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『週刊東洋経済』2月10日号 - 矢張り日本の年金は「逃げ切り世代」を容認、東洋経済でつい白状した

2024-02-09 | 『週刊 東洋経済』より
東洋経済の特集「データ錬金術」は大袈裟なタイトルだが悪くない。
犯罪組織が古典的な手法でデータを集めているのも分かるし、
(特集に記載ないが、内部者が個人情報を漏らしているという話がある)
データビジネスでまだ良い事例が少ないということも分かる。
52頁の「データビジネスで稼ぐ方法」は良記事だが。。

『週刊東洋経済』2024/2/10特大号 (データ錬金術)


エントリーのサブタイトルは巻頭の「ニュースの核心」、
東洋経済コラムニストの野村氏の執筆である。
タイトルは「日本の公的年金は逃げ切り世代を許さない」と勇ましいが、
内容は全く逆である。だから最初、何かの皮肉かと思ってしまった。

内容は単純明快で、マクロ経済スライドがあるし、
政府試算からも年金の「逃げ切り世代」は誤解なのだと言う。
人口動態の予想すら外している日本政府の試算を真に受けるのも問題だが、
マクロ経済スライドはデフレ時に発動できないとやっと最後に白状し、
高齢世代が納得して法改正に納得するだろうと甚だ情けない結論になる始末。。

せめてカナダの厳しいクローバック制度やスウェーデンの年金財政調整くらいは
調べてからものを書いた方が良いのではないか。。
因に、マーサーの公的年金ランキングでは日本は持続性の評価で最悪レベルだ。

    ◇     ◇     ◇     ◇

ダイヤモンドは恒例特集、
「苦境のサマンサは日本ブランドとしてアジアに出ればいいのに」
と先週書いたが、他にも苦しい企業が多いのに驚かされる。。
(アベクロの異常な緩和による弊害も見てとれる)


ところでダイヤモンド誌の「数字は語る」は良記事が多いが、
今週は大いに外している。みずほ証券の小林氏の執筆で、
日本経済の問題の本質は労働分配率の低下にあるとし
弱気な連合の賃上げ姿勢を批判する内容である。

執筆者は、労働分配率が大幅低下したのは大企業だけであり
連合の賃金交渉で賃上げが望める労働者が少数派である事実すら知らないらしい。
そもそも大企業の労働コストを低下させる異次元緩和中毒こそ元凶であり
(因に日本企業全体の売上高は低迷して久しく、内需低迷がアベノミクスの失敗を物語る)
高齢者三経費にバラ撒き続け「年収の壁」を温存する保守退嬰の政策が
低成長と消費低迷に直結したという現実をそろそろ認識して欲しいものだ。

『週刊ダイヤモンド』2024年 2/10号 (倒産危険度ランキング2024)


尚、佐藤優氏の書評は今週も宜しくない。
台湾市民のバランス感覚を称賛しいずれ安定に向かうとの説だが、
安易すぎる。現在の民進党の党勢は中共の強硬姿勢に支えられており、
中共は「二つの中国」を断じて認めないから安定など一時的である。
軍事力と経済力での非対称性は明白であり、台湾海峡と米国によって
辛うじて自由を守ることができたという脆弱性は何ら変わっていない。
台湾海峡の軍事バランスが中国不利に傾くことは当面考えられないから尚更だ。

    ◇     ◇     ◇     ◇

エコノミストは今まさに注目の半導体特集、
「エヌビディア頼みで言うほど状況は良くないと思う。。」
と先週書いたが、当たらずと言えども遠からずだろう。

メイン特集では、日本の半導体業界は企業再編が必要との指摘が秀逸だ。
あのインテルですらTSMCに劣後しているのが現実であり
日本のTSMC工場も最先端では全くないのだから。。

当ウェブログは「IOWNや光半導体が実用化・普及に成功するなら話は別だが」
と先週書いたが、どうやら話はそう簡単には行かないようである。。

『週刊エコノミスト』2024年 2/13号【特集:半導体 日本復活の号砲】


ところで市岡繁男氏は現下のリスクシナリオとして戦争拡大を挙げている。
その場合、株価は最悪四割安程度ではないかとの見方だ。
確かに巨額の米債務は大問題だが、米国やイスラエルは勿論、
口先では強がるロシアもイランも余裕などない筈であり、
(ロシアは大攻勢が不可能になっているし、イランはパキスタンとも揉めている)
2024年はガザでもウクライナでも停戦を見据えた動きになる筈である。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週は東洋経済に注目、「「塾には行かせられない」「結婚相談所は退会した」 低賃金にあえぐ介護職」とある。

▽ ケアサービス労働者を安くこき使って来た日本社会、経済低迷は自業自得である

『週刊東洋経済』2024/2/17号 (介護 異次元崩壊)


▽ メイン特集は疑問符が付くが、サブのリニア新幹線は重要(世紀の大失敗になりかねない案件)

『週刊ダイヤモンド』2024年 2/17号 (識学大全)


▽ タイミング絶妙のエコノミストは合併号、編集部も働き方改革なのか?

『週刊エコノミスト』2024年2/20・27合併号【特集:金&暗号資産】

暗号資産は米ETFの件で目下の焦点だが、個人的には税務面でETF以外はあり得ないと思う。
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