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『週刊東洋経済』7月20日号 - リニア新幹線は失敗必至、川勝知事が辞めて却って困難が明らかに

2024-07-19 | 『週刊 東洋経済』より
東洋経済は他経済誌が合併号になっている隙に
私学特集を出すという商売上手なところを見せた。
「「難関校でなくても有名大合格が目指せる」より「中学受験をして本当によかったのか?」の方が遥かに重要」
「「偏差値45からの中高一貫校選び」「受験率は過去最高」となると、少子化加速だろう。。」

と以前に書いた訳だが、概ね想定通りの内容である。

記事「中学受験をして本当によかったのか?」は期待通りに良い内容で、
編集部は、中学受験の後に引き蘢りになったり退学したりという
惨憺たる事例に驚いているが、こうしたことはどこの家庭でも隠すので
愚かな「私学幻想」は止めるべきであるし読者を幻惑するのも慎むべきだ。
学校の良し悪しと、個々の子供にとって良いかどうかは完全に別問題だから。

私学は単に、少子化に危機感を強めていて生徒確保に必死なだけで
それが生徒にとって良い影響を及ぼすかどうかとは全くの別問題だ。
いかにも新しい、魅力的なプログラムやコンテンツを誇示して
毎年の入学者確保と入試での集客活動に熱心なのは経営のためであり
根本的に個々の生徒のためではないという本質を知らなければならない。

だから、編集部は入学後や卒業後のESを調査し、
「学風に合う生徒・合わない生徒」「教育方針やカリキュラムの長短」
を明らかにすべきである。中堅以下の私学の費用対効果が相当悪いのは
計量分析でも容易に計測できる筈であろうに。。


尚、エントリーのサブタイトルはジャーナリスト金田氏の連載より。
川勝知事の抵抗がなくなったため愈々リニア新幹線の失敗が露呈するとの主旨で、
(論拠を複数挙げているのだが、詳しくは熟読されたい)
利害関係者やイデオロギストでもなければリニア新幹線の経済性の悪さは
歴然としていて、採算が取れる形で開通すると考える者はいない筈である。
矢張りリニア新幹線は「令和の戦艦大和」となる運命である。

今週の東洋経済は、在日中国人の地下銀行のレポートも興味深く
西川口の中国人地下銀行には「クロ」が多いとはっきり書かれている)
メイン特集よりもそれ以外で興味深い記事が多い。

『週刊東洋経済』2024年7/20号 (偏差値45からの中高一貫校選び)


佐藤優氏は、今週の連載でも手の内を明かしている。
対ラトビアだけでなく対ロシアでも対イスラエルでも
カウンターパートに「浪花節」が通じると書いており、
矢張り氏には強いヒューミント・バイアスがあると判断できる。
ロシアのウクライナ侵攻のような非常事態において
先の見通しや分析がなかなか上手くいかないのも
浪花節的なヒューミントへの依存度が高ければ至極当然だろう。

    ◇     ◇     ◇     ◇

ダイヤモンド合併号の相続特集、すっかり定番になった。
生前贈与の変更点やタワマン節税への包囲網以外に
注目点としては空き家活用の手段が増えてきて
そのまま貸すというのが意外に効果的という指摘。
立地にもよるかと思われるが、興味深い話である。
奥の手として「国庫帰属制度」利用というのも盲点になりがちだ。。

『週刊ダイヤモンド』2024年7/13・20合併特大号 (相続・生前贈与・実家)


佐藤優氏の連載が今週も宜しくない。
北朝鮮の風船が日本にとっても脅威という話なのだが、
これは氏以外にも喧伝している論者がおり新味がない。
また、風船は太平洋戦争中の日本を考えれば分かるように
遠隔地になると的確にピンポイントで落とすのが非常に難しい。
距離的に近い韓国なら効果的だが遠い日本となるとせいぜい脅かす程度だ。

氏は、安全保障の研究者に敬意を払って学ぶべきであり
例えば日本の場合は在留外国人が容易に米軍基地に接近できて
破壊工作が可能な状況になっていると布施哲氏が指摘しているし
自衛隊員の配偶者に相当数の中国系の者がいるのも有名な話、
北の風船よりも遥かに問題が深刻なのを知るべきではないか。
賢明な読者は他の専門家の見解とよく突き合わせ検証した方が良い。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週はダイヤモンドに注目(今年指折りの好特集かも)、パワハラだけでなくやりがい&政策力ランキングも!

