増やす打ち出の小づちは存在する」
 「安倍と自民党の大失敗により急速に少子高齢化が進み、支え手も減っている」
 「政策次第で年金を増やすことは十分可能だが、口だけ安倍には期待できない」」

「第一に、「所得を増やせば自動的に年金額は増える」。
 安倍のような無知な者以外には当然の話だが、高齢層と女性の就労を増やせば年金額は増える。
 配偶者控除を全て現物給付か家事育児関連の税控除にするだけでも効果大だ。
 高齢層は定年延長よりも寧ろ起業支援(観光や農業関連が有望)を重視すべきである。
 安倍がのさばってから低迷している対内投資を増やして日本経済を活性化しても年金額は増える」

「第二に、「少子高齢化を放置して対策を怠ってきた安倍と自民党は信賞必罰で歳費を大幅カット」。
 安倍が復帰してから待機児童は急増し出生率は改善が止まって悪化、日本の害悪であるのは明白だ。
 しかもマーサーの持続性ランキングで日本の年金は先進国で最悪レヴェルである。
 「奇跡の村」下條に学んで議員歳費と土建費を大幅カットして育児の現物給付にすべきだ」

「第三に、「選挙でのバラ撒きを優先させた安倍の腐敗政策が年金制度の持続可能性を脅かしている」。
 1000兆円以上を溜め込んでしかもたっぷり公費を受け取っている富裕高齢者が日本には大勢いる。
 その無駄な公費を全額カットして保育士や介護士への給付付税額控除、
 保育ママを介した保育の現物給付に移転すべきである」

「「2000万円問題」で明らかになったのは、自公政権は一貫して嘘つきで
 選挙で有権者を騙し続けて来たという事実である。骨の髄まで嘘つきなのだ。
 だから選挙で叩き潰さない限り絶対に反省しない連中なのだ」

「自民幹部で経産大臣の世耕が福井でとんでもない大嘘を吐いている。
 「日本の年金は世界一」だそうだ。これで大臣が務まるのだから
 日本政治の劣化は深刻で「落ちるところまで落ちた」と言えよう」

「安倍への厳しい直言など全くないイエスマンでないと
 自民の幹部になれないという情けない実態も図らずも露呈したということだ」

「まともな常識や良識のある有権者なら最初から懐疑の目を向けていた、
 「年金を増やした」との安倍発言であるが、矢張りだった」

「毎日新聞やリテラが安倍の詐欺的な手法を明らかにしており、
 「増えた」分にしてもごく僅か(しかも実質ではマイナス)、
 年金運用では民主党政権時の分で上げ底という悪辣な実態が見えてきた」

「政治的理由で参院選後に延期された年金試算が発表され、
 大方の予想通り日本の年金制度が刻々と劣化している事実が示された。
 高成長シナリオですらでも大幅な年金給付の減少が避けられず、
 嘘つきで口だけの安倍が社会保障制度を蝕んでいることは明白だ」

「ロイターは日本の高齢層の就業率が低いことをはっきり指摘し
 (実は、今の高齢層は上の世代よりも就業率が悪化している)
 かつ最重要な女性労働力について政策要因による就業抑制が壁だとしている」

「つまり、先進国としては恥ずべき差別制度である配偶者控除や第三号を維持したままの
 安倍のバラ撒き怠惰政策こそ年金制度劣化の重要な一因であることを明らかにしたのだ」

「また、ロイターは今の高齢層への社会保障給付額が将来世代より「相対的に高め」と
 もう一つの重要な点を明記している。この世代には1000兆円規模の資産を死蔵させている
 相当数の富裕高齢層が含まれるが、そうした豊かな高齢層にも公費をバラ撒くのも安倍自民だ」

「選挙で有権者を騙して問題を先送りし権力を握り続けるため、
 富裕高齢層や就業抑制する女性にバラ撒きを続ける
 安倍の反社会的な政策は一向に変わっていない」

「「人民日報」に似てきている産経はひきこもりが財政悪化要因のように書いているが、
 とんでもない話だ。日本の財政悪化の主因は高齢者三経費への巨額公費投入であり、
 日本では高齢者三経費の3割以上が公費だから、年金に15兆円以上、
 医療に12兆円以上、総計30兆円以上が高齢者向けで生活保護の10倍に迫る。
 高齢者三経費の公費分は「生活保護」と明記すべきだし、
 富裕高齢層に公費をバラ撒く安倍自民は「日本社会の敵」とすら言える」

「口だけ安倍が無為無策で小手策の糊塗策しか行わないから、
 (上の世代より就業率の悪い)団塊世代が後期高齢者になったら
 日本の社会保障が悲惨な状況に陥るのは火を見るよりも明らかである」

「今の恵まれ過ぎている高齢層への給付「適正化」(=削減)が急務で
 日経だけでなく産経も給付削減の必要性を主張しているのに、
 それに同意しない数少ない「抵抗勢力」が年金官僚OBである」

「「公的年金は破綻しない」と当たり前の話を連呼して
 (給付をどんどん削減していけば破綻する訳がないのだから当然だ)
 マクロ経済スライドの擁護に終始し、問題先送りの制度が
 世界で「持続性が最悪水準」とされている事実には沈黙する始末」

「勿論、弱者には給付が必要だが1000兆円を超える金融資産を持つ層が
 「弱者」の訳がない。つまり高齢層の中でも資産額を捕捉して
 余裕の乏しい高齢層には今迄通りの給付と医療負担、
 高成長と減税の恩恵を受けて資産を蓄えた富裕高齢層は公費全額カットが当然だ」

「それこそが社会正義に適った政策であるが、安倍も年金官僚も完全に怠けてきた。
 カナダのクローバックやスウェーデンの自動調整機能は日本より遥かに厳しく、
 漫然と富裕高齢層への公費バラ撒きを続けて制度劣化を放置した安倍と年金官僚の罪は重い」

「官邸には大甘で知られる産経新聞ですら給付削減を強く主張している。
 日本の成長率を悪化させ、高齢者バラ撒きと女性就業抑制制度を温存する安倍の重罪を
 組織の論理で明言できないのが産経の悲しいところだが、
 よく読むと「安倍が対策を怠っている」ことは分かる」

「遂に間接税が10%へ引き上げ、税率自体の当否は別として
 最悪なのは安倍が無責任で野放図なバラ撒きを行いながら、
 しかも高齢者バラ撒きの歪んだ社会保障制度を変えずに税率を引き上げたことだ。
 おまけにポイント還元と軽減税率で高所得層へバラ撒いているから最低である」

「日本総研の西沢和彦氏は、現在の高齢層への年金給付の2割が過剰であるため
 所得代替率が6割を超えており、それを赤字国債や積立の取り崩しで賄っているため
 若年層の所得代替率は4割を下回る可能性があると警告している」

「社会保障給付の中でも最も経済効果に優れるのは保育の現物給付、
 (現金給付や教育無償化はその半分以下の効果しかない)
 最も経済効果において劣るのは老齢年金給付(経済にマイナス)である」

「安倍と厚労省は年30兆円規模の高齢者三経費の莫大なバラ撒きを維持し、
 日本経済に大打撃を与え続け、絞め殺そうとしているのである」

「最も経済合理性に優れる施策は、富裕高齢層(消費性向が極端に低い)への公費を全額カット、
 それを保育ママを含めた現物給付や保育費の税控除に全額投入することだ。
 (それだけで予算額の3倍以上という莫大な経済効果が生まれる)」

「高齢者三経費の内、仮に3兆円を富裕高齢者から保育現物給付に移転すると9兆円以上の経済効果、
 6兆円を移転すれば日本のGDPが18兆円以上も伸びることが計量分析の結果で導かれている。
 何と、これだけで日本経済は2〜4%も嵩上げされるのである。
 (保育の現物給付が多いスウェーデンの高成長はこれだけでほぼ説明できる!)」

「高齢者の医療負担を巡って引き上げを主張する経団連と
 それに反対する日本医師会が激しく対立している」

「ともに自民党の強固な支持基盤であり、自民党としては
 利益誘導政策とのバーター取引で大量票を確保したい相手だから、
 どのような判断を下すのか見ものである」

「残念ながら両者とも自民党と同じく社会保障の持続可能性への関心が著しく少なく、
 重くなる一方の現役世代の負担のことなど大して考えていないことが露骨に見える」

「経済団体は、社会保障を持続可能なものとしたければ
 まず配偶者控除と第3号を全廃し、負の所得税導入を求めるとともに
 ドイツ型の厳しい労働規制の導入を促して女性就労を増やす筈だ」

「健保連が良い情報提供を行っている。
 後期高齢者医療で4割が現役世代からの「仕送り」なのだから、
 高齢者の負担引き上げに反対する者は現役世代へのツケ回しを支持しているのだ」

「安倍政権下で現役世代の所得は伸び悩み、過剰給付を受ける高齢者による「搾取」が増え続けている。
 安倍と自民党の続けてきた高齢者バラ撒きを止めさせ、真の弱者に限定させなければならない」

「後期高齢者の医療負担の1割から2割への引き上げ案が出ているが、
 猛然と反対しているのが日医であり、自民の族議員、そして公明党だ」

「「全世代型社会保障検討会議」を「最大のチャレンジ」と呼んだのが安倍だから、
 これまでの安倍自民の輝かしい自画自賛の「実績」から判断すると
 既にして最大のチャレンジではなく「最大の失望」を招くのは必至だ」

「産経は安倍と麻生による政治決着ではとの観測記事を出している。
 両者の顔を立てて高齢者バラ撒きを温存する妥協策でお茶を濁すしかないのは明白で、
 またしても安倍の口だけ改革で日本の財政は悪化し、利権政治が続くことになろう」

「高齢者医療負担問題の本質は、我が国の家計資産の大部分を握っている層が
 現役よりも負担が軽いというとんでもないモラルハザードであり、
 また医療費支出の多寡と健康が殆ど無関係という「不都合な真実」なのである」

「医療費負担軽減が過剰受診を招くことは、事実に照らして明白である。
 各都道府県の医療費を比較分析すれば寿命にも健康度にも殆ど関係ない事実は明白、
 族議員も経済団体も自己の利害ばかりに囚われて科学的分析を欠いている」

「経済団体側は企業負担抑制を図るだけでなく
 資産の多い富裕高齢層の負担を増やし「身を削る」提案をすべきだったし、
 日医側も「負担能力があるかないか」を主張するなら
 理の当然として富裕高齢層の負担増を認めなければならないし、
 日医側から「我々が先んじて負担増を受け入れる」と言うべきだったのでは」

「いま高齢者医療の膨脹を抑制しないと
 現役世代の「首を絞める」ことになるからだ」

「マーサーの年金国際ランキングが発表され、
 大方の予想通りではあるが日本は37国中31位という惨憺たる順位だ」

「安倍自民や厚労省の年金官僚がいかに信用できないか、
 このランキングの数字が何より雄弁に語っていると言えよう」

「厚労省が自慢するマクロ経済スライドは効果限定的で給付の2割が過剰、
 繰り上げ受給も導入したが選択者が僅か1%しか選択していないという始末。
 年金財政には改善効果が乏しい老齢年金制度改革ですらもう腰砕けで、
 安倍が自称する「最大のチャレンジ」は、既にして失敗が約束されている」

