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大西・長尾議員の本音はメディアの「人民日報」化、中共の同類になりたいのか - 悪しき戦前への回帰

2015-07-01 | いとすぎから見るこの社会-対アジア・世界
当ウェブログは2015年は「保守自滅」の年だと予言してきたが、
まあ予想通りと言うか馬鹿馬鹿しい末路となっている。

日本の保守はイデオロギーに浸潤されて根本的に戦前の歴史への理解が乏しい。
偉大な明治の先人が立脚していたリアリズムを捨ててしまい、
狂信的なナショナリズムに従った結果があの焼け野原であることを分かっていない。

メディアからの異論反論にいちいち感情的に言い返すのは
いかに論理的に弱く知的に劣っているかの証左である。

自らに理があるなら堂々と説得すれば良いのだが、
うまくいかず苛立っているのは単に論理が脆弱で事実認識が甘いからだ。

帝国議会で「黙れ!」とどなった佐藤賢了や、
東條の悪評高い取り巻きである三奸四愚のように
論敵を論破できず、権力と暴力で沈黙させようと図るメンタリティが現代に生きていると、
今回の自民党の「勉強会」が証明したと言える。

自民党議員の中には、昭和の悪しき言論弾圧の歴史に無知な輩が確実にいる。
そのような連中が教育を論じるなどとんでもない傲慢不遜である。
(日本史を学んだ高校生にすら劣っている訳だから)

いかに戦前のメディアが沈黙し、政府の発表を垂れ流すだけの存在になり下がったか、
きっちり研修を行わなければまた無知な放言を繰り返すであろう。

彼らに相当の厳しい処分を行わない限り、
自民党も本質的に彼らのシンパであると判断せざるを得ないだろう。

▽ 狂信主義者が国内メディアを攻撃する、戦前と全く同じ構図である

『太平洋戦争と新聞』(前坂俊之,講談社)


安倍首相は上っ面では誤りを認めようが、それは本音ではない。
選挙を気にして取り繕っただけに過ぎず、本音は違うのである。

「各媒体の世論調査が興味深い傾向を示している。
 集団的自衛権をはじめとする安倍内閣の安全保障政策への支持率は低く
 概ね半数を割り込んでいるが、自衛隊に対する世論は対照的だ」

「自衛隊への信頼度は安倍内閣支持率より高く、印象も良い。「自衛隊を強化すべき」も過去最高だ。
 つまり安倍内閣の安全保障政策より自衛隊への支持率の方が歴然と高いのである」

「人よりコンクリートにカネを使い、土建バラ撒きで寧ろ復興を妨害している安倍内閣より
 震災や災害で泥をかぶり必死で生存者やご遺体を探す自衛隊の方が
 国民に支持されているのは極めて当然である」

「ただ、そうした「支持率格差」が生じるのは他に重大な理由がある。
 戦後の日本が、歴史上初めて安全保障上の脅威を実感しているからだ。
 それは言う迄もなく、中国の軍事力強化と膨張主義である」

「そうした現実を理解できず、世論を読めていない保守と安倍政権支持派は
 安倍内閣への支持率の主因が「他に人がいない」「民主よりはまし」である事実も見えておらず、
 現下の日本の安全保障問題についても誤った認識を持っている」

「現代における安全保障は国力すなわち経済力に裏付けられたものであり、
 自衛隊が最前線で何とか優位を保っていられるのも過去の経済成長の「遺産」である。
 無意味な異次元緩和でゼロ成長、若者は急減して財政悪化は依然として変わらない日本が、
 減速しつつあるとはいえ5~6%成長で10倍の人口を擁する中国に対し、
 互角以上に相対していくことには重大な困難がある」

「しかも脆弱極まりない原発銀座を抱え、狭い国土に人口が密集している日本が、
 ミサイル戦になったら致命的に弱いという事実も益々明らかになってきている」

「安全保障においては保守もリベラルも根本的に当てにならず、
 他の分野でもジャミングと内ゲバばかり展開している情けない状況だ」

と警告した当ウェブログの予想通りの情けない展開になっている。

 ↓ 参考

支持されない安倍政権の安全保障政策、自衛隊を信頼する真因は「中国の脅威」- 経済的劣位も重要
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/52b252f68c5939b0364eff4664767cf0‎