▽ 転勤多いと不人気というのも今風だが、「役所OB・OG社外取ランキング」も見逃せない

『週刊ダイヤモンド』2024年7/27号 (公務員の逆襲)


▽ 東洋経済の特集も着眼点が良い、「見せ方上手のサントリー」「ズルする企業がトクをする」はまさに至言

『週刊東洋経済』2024年7/27号 (機能性表示食品、トクホ、サプリのウソ・ホント)


▽ エコノミストは先見的な宇宙ビジネス特集、ただ矢張り日本はニッチ狙いか。。

『週刊エコノミスト』2024年7/30号【特集:宇宙 ビジネス新時代】

なぜか地熱発電のレポートも、「潜在力は世界3位 開発が一筋縄では進まない現実」とある。
(これも安倍・菅コンビの暗愚と失敗の一例である)
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2024年7月16日チャート(3097,7606)

2024-07-16 | 注目対象…譲渡益税分は寄付に廻して下さい
先月、「政府の介入も近いし、今回の旬は短いかな。。」と書いた訳だが、
案の定というか東証は急落に見舞われている。

もしトラからほぼトラへ、市場での織り込みが進むなかで、
また遂にFRBの利下げ転換の時が刻々と迫るなかで、
円高転換シナリオを考慮しなければならない局面と判断している。

勿論、トランプ円高は起きない可能性もあるのだが、
円の購買力平価からの乖離は歴史的な水準に達している。
トランプのバラ撒きによる財政インフレとプーチンによるウクライナ侵攻が相俟って
生じた歴史的なインフレは既にピークを越えており円安は明らかなオーバーシュートだ。


7606(5年チャート) コロナ前の水準にはいまだ戻っていない


3097(5年チャート) 昨年の最高値から調整中だが、円高の援護があれば反転もあり得る形に


※ 以上のチャートはRakuten.sec

▽ 繰り返すが「今の東証はバフェット指数において歴史的な割高」、NYに振り回される運命は不変

『バフェット解剖 世界一の投資家は長期投資ではなかった』(前田昌孝,宝島社)


※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
※ このウェブログを参考とし、めでたく投資収益を得られた方は、
  収益への課税分を社会に貢献する組織・団体に寄付して下さい。
  (当ウェブログの こちらのカテゴリーも御覧下さい。)
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初夏の新刊-『女性の階級』『誰も書かなかった統一教会』『弱者男性1500万人』『学校行きたくない』等

2024-07-15 | こんな本を読んでいます
連休ですので恒例の新刊紹介です。

トランプ元大統領が狙撃されるという世界に影響を及ぼす大事件が起きましたが
丁度、安倍元首相が狙撃される原因となった旧統一教会問題について新刊が出ています。
もしトラでなくほぼトラに向け加速しそうな米国とは対照的に
自民党安倍派と特定宗教団体との癒着の闇が追及されるようになった日本。
日米の相違の大きさを益々痛感させられる週末となりました。

さて他には、何故かジェンダー関連の新刊が多かったのが不思議、
女性研究者や女性著者のバイアスの強さが気になった今日この頃でもあります。


『誰も書かなかった統一教会』(有田芳生,集英社)


 → フレイザー委員会の報告や世界日報での内紛なども掘り下げ、
   旧統一教会の異様な実態を明らかにしたレポート。
   このような団体と深く関わっていた安倍派の苦境は自業自得である。


『オーバーツーリズム解決論 - 日本の現状と改善戦略』(田中俊徳,ワニブックス)


 → 登山者を厳しく制限する台湾の玉山(かつての新高山)に
   環境対策で大きく劣っている日本の富士山の残念な実態を明らかにした。

   但しこの本は大衆インバウンドが中心で
   日本において課題のハイエンド観光には全く触れていないのが残念。
   マーケティングよりはユネスコの遺産・文化保護の視点である。


『なぜ難民を受け入れるのか──人道と国益の交差点』(橋本直子,岩波書店)


 → これは批判的考察が必要な新刊。
   高邁な理想に固執し過ぎているのが一目瞭然で、
   難民受け入れがドイツはじめ欧米各国で問題化しており
   欧州では極右政党が勢力伸長している現実を無視している、
   (ノルウェーを言い訳のように取り上げているのが如何にも苦しい)
   国内であればクルド系難民の実態を調べた研究者の実地調査などから謙虚に学ぶべきでは。


『弱者男性1500万人時代』(トイアンナ,扶桑社)


 → 日本の男性は女性より不幸でかつ短命・孤独・発達障害が遥かに多く
   深刻という悲しい現実を初めて指摘した貴重な一冊。
   この事実を女性側から認めたのは珍しい、高学歴女性による
   上から目線の「男性は降りろ」論より感覚がまともである。