「日本の公的年金制度の持続可能性は低くて
 マーサーの年金ランキングでは下位の常連であるが、
 事実上「現役世代からの搾取、高齢層へのバラ撒き」でもあり
 考えられない程にいい加減な状況であるが、医療もそれに近い」

「日経新聞調査によれば、政府が検討している
 「一定の所得以上の後期高齢者は2割負担」に過半数が賛成しているが
 反対が多いのは70代以上だけというエゴイズム剥き出しの数字になっている」

「日本の将来よりも目先の議席を重視する怯懦な自民党は
 「2割負担」の決定を選挙の後にしようと得意の問題先送りを画策中、
 相変わらず高齢層バラ撒きによる「買票」的政策をやめようとしない」

「消費税引き上げ後の経済落ち込みに衝撃を受け、
 今さらに財政出動を唱える論者は二重の意味で間違っている」

「第一に、日本は既に財政出動で経済を衰退させているからだ。
 一度目は2000年前後に公共事業を濫発して経済が低迷、
 二度目は現在進行中の事態で「高齢者三経費にバラ撒いて経済悪化」である」

「第二に、消費悪化とマイナス成長の原因は消費税ではない。
 税収を、よりによって経済に悪影響を与える高齢者三経費に投入し、
 しかも経済成長と消費の主体となる現役世代から搾取して賄ったのだ。
 (自ら負担した社会保険料よりも3割以上は割高な額を受け取っている)」

「既に間違っていることが事実によって証明されている愚かな政策を
 思考停止して漫然と維持していること事態が「国難」に他ならない。
 議席ばかり気にするバラ撒き安倍が「延命」できるのもそこに原因があるのだ」

「日本の社会保障制度は高齢層向けに偏っている点で世界最悪、
 醜悪なほど歪んでいるのは誰でも分かる事実であるが、
 今回のコロナ禍でもシルバー利己主義の社会であることが証明された」

「コロナ治療で負担の集中している医療機関の苦境ばかり報じられて
 余り注目されていないが、また無責任な政策決定がなされた。
 それはいつもながらの未来世代へのツケ回しである」

「高齢者医療の窓口負担で自民と公明が対立、
 現役世代の負担が高まるのを懸念する経団連(主に企業負担分への懸念だろう)と
 診療抑制と経営悪化を懸念する日医も対立しており内ゲバ状態だ」

「そしていつも通りの妥協と支持層へのアピールで終わり、
 根本的な問題である高齢者三経費のモラルハザード(負担せず給付だけ受ける)と
 最も多くの資産を持つ高齢層への公費バラ撒きは依然として変わっていない」

「無責任で無能な菅が本気でデジタル化を進めるつもりならば、
 高齢者医療を保険証のナンバーでデジタル化して納税・口座ともに捕捉すれば良いものを、
 (そうすれば本当に困窮している高齢層だけ窓口負担を軽くできる)
 何もできないでコロナ禍の中なのに会食ばかりなのだから話にもならない。
 菅も安倍に続く「国難」決定、日本を衰退させ貧困化させる元凶の一人である」

「所得だけでなく資産のある高齢層は現役並みが理の当然である。
 弱者扱いしてバラ撒くのは豊かな高齢層に対し寧ろ無礼と言うべきであろう」

「1000兆円規模の資産を持つ日本の高齢層にバラ撒き続けるのだから
 マネーの死蔵をもたらすもので日本経済にとって害悪でしかない」

「豊かな高齢層にバラ撒く自公のシルバー政治により、 
 未来世代へ1兆円以上のツケ回しが行われるのである」

「案の定、総裁選で避けられた話題は「高齢者バラ撒き」である。
 これは重大な問題であり、この分野での大改革こそが
 コロナ禍で大打撃を受けた日本にとって死活的な意味を持つのだ」

「特に高齢者への公費による年金給付には重大な弊害があり、
 給付を増やせば増やすほど経済悪化に繋がることが計量分析から分かっている。
 困窮している高齢層以外に給付することは不正義であるばかりか、経済的損失でもあるのだ」

「コロナ禍では莫大な予算を投入して実際に治療に用いられる病床が極僅かと、
 諸外国に比べて硬直化した日本医療の実態が話題になったが、
 関係者の利害が優先されるという構造は変わっていないようだ」

「診療報酬を決める時期が近づくとまた以前のように
 利害関係者と政府側が露骨な対立と国民無視の政治を繰り広げている」

「最も驚いたのが「大幅な診療報酬の引き上げ」を求める医療側の主張で、
 インフレに弱い立場なのはよく分かるのだがそれは保険料や公費で賄うものなので
 国民負担増に直結してしまうという基本的認識が欠けていることだ。
 (事実、国民の保険料負担は増える一方であるのだが。。)」

「これは「国民負担の大幅アップ」を意味するので、
 医療界の立場は危ういと言わざるを得ない」

「財務省の主張の方がどう見ても妥当で詳細なので、
 もし医療界が政治力以外の手段で堂々と反論したいなら
 国民に対する徹底的な情報公開は避けられないと思うのだが。。」

日本経済にとって真に有害なのは虚妄に過ぎない「デフレマインド」ではない。
腐敗した自民党による選挙目当ての「バラ撒きマインド」とシルバー民主主義なのだ。

▽ 日本の社会保障制度は、減少する現役世代を貧困化し豊かな高齢層にバラ撒くモラルハザード

『中間層消滅』(駒村康平,KADOKAWA/角川マガジンズ)


愚かな安倍と自民党は「貧しい若者から豊かな老人への歪んだ所得移転」を止めようとしない。
自民党による薄汚い選挙目当ての買票的政策こそ、日本経済低迷の「A級戦犯」なのだ。

「地域によって都道府県によって医療費が大きく異なるのは公然の事実であり、
 それは病床数や人口当たりの医師数に比例していることが
 米国でも日本でも研究によって明らかにされている。
 (不思議なことに健康度や平均寿命には相関しない)」

「そこで当然、政府では地域により診療報酬を変える案が出た訳だが、
 医療団体からの強硬な批判が非常に興味深い内容である」

「「医師不足の地域で診療報酬を引き上げて欲しい」ならまだ分かるが、
 「医師の多い地域で診療報酬を下げるのは断固反対」と公言するだけでなく、
 しかも「人口分布が偏っている(=国民が都市に集中するのが原因)」とつい口を滑らせ、
 医療の公共性や患者の健康より医療側の経営を優先していることを認めてしまった!
 このような、組織の論理や自らの利害を剥き出しにしたら世論を敵に回し
 自分達の立場が不利にと諌める声が出る筈だが、どうして自らイバラの道に入るのだろう!」

「しかも日本の医療は借金を抱えた現役世代から保険料と税で賄い、
 1000兆円を超える莫大な資産を持つ高齢層に送金する仕組みである。
 まさにモラルハザードの塊と言っても過言ではない。
 自民党政権が選挙のため維持してきた高齢者バラ撒きの温床なのである。
 経済的にも倫理的にも日本社会を蝕む害となっているのだ」

当ウェブログは「日本が低成長から脱却できない元凶は安倍などの歴代自民党政権」と指摘した。
1人当たりGDPの世界順位が落ちる一方という、深刻な日本経済低迷が何よりの証左である。

 ↓ 参考

診療報酬の「大幅アップ」は国民負担増に直結、医療界の立場も危うくなる - 寧ろ勤務医への支援が先では
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/21a491fed59e5c8c6d8714bcdecb797b

高齢者福祉は「世代間搾取」そのもの、現役世代の手取りは3年で4.5%減少 -「支え合い」は真っ赤な嘘
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/6d08394fc12db0258e960af917ae7f03

年金で搾取される哀れな日本の若者、高齢者への2割もの過剰給付のツケで困窮必至 - 安倍にすっかり騙された
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/643b540b01e99322e01292037c1e2fe2

持続性で世界最悪の日本の年金を「世界一」と大嘘、国民を徹底的に馬鹿にする自民 - B層が増長させた
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/e37f5662e4145282994c3293d382ec62

団塊以降の世代の特徴は利己主義と若作り、戦前戦中世代と異なる - だから健保組合を次々と潰す
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/1112d9a750d90f2b493649026b158f95

散々カネを搾り取った末に「若者は元気がない」「消極的」「老人を敬え」- 粗暴すぎる「暴走老人」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/139aaea43b1515f1921c2231c0eebbca

日本の高齢層は「家族よりもお金を重視」、国際比較調査で鮮明に - シルバーデモクラシーの明白な証拠
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/d81e6ed8d4908ae45a41f337711c9fc1

▽ 年金給付は労働投入を減らし、経済にマイナスの効果を持つ(弱者以外への公費給付は公益を損なう)

『子育て支援が日本を救う(政策効果の統計分析)』(柴田悠,
勁草書房)


年金積立金の昨年度運用、過去最高の45兆4153億円黒字…収益率は22.67%(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20240705-OYT1T50107/
”公的年金の積立金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF)は5日、2023年度の運用実績を示す収益額が45兆4153億円の黒字で、過去最高額になったと発表した。黒字は4年連続で、積立金の増額は年金財政の安定につながる。
 これまで最も収益額が多かったのは、20年度の37兆7881億円だった。運用利回りを示す23年度の収益率は22.67%で、20年度の25.15%に次ぐ高さだった。運用資産額の増加が収益額を押し上げた。23年度末時点の運用資産の総額は245兆9815億円だった。
〔中略〕
 前身の旧年金資金運用基金が運用を始めた01年度から23年度までの累積黒字額は153兆7976億円となり、こちらも過去最高を更新した。”

読売新聞は正直で、「年金財政の安定」とは書いても
「年院財政の改善」とは流石に書けなかった訳だ。
あれだけインデックスが上昇しても20%台に留まるというのも
「池の中のウジラ」らしいところである。。


年金給付水準2割減、33年後 現役収入の5割維持、財政検証(日本経済新聞)
https://mainichi.jp/articles/20240703/k00/00m/040/007000c.html
”厚生労働省は3日、公的年金の将来の見通しを示す財政検証結果を公表した。経済成長が現状に近い場合でも、33年後の年金受給額は現役世代の手取り収入に対して5割を維持する見通しが示された。ただ、給付水準は現在よりも約2割目減りする。現状より高い経済成長を達成できれば、約1割減で抑えられる。女性の労働参加が進むなどし、前回の2019年検証から水準はやや上がった。制度の支え手となる人口構成は、在留外国人の増加で少子化を補う形とした。
 財政検証は5年に1度、年金財政の健全性を確認し、100年先までの見通しを点検するために実施されている。公的年金制度では、保険料の上限を決め、その範囲内で年金を給付する。
〔中略〕
 政府は、モデル世帯(40年間平均的な収入で会社勤めした夫と専業主婦)で、現役の手取り収入に対する年金支給額の比率を示す所得代替率が50%超確保できるよう目指している。24年度のモデル世帯の年金額は厚生年金と国民年金(基礎年金)の合計で月22万6000円。現役の平均手取り月額は37万円で所得代替率は61.2%。19年度より0.5ポイント下がった。
 財政検証では、物価や賃金の上昇率などが異なる四つの経済前提を設定。合計特殊出生率や在留外国人数、就業者数なども加味した。経済成長が現状に近い「過去30年投影ケース」は物価上昇率を0.8%、実質賃金上昇率を0.5%などと設定。57年度にマクロ経済スライドが終了して所得代替率は50.4%で下げ止まる。
 57年度の現役の平均手取り収入は月41万8000円(24年度の物価に換算)。年金額は月21万1000円(同)で、現役世代の収入は伸びるが、年金額は抑えられている。
 基礎年金だけの世帯は厚生年金よりマクロ経済スライドによる減額期間が長い。24年度の所得代替率は36.2%だが、57年度は25.5%で約3割目減りする。
 現状より高い経済成長が必要な「成長型経済移行・継続ケース」は物価上昇率は2%、実質賃金上昇率を1.5%と見込んだ。所得代替率は37年度に厚生年金と基礎年金合わせて57.6%で下げ止まる。
 世帯構成や働き方の多様化を踏まえ、男女別1人当たりの平均年金額(月額)の見通しも公表。24年時点では男性が14万9000円、女性は9万3000円だが、59年には男性14万7000円、女性10万7000円と男女差が縮小する。
 ただ、いずれのケースも合計特殊出生率を1.36(70年時点)と見込んでおり、23年の1.20よりも高い。見込み通りにならなければ所得代替率などは下方修正を余儀なくされる。
 政府は今回の結果を踏まえ、制度改革に着手し、来年の通常国会に関連法案を提出する。【宇多川はるか】”