2015年は「保守自滅」、渡辺喜美・百田尚樹・曽野綾子みな炎上 - 中韓が静かになると失速しかない
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/939ea08753fef63361ba7185d73a1aec

フランスの英雄は国歌を歌わず、ドイツの教員は国歌1番を歌うとクビ - 日本の保守論者が語らない現実
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/df28d76a69d85e4c61fe550c985c0b39

▽ 衆愚的な保守は安全保障のリアリズムに欠けており、集団的自衛権が国防に資すると勘違いしている

『米軍と人民解放軍 米国防総省の対中戦略』(布施哲,講談社)


自民・長尾氏、自身の発言認める 「沖縄メディアは特殊」(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201506/CN2015062701001525.html
”自民党若手国会議員らの会合で報道機関に圧力をかけて言論を封じようとする議論が出た問題で、出席していた自民党の長尾敬衆院議員(比例近畿)は27日、会合での発言の一部を自身のものと認めた。
 認めたのは「沖縄の特殊なメディア構造をつくってしまったのは戦後保守の堕落だった。左翼勢力に完全に乗っ取られている」との発言。
〔中略〕
 長尾氏は発言の趣旨について「反社会的な行動をする人がいる実態がある。報道すべきことを報道してほしいということだ」と説明した。”

「反社会的な行動」とは、昭和史の知識が欠如している議員が報道を統制しようとすることであろう。
この発言の中で当たっているのは「保守の堕落」しかない。
どうして偉大な明治の先人が議会を設け公論に基づいた政治を推進したか、
全く分かっていないと言わざるを得ない。これは明らかな「退化」である。


安保批判報道「懲らしめる」=自民・大西氏が再び問題発言―党幹部は不快感(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201506/2015063000604
自民党の大西英男衆院議員(東京16区、当選2回)は30日午後、安全保障関連法案に批判的な報道について「懲らしめなければいけないんじゃないか」と述べた。また、「誤った報道をするようなマスコミに対して広告は自粛すべきじゃないか」とも語った。
〔中略〕
 自民党有志の勉強会で報道機関への圧力を求める発言が相次いだ問題で、党執行部が火消しを図っているさなかだけに、今回の発言がさらに波紋を広げるのは確実。同党の二階俊博総務会長は首相官邸で記者団に「言いたい放題を言っていい、というものではない」と不快感を表明した。
 大西氏は25日、保守系の党所属議員有志が開いた文化芸術懇話会で、「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなることが一番。経団連に働き掛けてほしい」と述べ、党執行部から厳重注意を受けた。この発言について、大西氏は30日、「政治家が財界に圧力をかけて、マスコミを懲らしめろなんてことは一言も言ってない」と釈明し、「問題があったとは思わない」との認識を示した。”

このように、メディアが人民日報やプラウダと同じようになることを求めているのだ。
中共がメディアを操って日本企業を「懲らしめ」ているのは公然の事実であり、
中共と完全に同じ体質の議員が自民党の中に棲息していることになる。