『女性の階級』(橋本健二,PHP研究所)


 → 女性間の格差は男性より大きく、
   階層意識は夫の所得や階層から強い影響を受けている事実が判明。

   尚この本の「再分配」の定義は「豊かな人から貧しい人へ」という欺瞞的なもので、
   平等に高負担な仏・北欧の再分配とは全然違うのに注意したい。


『ルポ 若者流出』(朝日新聞「わたしが日本を出た理由」取材班,朝日新聞出版)


 → 韓国に比べれば規模はかなり小さいものの、
   一般に認識されにくい日本社会の裏面を捉えた一冊。

   但しジェンダー差の大きさを理由に海外に出る層は僅かである筈で、
   日本女性の幸福度が男性より高く、かつ他先進国の女性とは逆に
   上昇傾向にあることから容易に推測できる。


『不登校の9割は親が解決できる 3週間で再登校に導く5つのルール(小川涼太郎,PHP研究所)


 → 業者の宣伝のように見えるのだが、
   不登校の原因分析や具体的な対策が説得的で非常に興味深い。
   (まだ事例が少ないのが欠点で今後の実証研究が重要になるだろう)


『学校 行きたくない: 不登校とどう向き合うか』(榎本博明,平凡社)


 → 親はとかく学校批判・社会批判に傾きがちになる不登校問題だが、
   感情論を排して子供自身の要因や家庭環境要因をも冷静に指摘したのは
   的確であり実効的な対策に必要な視点である。


『不適切保育はなぜ起こるのか──子どもが育つ場はいま』(普光院亜紀,岩波書店)


 → 女性が弱者だと決め付け過ぎる通弊があり、
   保育士の劣悪待遇の根源に家庭が適正な料金を負担していない問題があり
   欧州に近い重税か高負担が必要なことを何故理解できないのかが不思議。
   (社福幹部の補助金絡みの不正や不祥事にもかなり甘い)


『天空の庭』(KAGAYA,河出書房新社)


 → 最後に連休に相応しいこちら。
   初めて見たら誰もが驚く、何も知らなければ
   CGと思ってしまう珠玉の作品集。

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2024年7月第2週チャート

2024-07-14 | 注目投資対象・株価の推移
トランプ狙撃事件は米国の病弊の深刻さを示した。
民主党はこれで、オバマがバイデンに代わるか副大統領候補として
銃規制強化を掲げるしか勝つ方法がなくなったと言えよう。

犯人は愚かにもトランプ大統領の再来の可能性を高め、
野放図なバラマキによる米国経済の低迷をもたらすだろう。

元々、現下のインフレの発端はトランプによる財政出動によるもの、
つまり財政インフレがロシアによるウクライナ侵攻によって加速し
数十年ぶりの歴史的な水準に達したのである。

エゴイストで身勝手なトランプはFRBに強い不満を漏らしている。
現下のFRBは金融引き締め中だから、ドル安円高への転換の可能性が高い。
だからこそ「もしトラ」でインフレと警告する声が出ているのだ。

インフレに不満を持つ米国民が、愚かな衆愚行動により
「トランプ・インフレ」をもたらす自滅行為に陥るリスクが高まった。

また、インフレ下でも米経済の堅調さを支える大きな要因は
紛れもなく巨額のウクライナ支援であり、トランプ再来はそれも妨害するだろう。

つまりトランプ大統領の再登板は、単に多くのウクライナ人を苦境に追いやるだけでなく
大苦戦していたロシアとプーチンを助け、NATOへの負担をより重くするのみならず
(下手するとウクライナは侵略者によって更に国土を奪われることとなろう)
米経済にも大打撃を与える米国の自滅行為となるであろう。

トランプのウォール街寄りの政策を当て込んで株式市場は浮かれるかもしれないが、
騙されてはならない。これは米経済の地位低下を示す泡沫の花に過ぎないからだ。

東証への影響は、確実にマイナスである。
トランプのドル安は円高を意味し、日本企業を支えていた重要な柱が崩れ「片肺飛行」になる。
再びNYに劣後する展開が想定されよう。勿論、アベクロによる自国貧困化政策、
つまり日本国民の実質賃金低下によるバブルが修正されるという副産物はある。
国民を欺いてきたリフレ・カルトにとっては因果応報、トドメの一撃となろう。


ドルは対円で急落、上方トレンドのレンジ内に見えるが利下げとトランプ・ドル安の二重苦で大転換は近い


ユーロはドルで続伸、週明けはトランプ狙撃事件の影響を見極めたい


(以上のチャートはZAi)

8316が急落、日銀による引き締めの必要性が薄れるので今後は要注意である


円高を織り込み始めたか、7606が底打ちの形になりつつある


こちらも円高メリット大の3097、日本国内のスタグフレーションに漸く出口が見え始めた?