GPIFの運用パフォーマンスよりも遥かに重要なのが、
人口動態と経済成長率、そして実質賃金上昇なのである。
厚労省の公表した数値は所得代替率が下がらないよう苦心した痕跡が歴然で
女性や在留外国人を計算に入れ、出生率を現状よりかなり高く見ているのはそのためだ。


年金下支え、パート要件緩和で狙う 個人の備えも促す(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA28DOW0Y4A620C2000000/
”厚生労働省が3日公表した公的年金の財政検証結果は5年前に比べて改善傾向がみられたものの、給付水準の低下が当面続くことも示した。政府はパート労働者が厚生年金に加入する要件を緩め、「支え手」を広げることで制度の安定をめざす。老後に備えて自己資産を形成する重要性も呼びかける。
 厚生年金に入っていない自営業者らが加入する国民年金(基礎年金)は現在、満額で月6.8万円だ。この給付水準は少子高齢化が進むにつ..〔以下略〕”

だから本来、「年収の壁」の小手先改革ではなく
「年収の壁」撤廃(育児関連費控除の適用でも可)が必要な筈である。


「年金より今の現金」難路のパート加入拡大 牛歩探る政府(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA0589Z0V00C24A7000000/
”政府・与党は今秋から年末にかけて2025年の年金制度改革案をまとめる。議論の土台となるのは厚生労働省が3日に公表した「財政検証」結果で示した改革案の効果に関する試算だ。どの案がどこまで実現し得るかを展望する。
 財政検証が試算対象とした改革案は5つあり、このうち国民年金(基礎年金)の保険料納付期間を延長する案については、政府がすでに見送りを決めた。残る4案のうち厚生年金に入る要件を緩和してパート労...〔以下略〕”

「年収の壁」は既に既得権化してしまっており抵抗が強く、
国民年金保険料の納付期間延長も同様である。
どちらの問題も、菅の自慢するGPIF改革では解決にならない。


外国人材40年に97万人不足 前回推計の倍、獲得競争激化(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE01B3D0R00C24A7000000/
政府がめざす経済成長を達成するには2040年に外国人労働者が688万人必要との推計を国際協力機構(JICA)などがまとめた。人材供給の見通しは591万人にとどまり、97万人が不足する。国際的な人材獲得競争が激化するなか、労働力を確保するには受け入れ環境の整備と来日後のつなぎ留めが重要となる。
 22年に公表した前回推計は40年時点で42万人が不足するとしていた。今回はアジア各国から来日する労働者数...〔以下略〕”

しかも日本の場合、これから外国人材の必要性が高まる。
安倍・菅の大失策のせいで「安い日本」となり果てた今、
単純労働外国人の確保がうまくいかないだけでなく
日本人がより賃金の高い海外に出てゆく可能性も懸念せざるを得なくなるだろう。
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2024年7月第1週チャート

2024-07-07 | 注目投資対象・株価の推移
ここまでの東証の動きは、先んじた円安に遅行していた分を
NYの堅調に助けられて急速にキャッチアップできた他力本願と言えるだろう。

東証上場企業の業績改善は殆ど円安効果で説明できるとの分析が出ており、
日本企業が自らの力で成長したことを意味するものでは全くない。
(だから日本経済は平均ゼロ成長が続いているのである)

ただ為替市場ではドル円が頭打ちになりつつあり、
恐らく海外勢主導の仕掛けによる急速な上昇にも陰りが見えてきてる。

一目瞭然ではあるが、モメンタム主導の相場であるので
どこかでバキッと折れたり乱高下の中でNYが調整に入り始めると
確実に終わるであろう。日米とも明白な割高だからだ。


ドルが金利低下を受けて下がったため、ユーロが押し上げられるいつもの展開に


ポンドもドルをアウトパフォーム、選挙での政権交代も完全無視


(以上のチャートはZAI)

8316はほぼ想定通りだろう、あとはどこまで伸びるか


8306もほぼ想定通り、8316とどちらが優位に立つかという観点もあるが。。


7974は上方トレンドになるかどうか、やや上値が重い


(以上のチャートはRakuten.sec)
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『週刊ダイヤモンド』7月6日号 - 投機筋の円売りがなくなると1ドル140円へ、超円安のピークは近い

2024-07-04 | 『週刊ダイヤモンド』より
今週のダイヤモンドのメイン特集は今一つかなと思っていたが、
サブの決算特集が意外と良かった(先週の東洋経済特集より鋭い)。
新日鐵とJFEで差がついた理由など見ておきたい。
但し、いまSMBCとMUFJでモメンタムが違うのは
単純に、より市場評価が高い方が先行しキャッチアップしただけでは?
(市場ではよくあるパターンで、自動車や商社セクターでも似た現象あり)

「ダイヤモンドは「5年後の業界地図」特集、業界は兎も角として
 日経平均と為替の予想はまず当たらない」

と先週に書いたが、為替については今後の円高を予想する
田中泰輔氏の見解には注意を払っておきたい。

エントリーのサブタイトルは20頁の市場分析より。
SMBC日興の野地氏の優れた分析で、シカゴIMM投機ポジションと
円安の不気味な相関度がよく分かる。氏はダウ平均の調整も
警戒しており全く以て同意見である(東証もNYも明白な割高である)。

『週刊ダイヤモンド』2024年7/6号 (5年後の業界地図)


「今週も宜しくないのは佐藤優氏の連載。
 来週の池上氏の連載にもう既に負けている気がする」

と先週に書いた通り、池上氏の連載が良い。
欧州で極右政党が大躍進しているのはソフト路線に転換したからと分析し、
フランスの貧民街出身の住民が治安を憂慮し反移民の立場であるのが印象的だ。
元のルーツは移民なのに新たな移民に反対している訳で、そういえば
米国でも日本でも同じような現象が起きているなと思った。。
この池上氏の連載は毎回、目を通しておきたい。

他方、佐藤優氏は書評で「キリスト教の正義」を批判しておきながら
自分自身には同じ論理を適用しないダブスタは相変わらず。
氏は今週のAERAで北とロシアの関係は軍事面での強化ではなさそうとしているが
これも「北はロシアに弾薬を送っていない」説と同様に厳しく検証した方が良い。
氏はロシアが対北で不利な関係になっていることは認めているが、
それなら「ロシアが対ウクライナ戦争で苦境にあり、日本には対中交渉の好機」と
判断するのが理の当然ではないかと思うのだが。

    ◇     ◇     ◇     ◇

エコノミストの特集は非常に良かった。
インドにココイチが進出したのは話題になったが
今度は「信州そば」がインド進出だそうだ!

急激に増えているミャンマーからの日本留学生は、
ミャンマーが民主化路線に戻る際に日本企業にとって
貴重な人材となるであろう。
現下、韓国に時給で負けているという情けない有様だが
(アベクロコンビの大失政のせいである)
アジア市場強化を狙う日本企業は彼らを優遇すべきである。

意外にうまくいっていないのがタイとフィリピンで、
前者は政治と人口動態の問題、後者は直接投資不足のようだ。
直接投資不足はアベノミクスの失敗要因のひとつで、
日本もフィリピンも同じ陥穽に陥っている。。


今週のエコノミストは「健康経営」リポートも優れていて見所が多かった。
費用対効果の不明確さなど課題はかなり多そうだ。。

『週刊エコノミスト 』2024年7/9号【特集:沸騰!インド・東南アジア】


市岡繁男氏の連載は今週も興味深い。
東証はMACDでは夏まで上向きなのだが
仮需(信用残+裁定残)が歴史的なピーク水準で
伸び切った状態にあるとのことだ。
なお氏は戦火拡大をリスク要因として見ているが、
個人的には弱音が漏れてきたロシアがウクライナと停戦し
物価と金利が急低下することが寧ろ東証のリスク要因と見ている。

    ◇     ◇     ◇     ◇

東洋経済の医療情報特集は頑張って取材されているが
問題が複雑すぎて眼目が乏しい印象。
コロナワクチンの後遺症で苦しむ患者の話が出なかったのも吃驚。

ただ子宮頸癌ワクチンの件で推進派の居丈高な姿勢を
問題視しているのは正しい。推進派と反対派が互いに
人格攻撃するような状況になっているのは異常である。

あと医師が受け取る製薬マネーの膨張が不気味で
後々大問題に繋がりそうな気がしてならない。。

『週刊東洋経済』 2024年7/6号 (不安につけ込む「医療情報」の罠)


今週の東洋経済には非常に良い記事がある。
それは編集部の野村氏による「資産運用立国への違和感」で、
証券投資ばかりではGDPが伸びないことを理路整然と論じている。
(実証研究でもかつてのバブル期における「資産効果」は乏しかった)
欲望に目の眩んだ輩にはこのことをよくよく言い効かせたいものだ!

また、サブの渋沢栄一特集がかなり本格的で、
東洋経済らしくない(爆)と思っていたら
相当部分がエコノミスト誌で活躍していた黒崎氏の執筆だった。
東洋経済の読者層だと理解が難しい内容では、と余計なことを思いつつ
賢明で良識的な読者には強くお勧めしたい内容である!
(日銀が預金封鎖し新円に切り替えたあの激動期を扱っている)

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週はエコノミストに注目、実用性の高い「これから大変! マンション管理&空き家」特集!