百田氏発言:「沖縄をばかにしている」 普天間から怒り(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20150627k0000m040080000c.html
”「いったい何の勉強か」。沖縄で、各地で怒りが渦巻いている。「沖縄の二つの新聞社をつぶさないといけない」など作家の百田尚樹氏(59)らが言いたい放題だった自民党の若手勉強会。百田氏は安倍晋三首相とも親しいが、これまで何度も発言が問題視されてきた。
〔中略〕
 市街地の真ん中にある米軍普天間飛行場が、市面積の4分の1を占める沖縄県宜野湾市。「百田発言」を受けて、佐喜真淳(さきま・あつし)市長は市議会終了後に報道陣の取材に応じ、「戦争当時に米軍に接収されたのが普天間飛行場の歴史であり、先祖代々の土地に帰りたいという地権者がいる。その市民を『金目当てだ』というような発言は極めて遺憾だ。市民をばかにしているような感じで、失礼だ」とぶぜんとした表情で語った。
 同市軍用地等地主会によると、普天間飛行場の地主(3354人)の48.5%(1627人)が年間地料100万円未満で、1000万円以上は2.4%(81人)にすぎない。又吉信一会長は「背景を全く理解しておらず、怒りを超えてあきれている。多くの地主は今でも古里の土地に戻りたいというのが夢であり、発言は屈辱的だ」と憤った。
 普天間飛行場の北側に隣接する宜野湾市野嵩(のだけ)1区の自治会長、新城嘉隆(しんじょう・よしたか)さん(48)も、「元々基地の中に土地があり、『帰らなくちゃ』という思いで住んでいるのであり、全く勉強していない」とあきれかえった。琉球新報と沖縄タイムスの地元2紙を「つぶさないと」という百田氏の発言にも、「それが軍国主義や国のコントロールにつながっていくのでは」と危機感を募らせ、「作家がいう言葉ではない」と続けた。
 普天間爆音訴訟団事務局長の高橋年男さん(62)も、住民が住んでいた場所に米軍が滑走路を造り、鉄条網で仕切って外に追いやられた経緯に触れ「歴史を勉強してもらいたい」と苦言を呈した。
 「どこかの島が中国に取られれば目を覚ますはず」との発言には、離島から怒りの声が上がる。日本最西端に位置する与那国島の田里千代基(たさと・ちよき)・与那国町議は「ばかにしている」。1月にあった陸上自衛隊の配備を巡る町の住民投票は、賛成が上回ったものの、反対も4割を超えた。
〔中略〕
 一方、自民党沖縄県連幹事長の具志孝助県議は「沖縄2紙の基地問題に対する偏向報道に反省を求めるのは同感だ」とした上で、「『つぶせ』という表現は適切ではない。その他にも誤解を招くような発言が公の場であったことは大変遺憾に思う」と述べた。
 県外に住む沖縄出身者からも非難の声が上がった。福岡沖縄県人会会長の西表宏さん(64)=福岡市在住=は「元々集落があったところに、銃剣とブルドーザーで住民は追いだされた。明らかに無知で開いた口がふさがらない」。百田氏を招き勉強会を開いた自民党の国会議員について「沖縄を知っている人を講師として選ぶべきで何のための勉強会か。安保法案の審議も行われるなかで、火に油を注ぐような発言だ」と語った。【佐藤敬一、下原知広、青木絵美】
◇「冗談で言った」百田氏
 百田氏は26日、短文投稿サイト・ツイッターに「沖縄の二つの新聞社はつぶれたらいいのに、という発言は講演で言ったものではない。講演の後の質疑応答の雑談の中で、冗談として言ったものだ」などと投稿した。昨年も東京都知事選の街頭演説で複数の候補を「人間のクズみたいなやつ」と発言し、物議をかもした。
 百田氏は安倍首相と親しい。2013年11月のNHK経営委員就任の際、菅義偉官房長官は「(首相が)信頼している方にお願いするのは当然」と述べ、首相主導の人選だったとした(百田氏は今年2月に退任)。

 13年刊行の2人の対談集「日本よ、世界の真ん中で咲き誇れ」によると、民主党政権を批判する百田氏の雑誌の論文に野党議員だった安倍氏から「非常に感激した」と電話があり、親しくなったという。同書で首相は「百田さんとは話が合う」、百田氏は「安倍総理の復活は本当に喜ばしい」と記している。【日下部聡】

◇「まるで大政翼賛会」経済界から批判
 自民党の勉強会で報道機関に圧力をかけるような発言が出た問題で、経済界からは批判の声が上がった。
 日本郵政の西室泰三社長は26日の記者会見で、メディアに広告を出している立場としての認識を問われ、「メディア規制を考えている人の方が、民主主義の原則から離れている」と指摘。大手電機の幹部からは「自分の都合の良いことだけを報道しろというのは、まるで(戦前の国民統制組織である)『大政翼賛会』のようだ」との批判まで出た。ある財界関係者は「広告の出稿は消費者へのアピール効果などを慎重に検討し、経営判断で行っている。政治に口出しされるような問題ではない」と説明、「安倍政権はせっかく経済面で成果を上げつつあるのに、こうした問題で足を引っ張られるとしたら残念だ」と困惑した様子で語った。【片平知宏】”

所詮、テレビ出身の大衆作家だからこの程度であっても何ら不思議はないが、
普天間の件でも地代の件でも、沖縄側から完全に論破されている。
またしても全国に恥を晒してしまった訳である。
(冗談とか居酒屋とかそういう次元の問題ではなく、大嘘をついて同胞を侮辱した訳だから)

黙って大衆作家としてウケる作品だけ書いていれば良かったものを、
日本人らしい自制心が欠如しているとこうなるという典型である。
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