(以上のチャートはRakuten.sec)
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『週刊エコノミスト』7月16日合併号 - 大阪・名古屋に続き、東京も2030年半ばに衰退へと向かう

2024-07-12 | 『週刊エコノミスト』より
エコノミストは「マンション管理&空き家」特集。
マンション管理については他誌と競って新しい情報を
入れようとする努力の跡が見える。
注目記事としては日下部氏の中古マンションの判断基準で、
明らかに今の首都圏のマンションは割高だから
(アベクロコンビの日本貧困化政策の悪影響が大きい)
シンプルで分かり易い内容はかなり実用性が高い。

エントリーのサブタイトルは32頁で、これは非常に重要。
「東京も間もなく「衰退」予測 タワマンの厳しすぎる未来」
という秀逸な記事かつ市場分析である。

人口面では大阪は2000年頃がピークで衰退に向かっているが、
現在は名古屋が人口のピークに達して衰退に向かう直前である。
そして東京は2035年頃に人口がピークに達し衰退に向かう見通し。
(同時に福岡・札幌・仙台も人口ピークで衰退に向かう)
森知也・京大教授は「低層化で地域の再構築を」との主張で、
全く以て同意見である。(「人口減少の効果のほとんどは負」にも同意見)

79頁では牧野氏が、人口減少なのに賃貸住宅が作り続けられていると
これまた非常に鋭い警鐘を発しており、バブルに浮かれている
迂闊な輩の足元が極めて危ういことを示しており必見だ。

『週刊エコノミスト』 2024年7/16・23合併号


市岡繁男氏の連載も興味深い。
日銀の金融緩和(資産拡大)とNYダウの上昇が
特に2016年以降は不気味に一致しており、
2023年からは円安とも一致し始めた。
今年からはFRBも日銀も姿勢転換だから
市場は思いっきり梯子を外される局面に入りつつあるのだ。。

    ◇     ◇     ◇     ◇

東洋経済の出版社特集は小粒な領域だが力作だ。
儲かる漫画とIP事業に突き進む講談社に
コンサル会社が示したという事業マッピングがよく出来ていて
プレゼン用に作成する資料としてお手本のような内容である。

他方、KADOKAWAは今回のランサムウェア問題で
かなりの大打撃を受けている筈で、他誌でも良いので続報を待ちたい。
(オンライン学校を運営するには経営層の認識に問題がある企業だと思う)


メイン特集より11ページの「日本企業にインドブームはなぜ来ない」と題した
コラムの方が質は高いだろう。(日本企業の保守退嬰を批判した堂々の正論である)

『週刊東洋経済』 2024年7/13号 (アニメ・エンタメ帝国の覇者 集英社、講談社、小学館の野望)


佐藤優氏の連載は、氏の手の内を晒している興味深い内容だった。
氏はラトビアの体制派・反体制派の双方とコネを築いていたことを
説明しているのだが、氏が今、各勢力や各メディアに対して
時折妙な秋波を送っている手法と酷似しているのだ。
情報を得ようとしているのか、言説を売り込む素地を作っているのか不明だが
(その両方かもしれない)矢張り氏の分析はバイアスを警戒すべきだろう。

今週のAERAでは氏は官邸関係者と繋がりがあることを公言しており、
沖縄での米兵の事件が伝わってなかったのはボーンヘッド(不注意)に過ぎないと
被害者家族や沖縄県民が聞いたら激怒するようなことを平然と書いている。
(これは不注意などでは全くなく重大な判断ミスであり、組織的保身の可能性が疑われる)
案の定だが、対ロシアでも対イスラエルでも対官邸でも全く同じで、
情報を得るカウンターパートを庇い言を左右する点で氏は一貫している。
氏の巧みな術策に嵌っているメディアは、相当注意しないと掌で転がされかねない。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週は東洋経済に注目、「偏差値45からの中高一貫校選び」「受験率は過去最高」となると、少子化加速だろう。。

▽ 「難関校でなくても有名大合格が目指せる」より「中学受験をして本当によかったのか?」の方が遥かに重要

『週刊東洋経済』2024年7/20号 (偏差値45からの中高一貫校選び)


▽ ダイヤモンド合併号も取り上げる予定

『週刊ダイヤモンド』2024年7/13・20合併特大号 (相続・生前贈与・実家)

空き家関連はエコノミストの方が優れているが、見ておきたい記事もある。
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