▽ 「東京も間もなく「衰退」予測 タワマンの厳しすぎる未来」が特に重要

『週刊エコノミスト』 2024年7/16・23合併号


▽ ダイヤモンドは読者層の高齢化を窺わせる特集、空き家関連をエコノミストと比較したい

『週刊ダイヤモンド』2024年7/13・20合併特大号 (相続・生前贈与・実家)


▽ 東洋経済はターゲットを絞った漫画ビジネス特集、日本経済低迷の現実が透けて見える

『週刊東洋経済』 2024年7/13号 (アニメ・エンタメ帝国の覇者 集英社、講談社、小学館の野望)

ハッキング被害で大騒動になったKADOKAWAや、 苦境が囁かれる宝島社・新潮社の未来や如何に!
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労組は「貧困の共犯」でもある、年収の壁の温存が経済低迷を招く - 最低賃金引き上げで誤摩化すな

2024-07-02 | いとすぎから見るこの社会-雇用と労働
安倍・菅政権で最低賃金の引き上げが進み、
それが成長政策の一環であるかのように騙られた訳だが
経済成長率の低迷、実質賃金の低迷からも明らかなように
日本経済の低迷が続いていることは厳然たる事実である。

最低賃金の引き上げが生産性向上をもたらすと論陣を張ったのがアトキンソン、
日本のメガバンク(かつて都銀と呼ばれた)が三行に集約されると予言し
それは的中したのだが、企業経営は見通せてもマクロ経済では見事に外れた訳だ。

安倍も菅もアトキンソンも理解していなかったのは
日本女性のジェンダーの強固さであり、所謂「年収の壁」の弊害である。
「年収の壁」があると最低賃金が上がっても就労時間が減るだけなのだ。

シンクタンクの研究員の分析では「年収の壁」で就労抑制している者は何と445万人、
「年収の壁」引き上げ程度でも年間数兆円規模の消費増が見込める
という。

再分配が嫌いな労組は、最低賃金引き上げを求めるようになっているが、
「年収の壁」を温存したままでは日本女性は就労抑制を間違いなく続ける。
ある労組は雇用維持を求めた自分達が「デフレの共犯」だったと認めたが、
「年収の壁」を温存したままではデフレだけでなく「貧困の共犯」にもなるであろう。

▽ 専業主婦を選ぶ最大の理由は「育児に専念」、働く女性の幸福度は夫の所得と正比例に

『貧困専業主婦』(周燕飛,新潮社)


矢張り、当ウェブログが前々から批判してきた「自己欺瞞の岩盤」は、
安倍・菅の低次元さによって増幅され、日本社会を深く蝕んでいるのだ。。

「日本企業の中にいる女性が仕事と育児の両立に苦労するのは
 トレンダーズ創業者である経沢元社長が何年も前に指摘したことであり、
 今更取り立てて言うものではない陳腐な話である」

「多忙な夫を選んだなら妻が育児しながら仕事にフルコミットするのは
 極めて困難であると考えねばならない。
 長時間労働にフルコミットしたいなら家事育児の大半をカバーできる夫を選ぶべきだ。
 また、やり甲斐のある仕事を求めるなら起業の道を選ぶのが理の当然である」

「多忙でも社会的地位の高い夫と結婚したい、育児にも時間をかけたい、
 やり甲斐のある仕事も貰って当然、というのは単なる強欲に過ぎない」

「あのアメリカですら、経営・管理層の女性の出生率が低いという事実は重い。
 ましてや北欧のように育児・雇用支援のため重税負担に耐えていない日本では、
 仕事と育児の両立が困難なのは当たり前で、所詮は自業自得でしかない」

「女性は高学歴層ですら他国に比べ専業主婦志向の者が異常に多く、
 しかも大多数が「上方婚」なので仕事を捨てざるを得ない選択肢を自ら選んでいるのだ。
 (女性医師が高所得な同業と結婚して、仕事を自ら辞めるのと似ている)」

「日本経済の停滞と人口動態劣化が強力に進んでいるのは、政治の責任だけではない。
 「育休世代のカリスマ」を含め、多くの人々の視野が狭く自己中心的だから、である」

「東洋経済オンラインで元大手メディアの高学歴女性が「女性活用」と言っているのは、
 「私達のような高学歴・高所得でハイスペックな夫と上方婚した女性の活躍」という意味である。
 高卒で低賃金で必死に働く労働者や、苦境に喘ぐ大多数のシングルマザーや、
 凡庸な大学・短大を出て仕事より私生活を重視する層は、はなから無視している訳である」

「また、日本の高所得女性については別の問題もある。
 税・社会保険料負担が北欧諸国より遥かに軽い日本では、
 仕事と育児の両立が極めて困難なのは当たり前の話である」

「日本の女性労働者の多くは負担の重い正社員の長時間労働を嫌っている。
 時間拘束の少ない契約社員や派遣社員の方が実は満足度が高く、
 土日に休める事務職(労働需要は少ない)にばかり希望が集中する。
 低賃金の保育士や介護士は避けられる」

「独身の時は給料が安く税金は高いと不平を言い、
 結婚して子供ができると子育て支援が手薄と政府や行政を咎め、
 育児と両立する環境がないと職場を批判する」

「アメリカでは育休のための制度が整っておらず、無給の場合すらある。
 酷い話にも、学歴によって育休を取得できる率が大幅に違ってもいると言う。
 メイヤーCEOが二週間の育休で復活せざるを得なかったため、大きな議論になったほどである」

「それでもアメリカでは「企業のせい」「政府のせい」「夫のせい」という議論には殆どならない。
 しかも調査では日本よりも遥かに「育児しやすい社会」だとする回答が多いのである」

「それなのに、より育休制度が整っていている日本では
 企業や政府や夫への不満が強いのである。不思議ではないだろうか」

「被害者意識を募らせているばかりでは、永遠に問題は解決しない。
 自称被害者こそ、今の社会システムを支えている張本人だからだ」

「政策によって長時間労働を強力に規制するとともに
 育休等の際の給付や代理要員に所得移転しなければならない」

「経済政策の面から言う正しい「女性活躍」は女性就業率の引き上げであり、
 労働者の税・社会保険料負担を引き上げて育児支援・積極的労働市場政策に投入し、
 家事育児を集約化して労働投入を増やし、総量でも一人当たりでもGDPを増大させるものだ。
 同時に長時間労働への規制やペナルティを強化すれば労働生産性を改善させることもできる。
 安倍政権はそうした実効性ある施策を何ひとつ実施していない」

「また、日本の女性労働者が求めているのは出世や起業ではなく
 残業等の負担がない職種で安定した所得を得られる、快適な職場環境だ。
 つまり自分にとって都合の良い雇用を求めているに過ぎない」

「女性の犠牲者としての側面ばかり強調する愚かなリベラル的言説は、
 拡大しつつある「女性格差」から人々の目を逸らして隠蔽し、
 現状に満足し多大な恩恵を得ている高所得世帯の女性こそが、
 配偶者控除や第3号被保険者の利権を握りしめて貧困層を見殺しにする一般の女性こそが、
 現下の病んだ構造を支え強化しているという現実を見抜かなければならない」

「致命的な人口老化・生産年齢人口が続く現下の日本において、
 最も効果がある経済政策は女性就業増と出生率向上であるのは
 既に同志社大学の柴田悠准教授の計量分析で証明されている」

「安倍政権は配偶者控除を「拡大」するというとんでもない愚策に出るようだ。
 これで日本経済の低迷が決定的であるばかりか、回復の望みすら潰えたと言えよう」

「自民党の支持層には企業の経営・管理層の高所得世帯が多く、
 公明党の支持層には低所得の専業主婦世帯(パート含む)が多いことが知られている」

「配偶者控除は、こうした政党にとって「恩を売りつける」あさましい手段となっているのだ。
 まして、就業能力のある女性が働かない、或いは就業時間を抑制することに公費を払うのだから、
 無責任でかつ頭が悪いとしか言いようがない政策である」

「アメリカの成長率よりもスウェーデンの成長率の方が高く、
 女性が働かない韓国・ギリシャ・スペインの財政が悪化し成長率が低迷していることから、
 安倍政権が全く経済政策を理解せず「次元の低い」状態であることが証明されたと言えよう」

「元々、日本の女性労働者は階層によって全く意識が違っており、
 上層は納税を嫌がるのに社会や企業が自分のWLBを助けるのが当然と思っている。
 中層は長時間労働を嫌って夫が家計を支えてしかも家事育児を手伝うべきと考えている。
 下層は自分が弱者だから社会から支援されるのが当たり前と思って、納税者としての意識が希薄である」

「日本女性の多くはジェンダー意識が奥深くまで浸透しており、
 最も発信力や政治力の強い高学歴層ですら北欧並みの自立した意識ではない。
 男性社会を批判しておきながら同時にそれを支えており、自ら平等を放棄しているのである」

「日本の場合、大卒で有能な女性が働かないことにカネを出しているのが諸悪の根源なのだ。
 日本は上方婚と同類婚が非常に多いのだから、
 育児家事は外注しないと絶対に有能な女性の就労継続はできない。
 だから、育児家事の外注を促進するインセンティブを付けなければならないのは自明だ」

「逆に、働けるのに働かず、育児の負担もない妻には絶対に公費を与えてはならない。
 怠惰に対してカネを与えているも同然だからだ」

「今回の「働き方改革」とは名ばかりの「働き方改悪」、
 いや「経済停滞を決定づけるバラ撒き」の裏事情が分かってきた」

「選挙が怖くて猛烈に反対したのが公明党で、
 それに官邸が同調して配偶者控除の「拡大」などという
 意味不明の愚策になった、という顛末であるようだ」

「保険クリニックの調査によれば、配偶者控除の拡大によっても
 「働き方は変わらない」が圧倒的多数(7~9割)を占めたことが分かった」

「詳しくは、配偶者控除内で働いている主婦は71%が「変わらない」、
 配偶者控除外で働いている主婦は何と92%が「変わらない」との回答だった」

「しかもこれは対象を「働く主婦」に限っているので、
 実際の効果は更に低いことは間違いない」

「と言うのは、既に厚生労働省の数年前の調査によって
 功利的かつ利己的な日本女性の意識が明らかになっているからである」

「その調査では、独身女性の中で「出産したら仕事を辞めたい」と考える者が
 24.5%(2002年)から6.9%(2012年)と激減しているにも関わらず、
 「世帯収入のあるべき姿」としては「夫が主に責任を持つ」が
 依然として40%もの高い比率を保っているからである」

「しかも、男性の側では「夫婦いずれも同様に責任」が49%と最多回答となっていることから、
 (つまり、「夫が家計に責任を持つべき」と考える割合は、女性の方が多いということだ)
 日本では「女性の方が意識が遅れている」可能性が高いと考えざるを得ない結果だ」

「当ウェブログは、日本女性を責めている訳ではない。
 日本のように旧態依然のジェンダーの強い社会では、
 日本女性がジェンダーに囚われて功利主義や利己主義に基づいた行動をとり、
 堂々と功利主義的・利己主義的な主張を行うのは寧ろやむを得ないと考える」

「夫が家事育児を手伝わなければ苛酷なほど非難するのに、
 女性が夫の家族にひどい文句を言ったり、夫を「利用」していたり、
 夫の「稼ぎが悪い」と罵るのに対し何とも言わないのもジェンダーに支配されているからだ」

「当ウェブログが注目している社会統計学の舞田敏彦氏が、
 またしても日本社会の「不都合な真実」を明らかにしている」

「日本女性が「主な家計支持者」である比率は僅か5%で
 この数値はドイツの5分の1、アメリカの4分の1でしかないそうだ」

「このことから舞田氏は、日本では建前と本音が乖離しており
 日本女性は本音では「旧来のジェンダー観」が強いのだと結論づけている」

「当ウェブログは各種調査を分析した結果として同様の結論に辿り着いた。
 不幸なことに、日本女性は深層心理でジェンダーに支配されており、
 日本経済の停滞の一因にすらなっているのかもしれない」

