みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

『週刊エコノミスト』5月24日号 - 火力の発電効率は4割以下、6割を熱として捨てている!

2011-05-17 | 『週刊エコノミスト』より
今週の『週刊エコノミスト』の特集は「脱原発」でした。
アンテナの鋭い読者だけでなくメディア関係者にもお薦めの鋭い特集。

『エコノミスト』2011年 5/24号


P25で今井伸・ガスエネルギー新聞編集局長が
「電気と熱を供給できる分散型システムが日本を救う」と説いています。

火力発電所の発電効率は約40%で何と
60%を熱として捨てており、
送電ロスなどで更に5%を失い、35%しか届かないという現状。
「資源浪費」と指摘されているのもまことに尤もです。

「コージェネの普及による日本全体の省エネ効果は絶大」
という電力不足解決に決定的な重みを持つ箇所は必読です。

P27にはJOGMECの石井彰氏のコラムもあります。
概ね賛成ですが、太陽電池に反対し燃料電池を推進するのは
コストの面で合理的とは言えません。
(今の時点ではヒートポンプやコージェネの方がコスト対効果に勝る)

震災に強いことが実証された洋上風力や
電力ピークに対応できる太陽電池は重要な切り札であり、
適材適所で利用することこそ「合理的」と言うべきでしょう。

P34の松原弘直氏の論考にある通り、
世界の太陽光と風力の発電導入量は凄まじい勢いで増えています。

「日本は風力発電に向かない」と保守退嬰の言い訳をやめ、
風力に恵まれた場所を隅々まで探してエネルギー価格上昇に備え、
電力供給リスクをも軽減することこそ最優先課題です。

    ◇     ◇     ◇     ◇

特集後半も内容充実で、見逃せません。

○家庭用太陽電池だけで1000万kwは導入可能(問題はコスト)
○洋上風力においては北海道、本州太平洋側のポテンシャル大
○小水力は信越をはじめ福島、群馬、静岡、山形等が期待できる

地熱は矢張り開発コストから考えて厳しそう。

意外に期待できそうなのはP90の木質バイオマスで、
森林の蓄積量・成長量ともに豊かな日本は
特に中部や震災被害の大きかった東北で熱利用を進めるべきでしょう。

    ◇     ◇     ◇     ◇

今週の『週刊東洋経済』は海外投資特集。

東洋経済は新しい編集長になってからバランスが良くなったと思う。
特に今週の為替関係の記事は、論者のスタンスに偏りがある
週刊ダイヤモンドの特集よりも優れている。
(ダイヤモンドは田中泰輔氏のコラムだけが圧倒的に質が高い)

当ウェブログで年頭に予想したように
ドル円が反転すると考える専門家が多いようです。

『週刊東洋経済』2011年 5/21号


週刊ダイヤモンドのこの特集も良かったのですが、
これはエントリーを改めます。

『週刊ダイヤモンド』2011年 5/21号

ダイヤモンドは2週連続で良い特集だと思います。
Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 国内企業の持つ自家発電能力... | TOP | 冨山和彦氏、資産課税を唱え... »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | 『週刊エコノミスト』より