「と言うのは、日本の女子中高生の就業や育児に関する調査で
 「専業主婦」志望が第1位であること、夫に対しては
 「育休を取らなくて良いから、育児も手伝うべき」が最多であること、
 こうした志向は母親の影響であることが判明しているからだ」

「日本では平均所得の高い高学歴女性の婚姻率が低い、
 つまり出生率も低いのだから、本来ならば課税して育児支援に充てなければならない。
 その層が働かない場合は社会的損失なのだから、課税は二重の意味で公益に適う。
 通常の先進国ではまさにそうなっているのだから、配偶者控除や第三号被保険者制度は
 国益を損ない日本女性のポテンシャルを抑圧している害悪なのである」

「何故なら、「結婚しても働く」のがコンセンサスとなりつつあっても
 「家事でお金を貰いたい」や「できれば専業主婦になりたい」という意識が強く、
 調査によっては過半数を占めてすらいるからだ。
 「夫の収入で生活したい」という意見も相変わらず残っている。
 「本当は働きたくないが、仕方がないから働く」というのが多数派なのだ」

「「家事で賃金」を望むなら、ハウスキーパー等により市場価格で堂々と稼ぐべきである。
 管理も叱責も厳しい評価もされない自宅の家事で賃金を得るのが当然と思うなら、
 自分が幼い時に面倒を見てくれた親や祖父母に賃金を払うのが先だろう」

「興味深いのは、男性側の共働き志向は「相手の意思を尊重」なのに、
 女性側の共働き志向は「自分の生き甲斐」が優先されていることだ。
 また、「相手の収入のみで生活するのが望ましい」という意見がこれだけ出てしまうのは
 相変わらず日本型ジェンダーに完全にマインドコントロールされているためであろう」

「調査によれば、配偶者控除や社会保険料の壁を意識して働く女性が
 半数ほどいる。明白な「就労抑制」に他ならない」

「また、民間の女性労働者は「仕事は続ける」としているものの、
 「今の職場を辞めてパート・アルバイトになりたい」とする層が3割ほどいるようだ」

「国民の税金によって産休育休を取れる公務員ですら、
 3割もが今の就労形態を変えたいと考えているようだ」

「つまり、結婚・出産しても仕事を続けるとは言っても、
 あくまでも家計補助に過ぎず、就労は抑制して
 夫が家計を担うのは当然、というスタンスなのである」

「さして学歴もない一般的な女性にとっての「女性活躍」とは、
 北欧を見れば分かるように公共部門のケアワーカーとして
 ライフワークバランスを重視して働くということに他ならない」

「つまり民間企業は女性活躍の主要な舞台ではないし、
 もし民間企業で女性活躍を実現したければ国民負担を増やして
 育児支援や雇用政策に膨大な予算を投入しなければならないのだ。
 その点を誤摩化して他人のせいにしている限り、「女性活躍は女性によって妨げられる」のだ」

「なぜなら、日本女性の学歴や所得が向上したにも関わらず、
 実際の行動や意識は左程変わっていないことが様々な調査ではっきり分かるからだ。
 例えば、「家計を担うのは夫の役割」との意識は相変わらずで、先進国の中で突出して高い。
 実際に家計の半分以上を担っている妻は、超高学歴層でも驚くほど少ない事実も確認されている」

「通常、日本女性の就業率が低く家事育児時間が長いのは、
 日本社会や日本企業、職場環境や労働慣行が原因と指弾されることが多い」

「しかし、地域別の就業率の違いや意識調査の結果からは、別の結論が導き出される。
 「女性の就業意識が依然として日本固有のジェンダーに支配されている」ということだ」

「様々な幸福度調査を見ると、一般に女性の幸福度の方が男性より高い。
 また、専業主婦の幸福度は明らかに就業女性よりも高いことが知られている。
 日本女性が一方的な被害者や犠牲者なのであれば、どうしてそのような結果になるのだろうか?」

「当ウェブログの仮説はこうだ。
 日本において発言力のある高所得・高学歴女性の「女性活躍」は、
 自らの属する階層の「My QOL(自分の生活の質)」向上の婉曲話法である」

「だから、低所得の一般女性が仕方なく働かざるを得なかったり、
 シングルマザーが貧困に苦しんでいても完全無視して、
 「自分の夫の時短」や「自分の夫の家事育児参加」を求めるのだ。
 北欧のような高負担は拒否し、同性を無視して自分達だけの恩恵を求めているのだ」

「「ワンオペ育児」は男性のせいと決めつけて攻撃する視野狭窄の女性大学教員は、
 シングルマザーがそもそも「ワンオペ家事育児」で、しかも貧困率が高いのを完全無視している。
 所詮、自分の属する高所得・高学歴階層のことしか眼中にないからであろう」

「日本の高学歴女性は、ダブルスタンダードを持っている。
 日本型ジェンダーに支配されていながら、他人のジェンダーを批判している」

「真の「女性活躍」は必然的に女性の中で亀裂と論争を引き起こす。
 女性同士であっても互いに価値観も利害も大きく違うのだから当然だが、
 その事実から目を背けて責任転嫁している限り、日本社会が大きく変わることはないのだ」

「日本には他国には見られない「ジェンダー・ガラパゴス」とも言うべき歪んだ傾向があり、
 高学歴な女性ほど就業率が低いという理解不能な状況に陥っているのだ」

「例えば、結婚出産後に最も退職する率が高いのは女性医師であり、
 一般女性の2倍以上も辞めていることが分かっている」

「女性が高度な教育を受けても労働には結び付かない。
 平均値を見れば明白である。しかも、高学歴の医師の方が退職率が高いので、
 寧ろ教育程度の高い者の方が労働を通じての経済への貢献度が低い可能性すらある」

「女性医師の育児負担が大きいのは、多忙で高所得な夫と結婚したこと、
 しかもそれにも関わらず欧州に比べると国民負担が軽いからだ」

「医師は残念ながら大学で日本の財政や社会保障制度を学ばない。
 真に自立した女性であれば、欧州のように重い負担を甘受して保育サービスを受ける筈だ。
 或いはアメリカや香港、シンガポールのように移民に家事育児を任せるか」

「後者のように、同性を労働搾取する植民地主義の道は選べないだろう。
 だから、女性医師は「応能負担」「応益負担」の原則に従って
 (こうした当たり前のことを彼女等は大学で教えられていない)
 税・社会保障負担を容認しなければならないのである。
 そしてその予算を保育サービスと代理要員の人件費に充当しなければならない」

「世界経済フォーラムが「人的資本指数」を公表して
 各国の人材育成力のランキングを明らかにしている」

「容易に予想できることではあるが、日本の順位が急落している。
 今年から「雇用の男女格差」が評価されるようになり、
 特に25~54歳の日本女性の社会進出の遅れが足を引っ張った形だ」

「女性の就業率が上昇すると、本来なら経済成長率が改善する筈である。
 しかし日本の場合は寧ろ成長率が低迷しているから「仕方なく働いている」だけなのだ」

「しかもジェンダーの強固な日本女性の就業抑制は一向に変わっていない。
 家計を主に担うのが夫という大前提は全く変わっておらず、
 「子供の傍にいたい」「プライベート重視」の就業意識は調査ではっきり確認される」

「東京医大の手法は間違っていたし受験生にも大学の歴史にも深い傷を与えたが、
 本質は女性差別ではない。日本女性の強いジェンダーと日本医療界の体質が
 危険な「化学反応」を起こして自壊しつつあるのである」

「日本の医療には「自由開業」という先進国では非常に珍しい仕組みがあり、
 「立ち去り型サボタージュ」が可能なモラルハザード状態が長年放置されてきた。
 (医師の方々もこの異例の「特権」を手放す気はなさそうである)」

「当ウェブログは日本女性が高学歴高所得でもジェンダーが強固だと以前から指摘してきたが、
 「ドクターX」に関わったフリーランス女医が「ゆるふわ女医」と絶妙なネーミングを行っている」

「「ゆるふわ女医」の能力を日本のため十分に発揮して頂き、
 大病院で殺人的な忙しさの中にある勤務医の先生方を助けるためにも、
 「ゆるふわ女医」には投入された公費を返還させる制度に変え、
 (医大学費は勤務医として働く時間と年数に応じて段階設定すれば良い)
 医師の先生方全ての社会保険料負担を引き上げて
 産休育休の代理医師への報酬を上積みする必要がある」

「東京医大問題を受けて日本をおちょくったツイートを出した
 フランスやフィンランド(女医率が高い)の国民負担率を見るがいい」

「女医の比率を高めるためには絶対に高負担高福祉が必要なのだ。
 もし仏や北欧にいたら日本の医師の先生方は手取りが15%は減る筈である」

「結局、東京医大問題は医療界に深々と傷を残し、今年度の女性医学生を急増させ、
 「ゆるふわ女医」とその予備軍を大量生産して勤務医の労働環境を一層悪化させるであろう」

「何と、勤務医のユニオンは自由開業(先進国では異常な制度である)の特権に沈黙し、
 女性医師の比率の高い欧州国(北欧が多い)の高負担重税も完全に無視し、
 単に「勤務医の労働環境」にすり変えて問題を矮小化させようとしている」

「矢張り、医学部の専門教育の欠点が証明されたと言えよう。
 医師の先生方はマクロ経済も労働経済学も財政学も学んでいない。
 自分達の給料はどこから来ているのか、誰が払っているのか、
 一般庶民の所得水準と生活水準がどれほどのものなのか、殆ど関心がない」

「勤務医ユニオンの先生方は、日本より遥かに労働環境の良いドイツで
 医師の開業が規制されていること、開業しても休日や夜間診療が義務化されていること、
 医療アクセスが制限されていて診療回数が日本より少ない事実を知るべきである。
 (ドイツ並みの国民負担率なら自らの可処分所得が大幅低下する点も計算すべき)」

「勤務医ユニオンが選択すべき策は三つあったが、よりによって「下策」を選択したのである。

  上策:北欧のような高負担を受け入れ、女性医師が仕事と家庭の両立を支援する
  中策:医師のみの社会保障基金を創設し、保険料を引き上げて負担を分かち合う
  下策:医師不足問題について責任転嫁し、現状維持と既得権擁護を図る

 「上策」は最も望ましい道だが、高所得な先生方が低所得女性を経済的支援する形になるので
 (社会的公平性としては正しいが)医療界では猛反対を受けるだろうと容易に推測できる」

「「中策」は最も実現可能性の高い方策だが、所得の5%程度の負担でも
 物凄く不機嫌になるジェンダー女性がかなりいるので、そこが問題である。
 北欧のように働かざるを得ない仕組みにしないと医師教育に費やした巨額公費が無駄になる。。」

「「下策」は最悪の選択で、医師不足問題については医師偏在と自由開業の影響が確実にあるのに
 それを無視して大きな制度変更もなくただ勤務医の労働環境だけ改善しようという小手先の糊塗策」

「医師不足の直接的な原因となっている医師偏在を緩和するには、
 医師不足の診療科や地域に診療報酬を移転するという経済メカニズムと、
 先進国の「常識」である開業規制の二つしか方法がない」

「医師の先生方は聡明だとは思うが、その聡明さが屢々自己の利得のために用いられている。
 本音は言葉にではなく行動に出るので、普段の言動をよくよく観察すると真相が分かる」

「また見逃せないのは、「コメディカル(医療事務)やNPにさせる」という高慢な意見だ。
 コメディカルやナースは時給で言えば医師の半分かそれ以下である。
 重要な職務を委譲するなら賃金も移転すべきであるが、どうもそうした認識が全くない。
 「自分の労働環境を改善するために他人を利用していい」という特権的な感覚が窺われ、
 ぜひこの意見に対するコメディカルやナースの厳しい反論を伺いたいものだ」

「東京医大の問題で勤務医ユニオンや現場の女医の方々の声が
 メディアに出るようになったが、矢張り「下策」を選んでいるようだ」

「勤務医ユニオン代表は必要な負担増にも触れず医師増員を主張し、
 日本国民の受診回数の多さだけを批判して自由開業の特権には沈黙。
 OECD諸国並みの医師数のためにはOECD並みの国民負担が必要という「常識」も語らない」

「現場の女医の先生方からは東京医大の問題は「仕方ない」、
 最も風当たりが強いのは「同世代の女医」との証言も出ている。
 (案の定、日本型ジェンダーは高所得層でも強固だと証明された)」

「東京医大の女子学生一律減点の発覚に端を発して、
 女性医師のジェンダーの強固さが改めて証明された訳だが、
 (女医率の高い北欧のような負担を嫌い、職場に責任転嫁する)
 法曹界でもジェンダーが深々と巣食っている事実が発覚した」

「法曹界での女性比率はいまだに20%半ばで低迷、
 激務を嫌いインハウス(企業内弁護士)の女性率が高いと言う。
 結婚や子育てとの両立が難しいと考える女性も多く、
 女性の人権を守る筈の女性法曹人材自身のジェンダーの歪みも露呈された」

「口では男女平等を唱える女性弁護士は矢張り同業との同類婚が多く
 (所得水準の高い同類婚を選好する女性医師と酷似している)
 自らのジェンダーを社会や制度に責任転嫁しているのだ」

「少子化とジェンダーとの組み合わせは最悪と言うべきもので、
 北欧のような男女平等志向社会に比べて労働投入も所得も消費も確実に減るから、
 経済成長率が低迷し財政も悪化、ジニ係数が悪化して貧しくなるのも当然と言える」

「その証拠に、明治安田の調査では日本女性の「理想」の所得は夫の3分の1でしかなく、
 現状は更に不平等で「4:1」なのだと言う。40代以上の学歴差の大きい世代なら兎も角、
 女性の大学進学率が高まった30代以降は言い訳ができない。
 女性自身の強烈なジェンダー意識にも重大な責任がある」

「理想ですら年300万円以下というのもジェンダーそのものだが、
 (完全に「夫が家計を支えるのが当然」という旧態依然の意識である)
 理想では夫があと150万稼ぎ、自分が120万程度の増加だから、
 「ワタシのために夫が働いてより稼ぐのが理想」なのである」

「勿論、日本女性は「犠牲者」の面もある。
 今の40代半ばから上は自立する教育を受けていないこともある」

「しかし、利己主義に固執して今の歪んだ制度を温存していると
 先になればなる程に苦しくなり、社会劣化・貧困化・経済低迷から脱却出来なくなる」

「日本FP協会の調査によれば、日本女性の6割以上が「ゆるく働く」派で、
 その働き方が「自分らしい」と認識している」

「また、驚愕すべきことに「家庭のことに注力したい」割合が
 最も高い(5割弱)のが20代女性という絶句するような数字が出ている」

「日本女性は家事育児負担を押しつけられているのではない。
 自ら仕事を制限しジェンダーの影響の元に自ら選んだ道なのだ」

「育児分担の数値は、意外に公平なものだと分かる。
 日本の夫:妻=4:1は、実際の所得比と同じであり、
 スウェーデンのように3:2まで引き上げたいなら
 女性がより働いて所得を増やさなければならない。
 また、保育を外注して育児より仕事の時間を増やさなければならない」

「東京医大事件の影響は覿面、今年は多浪生と女子受験生の合格率が上昇したとか。
 しかし目先の数字に振り回されて喜ぶ輩は特殊な日本医療を理解していない。
 後年、「東京医大の入試不正が医療を崩壊させた」と言われかねないのだ」

「統計上、女性医師は男性医師より労働時間が明らかに少ないことが分かっている。
 また、女医だけ異常に同類婚が多いというジェンダーバイアスも明白である」

「更に有名な話として、診療科を選択する際にもジェンダー選好がある。
 本来なら各医大・医学部は専攻別の定員を設け、QOL重視の受験生を絞るべきだった」

「かつ結婚・出産の後の開業率が高いのもジェンダーバイアスの強さを示しており、
 先進国としては異常な制度である「自由開業」を維持していることが
 女医が植え付けられているジェンダーを増幅させ勤務医の労働環境を悪化させるのだ」

「日本の高学歴層に専業主婦(パートを含む)が多いのは
 保育サービスが充分に提供されていないからではない。
 そもそもジェンダー婚で多忙な夫を自ら選んでおり、
 しかも家事育児に多大な時間を費やすことを選好しているからだ。
 (その証拠に、家事育児時間が北欧より明らかに長い)」

「残念ながら女医の先生方も一般庶民と同じようにジェンダーが強固である事実は
 (結婚と出産が唯一、職業満足度を高めるという不可思議な傾向が確認されている)
 同志社大学の研究調査によって浮かび上がっている」

「今や医療現場は一刻の猶予もできない。
 自由開業を廃止してドイツのような厳格な規制を導入すること、
 女医の就業抑制を防止する高負担の保険料を医師免許取得者全員に設定すること、
 それを財源として代理要員の高額な人件費に充当するなど産休育休を充実させること、
 配偶者控除は原則廃止して家事育児外注の税控除(←欧州では常識)に切り替えること。
 何もしなければ、日本女性の強固なジェンダーによって数年後の医療現場は悲惨になるだろう」

「矢張り懸念していた通り、東京医大問題がより深刻な問題を招いている。
 直接的には研修制度の変更が契機となったようだが、
 「ゆるふわ女医」「お惣菜」女医の増加が医療界で指摘されている」

「残念ながら、日本の医療現場崩壊も現実化が近付いたと言わざるを得ない。
 岩盤ジェンダーに支配された女医の増加により犠牲になる勤務医が増え、
 本来は必要な開業規制と診療科の統制(人員統制か経済メカニズム)、
 そして労働時間の短い医師から激務の勤務医への所得移転(社会保険による)を怠れば
 東京医大問題よりもより深刻で、より大規模な問題を招くであろう」

「日本では売れないフェミニストと女性問題の本。
 寧ろ日本のジェンダーの特殊性を明らかにした本が次々と出てきて、
 どちらが日本社会の真相に近いか、徐々に明らかになりつつある」

「差別を糾弾しているだけで済んだオールドスタイルのフェミニズムが
 同性にすら支持されていない事実もつい最近に発覚したのである」

「上野・東大名誉教授がヒールを「野蛮」とこき下ろしたのに対し、
 若手女優から「(女らしさの否定も強要と同じく)権利の侵害」、
 「人のセンスを野蛮呼ばわりする方が野蛮」と見事に切り返されてしまったのだ。
 論理的には上野完敗であり、どちらが大学教員なのかさっぱり分からない」

「しかも上野の著作は日本社会で完全に裏目に出ており、
 「差別」されているはずの日本女性は自ら非正規を選び、
 満足度も高いという事実が調査によって裏付けられている」

「医師を対象とした調査で明白なジェンダー差が確認された。
 男性医師より女性医師の方が三割以上は所得が低いのだ」

「現在、女医の比率が増え続けている状況なので年齢要因はあるものの
 これほどの所得差は労働時間の長短によってしか説明できない。
 女性医師は同類婚もしくは上方婚を選好し、育児のため就労抑制しているのだ」

「ドクターXを監修した筒井冨美医師は近著の中で、
 女医は夫の職業で就労が左右されると言明している。
 (「夫が医師だと女医は働かない」とまで述べている)
 高所得高学歴層でもジェンダーに支配されているのは明白だ」

「日本の女性労働者への調査で浮かび上がってくるのは、
 平均値で言えば就労に置かれる比重が男性よりも明らかに軽いこと、
 そして男性よりも他者(社会や企業等)の責任を問う姿勢が強いことだ」

「その傾向は大学生でも同じで、ある座談会では驚くべき発言が出ている。
 「独身のままで「私は楽だよー」って言いたい」
 「まだ大したこともしてもらっていない」
 「国のために子どもを産む気にはなれない」
 当ウェブログでは困窮している同性を見殺しにする冷淡さを指摘してきたが、
 これがまさに「いま、利己的なジェンダーが生まれる場所」とすら言えよう」

「子を持つのは勿論、国のためではないのは言う迄もないし
 従属人口(本格的に働いていない年齢層で、学生も含む)は
 国に保護され公費を投入されて生活しているというのが「常識」である」

「その程度すら理解出来ないのだから、このまま自らの錯誤を覚らず
 実社会に出れば他人の子供から搾取する「フリーライダー(ただ乗り)」確定だ」

「上の世代が根深く日本特有のジェンダー意識に囚われているから、
 大学生がこのような本音をつい吐いてしまうのも無理はない」

「男女平等が進み経済的自立が当然の北欧ならば
 「パートナーの協力不足」などと言わずすぐ離婚する筈である。
 一人親でも子育て出来るように高負担を受け入れる筈である」

「誰がどう考えても受益層が限られるクオータ制よりも
 配偶者控除から育児関連費用控除(or保育現物給付)への転換や
 第三号被保険者の撤廃(北欧にはこのように不公平な差別制度はない)、
 負の所得税による勤労所得増額の方が優先度が高く社会的公正にかなうのだが。。」

「研究史に残る名著『貧困専業主婦』が出版され、
 国際比較研究により日本女性固有のジェンダーが根深いこと、
 北欧のような男女平等が進んでいる地域とは全く異なる意識であること、
 経済的自立を望まず自ら子育てすることを選好していること、
 専業主婦と就業女性の幸福度の格差が世界有数の大きさであること、
 専業主婦の幸福度も世界有数の高さであることが明らかにされた」

「コロナ禍は、日本女性の中にある冷酷な「階級」構造と、
 根深く巣食っている岩盤ジェンダーをも剥き出しにした」

「流行りの言葉で言えば、リモートワークやテレワークは
 「上流国民」の女性労働者のものであり、庶民のものではない。
 或るオンライン調査ではリモートワークが可能なのは20%以下であり、
 大多数の労働者にとっては手の届かないもの、或いは最初から不可能なものなのだ。

 上流国民女性:企業や社会を責め立てて、自分だけの厚待遇とQOLを求める
 中流国民女性:企業や社会のせいにするが、主に家計を支えていないので諦める
 下流国民女性:企業や社会のせいにする余裕すらなく、生活を支えるのに必死

 という構図になり、しかも互いに(少しは)同情はしても
 フランスや北欧のように高負担で支え合おうという「連帯」が極めて希薄である」

「しかも「上流」女性はリモートワークの上に
 家事育児は夫を始めとする家族にもやらせようとしており、
 妥当な対価を払うのは嫌がるという明確な傾向も見出される」

「流行語大賞になってもおかしくなかった「上流国民」だが、
 風刺や毒気が余りに強かったものの本質を強烈に衝いていたことは確かだ」

「さて当ウェブログは少し前に「テレワーク=上流国民」説を提唱した。
 どちらかと言えばこれは日本女性の冷酷な階級構造を指摘したものだが
 どうやら現実がその言葉に追いついてきたようである」

「テレワークできる高所得層とテレワークなど夢物語の庶民との格差は
 グロテスクな迄に拡大して、非正規労働者は雇い止めや解雇の危機に晒されている」

「コロナ禍で苦闘を続ける保健所や医療現場の方々には本当に頭が下がるが、
 同時に見逃せないのはそうした必死の努力を続ける同性を無視して
 日本特有のガラパゴス・ジェンダーの「岩盤」を形成する多数派は
 就業意欲は低下、出世意欲も低下したという調査結果が出ている」

「立派な大学を出ていても「岩盤」ジェンダーを意識化できないのは驚くべきことだ。
 自分が東京に行きたいと思って奨学金を借りたのを日本社会のせいにしたり、
 親ではなく日本のせいにして責任転嫁したり、日本の国民負担の軽さにも無知であったり、
 教育投資効果の大きい名門大学の貸与奨学金を「乗ることのできないベンツ」呼ばわりしたり」

「嘆かわしいことに、ガラパゴス・ジェンダーは高学歴女性の心の中にも浸潤し、
 この日本社会において経済低迷と利己主義を黴のように拡大させてしまっている。。」

「その証拠に、コロナ禍で苦しむ女性達と連帯しようとせず、
 支援は政府の役割であるかのように他人事で責任転嫁する者が多い」

「高い職業倫理と献身精神でコロナ治療の現場で奮闘している方々には
 心から尊敬と感謝の念を捧げたい。彼ら彼女等こそ日本の医療を支えている柱石なのだ」

「ただ、コロナ治療の現場に立っていない医療人も実は多く、
 寧ろその方が多数派なのである。そして、興味深い現象も起きている」

「診療抑制で医療機関の経営が悪化し、医療関係各位の賃金が低下しているのだが、
 その割に日本国民の健康度は寧ろ改善しているかもしれないのだ。
 その証拠に死亡者数は11年ぶりに改善した」

「ある看護師の業界団体は待遇悪化で医療崩壊と主張していたが、
 実際には日本国民の健康が逆に改善しているとしたら皮肉なことだ」

「しかも、大学の研究で更に興味深い数字が出ており、
 コロナ感染者が多い地域でも少ない地域でも看護師は
 「社会は自分たちを犠牲にしている」との意識が強いそうだ」

「つまり、コロナ問題とは殆ど関係なく被害者意識が強い訳で、
 研究者にはぜひ待遇や賃金との関係も調査することをお勧めしたい」

「衆院選の一つの争点がジェンダー平等だとする皮相な見方があったが、
 女性議員比率が寧ろ低下した衆院選の結果は示唆的である」

「建前と本音が乖離する日本型ジェンダーの自己欺瞞を
 自らの行動それ自体で実証してしまったと言うことができよう」

「同性であっても連帯が希薄で自分の利害が最優先だから、
 「18歳以下に現金10万円」みたいなふざけた買票政策を歓迎するのだ。
 これは学歴や所得が高くとも総じて似た傾向が強いため、
 本当の弱者を無視して自分達にばかり給付を求めるという、
 日本社会にとって深刻な問題となっているのだ。。」

「医療関係の管理職女性が困窮している同性は完全無視で仕事を辞めたいとか、
 かなりの高所得と思われるのに手当に尋常でない執着心を見せるとか、
 日本特有のバイアスの強さが如実に示されていて興味深い」

「こうした根深いジェンダーに囚われた者には北欧並みの高負担を適用すると良いだろうし、
 児童手当で逆上するような者には英国のような育児関連費の税控除を用意して
 日本社会のため、困窮する同胞のためにもしっかり働いて納税して頂くのが至当である」

「今年の男女共同参画白書は、評価できる内容だ。
 漸く、漸くにして女性の経済的自立の重要性が指摘され、
 人生の選択肢の多様化とともに(つまり、女性間の格差が拡大し階層化が進んだ)
 寿命が長いので貧困に陥るリスクが高まったことも明記された」

「白書では配偶者控除も槍玉に挙がった。
 第三号被保険者への厳しい批判も時間の問題だろう。
 独身女性の過半が年収300万円以下であることも示された。
 「結婚したくない」理由として「自由でいたい」が上位に挙がっていることも示された」

「それは結構だし寧ろ遅きに失したことであるのだが、
 処方箋が流石は内閣府クオリティで、賃金格差の解消やキャリア教育という
 効果が著しく乏しい拙劣な政策案しか出て来ないのが情けない」

「本来は内閣府のキャリアのような安定収入の労働者に負担を求めるべきで、
 それを財源として低賃金の労働者に給付付き税額控除を適用する。
 第3号は原則廃止、配偶者控除は育児家事外注費の控除に完全転換するのが理の当然だ。
 どうしてこの程度の政策提案すらできないのか、本当に情けない。。」

「地方での産科の減少が顕著になっている。
 これは先進国として異例、歪んだ日本の医療体制と
 日本特有のジェンダーとの「合成の誤謬」であり、
 そして今後は東京医大の事件によって確実に「悪化」する」

「米国ですら女医が負担の重い診療科を避け、地方に行かない事実は鮮明で、
 ましてジェンダー要因で労働投入の少ない日本の場合は尚更である」

「東京医大の事件以来、女子医学生が一気に増え「正常化」した訳だが
 同時にキツい診療科と地域医療は確実に「悪化」することは避けられない」

「2025年以降、日本型ジェンダー要因により診療時間の短い女医が増えるのは確実、
 制度的対応が遅れたことで医療崩壊がじりじりと進むことは避けられないし、
 労働投入の少ない女医の育成に莫大な公費を男性同様に投入することの
 (国公立なら医師一人で公費1億円弱とされる)悪平等が問題視されるだろう」

「内閣府調査で衝撃的な結果が明らかになった。
 まず日本社会全体において「男女の地位が平等」との回答が過去最低になり、
 しかも家事育児負担のために女性活躍が進まないと考えるのが84%もの多数になった。
 また、男性がより家事育児に参加するため職場が協力すべきだと
 調査対象の67%もの者が回答したことも判明したのである」

「これは一つには国内メディアの報道が皮相的でバイアスが強いこと、
 また特に高等教育で歪んだジェンダー教育が為されていること、
 それらが日本独自のガラパゴス・ジェンダー意識を寧ろ強化していることが考えられる」

「メディアが報じず、日本型ジェンダー論者の無視する現実はこうである。
 日本女性の育児に費やす時間は先進国で突出して長く、より男女平等な欧州と異質だ。
 それなのに男性や職場に責任転嫁する意識のバイアスがまさに日本特有なのであり、
 男性や職場に責任を押し付けることで女性同士の連帯の稀薄さを隠蔽し、
 経済低迷や少子化、貧困を深刻化させる社会分断の元凶なのだ」

「その証拠に、パーソル総合研究所の調査で結婚後の男女間のジェンダー差が明らかになっている。
 男性は管理職志向が強くなり、女性は時短志向が強くなるという。
 日本社会の現状は男女双方の責任なのであり、女性は犠牲者ではないのだ」

「所謂「年収の壁」への対策が打ち出されたが、矢張り
 自民党お得意の口だけ政策、大山鳴動して鼠一匹といったところ」

「手取りが減るのが問題なのだから、壁を超えた労働者にはその分、
 保育・学童・外食・中食・高機能家電・家事サービスの控除を認めれば済む話だ。
 106万円、130万円と二段階で額を増やしていけば極めて公平な補填になるし、
 更には就業促進の効果が大きい。働けば働くほど可処分所得が増えるからだ」

「日本は主要国で専業主婦の多い国として知られるが、
 「年収の壁」への抵抗が強い一因が女性側にあるのも事実である」

「人手不足が日本経済の足枷という認識が広まって久しい。
 これは一つには少子高齢化を放置し次世代育成をサボってきた
 歴代自民党政権とシルバーデモクラシーを強化してきたB層の
 歴史的大失態であるのは言う迄もない」

「但し重大な要因が他にもあって、日本女性が大学進学率を大幅に高めても
 ジェンダー意識が旧態依然のままで就労抑制に固執するからでもある。
 「年収の壁」に大胆な改革が行われないのもそれが原因だ」

「日本人を対象とした実証研究でも、「女性は家庭」という歪んだ意識は
 男性よりも女性においてより強いことが明らかになっている」

と当ウェブログは指摘してきた。高学歴高所得層においても日本の特異さは顕著である。。

▽ 日本でイクメン否定派が最多なのは若年女性、大卒若年女性は中高年男性より保守的という驚きの調査

『日本の分断 切り離される非大卒若者(レッグス)たち』(吉川徹,光文社)


懸念した通り、安倍や菅の「愚劣なバラ撒きが日本型ジェンダーと結合し、日本社会を劣化させている」訳だ。。

「少し前、SNSで「産休クッキー」が騒動になっていたが、
 これは女性間の分断、連帯の乏しさを示したものであり、
 かつ日本固有のジェンダー意識のバイアスを示したものでもある」

「これは所謂「子持ち様」批判と通底しており
 ①仕事より家庭や私生活を重視する傾向が強い
 ②公共性や連帯より私的な利害を優先する傾向が強い
 という独自のジェンダー・バイアスの証左なのである」

「同時に、人手不足のいま働ける労働者が300万人規模でいると
 日経新聞が報じているにも関わらず労働投入が増えない理由もそこにある」

「そもそも、「産休クッキーはいらない」「挨拶だけでいい」
 「産休取得者が出ると業務量が増える」というのが職場の多数意見なのだ。
 産休クッキー批判も、お子持ち様批判も、出るべくして出たものである」

「産休クッキー批判も、お子持ち様批判も、男性でなく女性から出ている理由は
 仕事より家庭・私生活を重視するジェンダー・バイアスに由来している。
 だからこそ立場や利害が異なると、解決策の工夫より対立やいがみ合いに繋がるのである」

当ウェブログが警告してきた通りの、嘆かわしい現実は依然として変わっていない。。

 ↓ 参考

過半数が不要と回答、「産休クッキー」で分断が露呈 - 炎上の根本理由は「産休取得で仕事が増える」から
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/1765c3cf87757d09d39953372cb7d825

男性は出世志向が強くなり、女性は時短志向になる - 結婚後のジェンダー差が大きい日本社会
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/e335718cf8f0d4935a8c93c0c847c06a

手当が貰えないなら「怒りで一晩眠れない」- 困窮者は完全無視する、冷酷な日本の利己的ジェンダー
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/64054abb9b75948502df38bafd8e00c8

「独身のままで「私は楽だ」って言いたい」- 大学生にも蔓延る日本型ジェンダー、フリーライダー予備軍に
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/1989e9ae58c043d9e3592f83a1f5aeb5

日本女性の「家計を支える」意識は世界最低、高学歴でもジェンダー強固 - 女医増加で医療現場も崩壊か
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/ad1ab981a4672170a20ee9c61655019b

勤務医を過労に追い込む「ゆるふわ女医」、高学歴高所得女性のジェンダーを証明 - 東京医大問題の背景
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/23da8a7f1d85f80fde0d484713277f19

「家事でお金を貰い、専業主婦になりたい」が半数超、日本女性の本音 -「相手の収入で生活したい」も多い
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/e2fb0ae3e8b642b05aa0d0737fa6dd41

「主たる家計を担う」日本女性は僅か5%、世界最低レベル -「夫が働き、育児も手伝うべき」が本音か
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/dcf01dce53580730ef38ea60ee11c320

▽ 高成長で女性就業率も高いスウェーデン、男女平等と女性活躍には高負担が不可欠





『スウェーデン・パラドックス』(湯元健治/佐藤吉宗,日本経済新聞出版社)


「貧困層だけの問題ではない」 全労連など、最賃大幅引き上げ訴え(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20240625/k00/00m/020/149000c.html
”2024年度の最低賃金(最賃)について議論する厚生労働省の中央最低賃金審議会の審議が25日、始まった。開始に合わせ、千代田区の厚労省前では労働組合の全国組織の全労連や全労協の組合員らが大幅な最賃引き上げなどを訴えた。24年春闘は大企業を中心に大きな賃上げがあったが、最低賃金も同様の引き上げがあるのか注目を集めている。
〔中略〕
 最賃は、ここ数年引き上げが続き、23年度は都内が1113円、全国平均も1004円と1000円を超えた。一方、最賃を引き上げることで、時給が最賃以下となり影響を受ける(引き上げになる)人の割合を表す影響率は10年前には4.9%だったのが19.2%(22年)台になり、最低賃金に近い額で働いている労働者が増えている。全労協の渡辺洋議長は「最賃は今や貧困層だけの問題ではない。多くの労働者の問題だ」と指摘した。また、生協労連の渡辺利賀さんは「今の仕事で生活を成り立たせるには数十円ではなく、数百円の引き上げが必要だ」と訴えた。
 中央審議会は、議論して各地の審議会に引き上げの目安を示す。目安を受け、10月の改定に向け最賃額を決める。【東海林智】”

この労組の主張は、完全に間違っている。
最低賃金の引き上げで適用範囲が広がっているということは
労働者全体の所得増に結び付いていないとうことであり、
かつ時給ベースで考えること自体が誤りであることをも示唆する。


労働組合はデフレの共犯だった AM安河内賢弘会長(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA22BJC0S4A420C2000000/
”――JAMには中小メーカーの労働組合が多く加盟する。デフレの30年を労働組合の立場からどう総括する。
「バブルが崩壊し、組合はリストラを選ぶか賃金を我慢するか二者択一を迫られた。私たち組合は雇用を守る方を選んだ。しかし雇用を守るために非正規雇用、賃下げ、最終的にはリストラも受け入れた。本当に守ろうとしたものは何だったのか」
「労働組合がデフレに陥った戦犯だとは思わないが、共犯であることは間違いな...〔以下略〕”

労組はかつての自らの行動の責任を漸く認めるようになったが、
今さまに行われている「年収の壁」温存という愚行については自覚できていない。


男女賃金格差、先進国平均のなお2倍 改善ペース鈍く(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA203DR0Q3A920C2000000/
”日本の男女の賃金格差が2022年までの四半世紀で15ポイント縮小し、21.3%の差まで縮まったことが経済協力開発機構(OECD)のデータで分かった。企業の待遇改善で差は狭まったが、なお先進国平均の約2倍ある。さらに差を縮めるには、男女が平等に働ける環境整備が欠かせない。
 ノーベル経済学賞の受賞が決まったクラウディア・ゴールディン氏は9日の記者会見で、日本で女性の労働参加率が上昇していることを称賛...〔以下略〕”

この通り、日本における男女賃金格差は先進国で最悪である。
その元凶は以下に見るように「年収の壁」による就労抑制なのだ。


なぜ「年収130万円の壁」がいまだに存在するのか…日本人を貧しくさせる「年収の壁」という大問題(president)
https://president.jp/articles/-/82887
”どうすれば日本の経済はよくなるのか。伊藤忠総研・副主任研究員の中浜萌さんは「所得を増やし、消費を回復させることが重要だ。『年収130万円の壁』を取り除くことで、パートやアルバイトの人たちの労働時間や所得が増え、日本経済の追い風になる」という――。

■「年収の壁」が所得減・人手不足を招いている
 パートタイム労働者の労働時間が減少し、人手不足が加速する一因となっている。厚生労働省の「毎月勤労統計」によると、労働時間は月96時間から81時間に減少、1日当たりでみれば4.8時間から4.0時間に減少した。
 この背景には、パートタイム労働者が「年収の壁」を意識して、労働時間を抑制していることがある。
パートタイム労働者の時間当たり賃金は、2005年1月の955円から2024年の3月には1326円と39%上昇した。一方、労働時間が減少しているため、年収ベースでみれば110万円から129万円と17%の上昇にとどまっている。
〔中略〕
■約445万人が就業調整をしている
 総務省が5年おきに公表している「就業構造基本調査」では、「収入を一定の金額以下に抑えるために就業時間や日数を調整しているのか」との質問があり、就業調整をしている非正規雇用者(パート・アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託の合計)の人数を把握することができる。
 最新の2022年調査によると(図表2)、非正規雇用者2111万人のうち就業調整をしている人数は537万人となっている。年収別では、「50万~99万円」と「100万~149万円」の区分で突出して多く、これらの区分で合計445万人、つまり、非正規雇用者の約21%が「103万円」「106万円」「130万円」の「年収の壁」を意識して労働調整をしていることが分かる

 一方、企業の人手不足は深刻である。日銀短観の雇用人員判断DI(過剰-不足)によると、2024年3月調査で▲36%ポイントの不足超過、このうち飲食・宿泊サービスでは▲70%ポイントの不足超過と、特にサービス産業で人手不足感が高い。
〔中略〕
■政府は「年収の壁・支援強化パッケージ」を打ち出したが…
 人手不足の加速を受けて、政府は昨年10月から「年収の壁・支援強化パッケージ」を実施し、「社会保険上の壁」である「106万円の壁」と「130万円の壁」への対策を開始した。

 具体的には、「106万円の壁」に対しては、労働者の手取りが減少しないよう取り組む企業に対して最大50万円までの助成金を支給し、「130万円の壁」に対しては、年収が130万円を超えても連続2年までは配偶者の社会保険上の扶養にとどまれることが可能となっている。
 しかしながら、政府の公表によると、「年収の壁・支援強化パッケージ」の申請者数は、2024年1月末時点で14万人と、「年収の壁」を意識して就労調整する445万人の3%程度にとどまっている。
〔中略〕
■複雑な制度で、浸透していない
「年収の壁・支援強化パッケージ」の利用が進まない背景には、適用期間が最大で2年間に限定されることや、その後の対応が決まっていないこと、制度が複雑なことなどが考えられる。
 派遣情報サイト「エン派遣」を運営するエン・ジャパンの2月時点のアンケート調査によると、「手取りが減らないとしたら、年収の壁を越えて働きたいと思いますか?」との質問に対し、全体の67%の人が「働きたい」と回答した一方で、「年収の壁・支援強化パッケージ」について詳細まで知っていた人は10%にとどまり、さらに、制度を「既に利用している」人は僅か1%となった。
〔中略〕
■30年間放置された「130万円の壁」を見直したほうがいい
 実は、社会保険上の壁である「130万円の壁」は、1993年までは段階的に引き上げられてきた。
 1977年から1986年までは所得税に応じて改定され、1977年に70万円、1981年に80万円、1984年に90万円と引き上げられた。
〔中略〕
 しかし、1994年以降、壁の水準は「130万円」から一度も見直しされていない。
 この間、賃金は大幅に上昇している。「毎月勤労統計」によると、時間当たりの所定内給与は、一般労働者とパートタイム労働者を合わせた全労働者では、1994年から2023年にかけて約1.2倍、パートタイム労働者のみでは約1.4倍に上昇している(図表4)。
 仮に、「年収の壁」がパートタイム労働者の賃金上昇に応じて引き上げられてきたとすれば、壁は「130万円」から「187万円」に上昇していたことになる。

■「187万円」への引き上げが人手不足、景気対策になる
 厚生労働省によると、1994年以降、「130万円の壁」が引き上げられてこなかったのは、賃金の上昇が止まったからだとしている。確かに、パートタイム労働者の賃金は、2005年頃までほぼ横ばいとなっていた。しかし、その後は、労働需給を反映して賃金が上昇しているにもかかわらず、壁は引き上げられていない。
「年収の壁」を賃金の上昇に応じて「130万円」から「187万円」に引き上げれば、就業調整をしているパートタイム労働者445万人の労働時間は、現在の1日当たり4.0時間から最大で6.1時間まで増加し、労働投入量(労働者数×労働時間)は最大で全体の2.1%程度増加する。
 当社の試算では、実質GDPの成長率1%に対して労働投入量は0.59%必要なため、今後景気の回復が進めば、人手不足が一段と加速することが予想される。仮に、壁を「187万円」に引き上げれば、労働投入量は最大で2.1%拡大することから、今後1%程度の成長率が2年程度続いたとしても、労働力不足が成長を妨げることは避けられるだろう。

■年間64.5万円の所得が増える
〔中略〕
 今後も、物価上昇が続くと予想される中で、個人消費が回復していくには、賃金の上昇が必要になるだろう。連合が6月5日に公表した春闘の第6回集計によると、正社員の賃上げ率は平均で5.08%と1991年以来の高い上昇率となった。
 物価の上昇、労働需給の逼迫、企業業績の改善を背景に、大企業を中心とした賃上げの動きが中小企業にも広がっている。これに加え、「年収の壁」を賃金上昇に応じて引き上げれば、パート労働者の労働時間や所得の増加も見込まれ、消費回復の追い風となることが期待できる。
 先述の通り、年収の壁が「187万円」まで引き上げられた場合、所得は1人当たり年間で64.5万円増加する(時間当たり賃金は、毎月勤労統計の2023年平均値1279円を使用)。
 総務省の「家計調査」によると、パートタイム労働者が多いと思われる所得階層II(世帯年収が500万~638万円)、所得階層III(638万~780万円)では、消費が所得に占める割合を表す平均消費性向は2023年で0.69となっており、所得増加によって消費は1人当たり年間44.5万円増加する試算となる。

■「130万円の壁」は非効率で、時代遅れになっている
「年収の壁」を意識して就業調整している445万人の合計では、年間1兆9958億円の消費が増加することになり、この結果、GDPベースの個人消費は0.6%程度押し上げられる。つまり、「年収の壁」を賃金の上昇に応じて「130万円」から「187万円」に引き上げることで、人手不足が緩和するだけでなく、消費回復も見込めることになる。
〔中略〕
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中浜 萌(なかはま・もえ)
伊藤忠総研 副主任研究員
2009年3月、慶応義塾大学経済学部卒業。09年4月、日本銀行入行。統計作成、国内経済(物価・市況)の調査・分析に従事。21年9月、伊藤忠総研入社。〔以下略〕”

非情に優れた分析である。労組もメディアもこれを熟読して反省すべきだ。
但し、若手エコノミストなので無理もないが処方箋は非力である。
当ウェブログが従前より主張しているように、年収の壁を超えた労働者には
「働き損」にならない程度の育児家関連外注費の税控除を適用する方が遥かに効果的だ。
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